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ダンジョンの救助部隊  作者: 結城一
第三章 えぐるような連鎖

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20/33

20 一級冒険者

「……誰だ」

「あんたが出した救助要請で来た」

「救助要請?」

 彼はゆっくりと振り返る。全身血だらけだ。頬には何筋もの涙の跡がある。ぼやけた深い青色の目は私とユートを見るとポツリと呟く。

「全員死んだ」

「そうか」

 ゴロノフは私の短い返事にやっとしっかりと視線を合わせる。ちらっと意識がなく、両腕の怪我が酷いユートに視線を流す。

「誰かが救助要請を出したのは知らなかった。こんな所まで来てくれてありがとう。すまなかった」

 私はナイフを下ろし、彼を見る。

「私はシロイ、彼はユート。一体、何があった? 皆、上の階層が最下層だと思っている。あんたは知っていたのか?」

「いや、追われてここには入り込んでしまうまでは階層が続いているとは思わなかった」

「救助要請は八日前だ。……話してくれる?」

「……八日……。もうどれぐらい潜っているのかも曖昧だ」

 私は飲料を出すと彼は頷きながら喉を鳴らす。長く水を飲んでいなかったかのような反応である。

「このダンジョンから胞子のような種が流出しているのが発見された。そしてまるで血管のような蔦モンスターが猛スピードで繁殖し始めたんだ。広がった蔦は焼く以外処分が出来ない」

「私達も上の階で疑問に思っていたわ。以前深く潜った時はあんなのはなかったはず」

「国もあんなのは始めてだったらしい。それで調査を依頼された。俺を含めて十一人……上の階に潜ってすぐに()()()()()()()()()

「どういう意味?」

「そのままだ。壁が動いて出入口がなくなった。爆発物で壁を壊そうとしたがまた新たな壁が出現していたちごっこだった。だから別の道を探す為に進んだ」


――――やはりあの大広間に戻っていたら殺されていた可能性が高かったって事か。私達も進んで正解だったのか


 私は無言のまま彼に続きを催促する。

「……最初は腐った肉塊みたいなモンスターだった。二人亡くなった。そして……遺体は……肉塊に取り込まれた」

「あんたの副隊長らしき面影を見た」

「……そうか。彼はその次に亡くなった三人の内の一人だ。肉塊と酸を吐き出すスパイダーの間に挟まれて酷い状態だった。怪我人も出た」

 私はユートの腕を肩に回し、彼を立たせる。ゴロノフは無言で左側の腕を肩に回してくれる。

「ありがとう」

「それは俺のセリフだ」

 ゆっくりと暗い廊下を進みながら彼を見る。長身なユートに引けを取らないほどの大男だ。さすがに一級冒険者で体格は物凄くいい。


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