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ダンジョンの救助部隊  作者: 結城一
第二章 肉塊

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13/32

13 トラップ発動

パキパキッ ガラガラガラ ゴンッゴン!

 

 ついに重さに耐えきれなくなったかのように天井が崩壊する。人間が簡単につぶれてしまうようなサイズの大きな石がどんどん落ちてくる。

 

ピキピキピキピキ

 

 大量のスパイダーらしき蟲が次々と這い出てくる。真っ白な色をした胴体に足のみが青い。空気中に大量に細い糸が舞う。糸は寄り集まり天井の崩壊によって巻き上がった風の動きに乗って同じ方向へと揺れ動く。大量に集まったそれはまるで透明で柔らかな布のように見える。その糸の端が蔦に触れる。

 

ジジジ ジュジュッ

 

 蔦は白い煙を出して溶け、天井の蔦がボトリと溶けて地面へと落ちる。

「くそっ! 逃げるぞ!」

 酸の粒子のような糸を撒き散らしながらそのスパイダーの大群が止めどなく溢れてきている。それらは全部物凄いスピードで私達の方向へと這って来る。全身の逆立つような寒気に慌てて二人分の荷物を掴む。

「シロイ、俺のは俺が持つ!」

「いい! 無駄な体力を使ってないで走って、ユート!」

 無数の小さな目が私達を映し出す。スパイダーがスパイダーの背に乗り、その背にまた別のスパイダーが乗り上げる。そうやって次から次へと私達の方向へと半分と飛び跳ねながら迫ってくる。糸が私達に向かって宙を舞い始める。

 オークの革で出来た鞄は物凄く丈夫だ。だがとても重い。そして中には飲食と道具が入っている。二人分の荷物を持ち上げて顔をしかめながらユートの後を追う。

 暗い通路を全力で駆け抜けていく。背後から鳥肌が立つ数えきれないほどの小さな足が地面を這う音に、地面を叩き付ける足のスピードを上げる。

 大きな荷物が動きを制限してくる。剣を振り回すとどちらかの鞄の重心がズレて体が揺らぐ。重さにいつもよりもずっと早く息が切れ始める。

 前を走るユートを見ると汗が露出している首から背中一面濡れている。少し上半身もふら付いている。

 

――――これじゃどちらも長く持たない!

 

 走りながら背後の気配に松明を振り回す。数匹足が速かったスパイダー達の体液が高温で沸騰し、吹き出す時の甲高い音が上がって燃える。

 

――――くそっ、こいつ等、足が速い!

 

ジュッ!

 

「……っ!」

 松明を持つ手の甲に酸の糸が当たり、皮膚が少し裂ける。

 

カチ

 

「ユート!」

 彼の足元からトラップ発動の音がする。

「転がって!」

 ユートは私の声に上半身を低くして前方へと飛び転がる。

 

ヒュン! ヒュン!

 

 暗闇に溶け込むような真っ黒な矢が彼の頭上を飛び、壁に突き刺さる。

 

カチッ


 今度は私の足の下でトラップの発動音がする。すぐにスピードを上げてユートの方へと飛び込む。

 猛スピードで低い音を立てながら天井からスパイクの付いた壁が落ちてくる。左肘に灼熱のような痛みが走る。


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