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ダンジョンの救助部隊  作者: 結城一
第二章 肉塊

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12 禿げはチャームポイント

「ゴロノフはここで何の調査していたと思う?」

「あのモンスターは確かに恐怖だけど……ダンジョンモンスターの調査をする為にわざわざここに来たとは思えない。って事は、もしかしたらまだ見ていない天災になりえる何かの線が濃いね」

「特大なお宝を調査しにきたという可能性もあるんじゃねぇのか?」

「いや、国が動くほどの宝があるとは思えないな。実際にこの階層に潜ってからそれらしいのは一つも見当たっていないし。と言うか、さっきまでは不気味なほど何もなかったね」

「確かにな。これから問題になるとしたら俺の怪我か」

「……大丈夫。他の要請でも怪我した時は問題なく戻れたでしょ。心配しないで」

「だがもしお前の命の危険があった時は、遠慮なく置いて行けよ」

「心配するなって」

「シロイ、約束しろ」

「だから無駄な事は考えるな。下手に何か起こる前に最悪の事態ばかり心配しているから禿げてくるんだよ」

「俺はまだ禿げていねぇよ、これは剃り込みだって! お前だって前よりデコッパチじゃねぇかよ!」

「私のはチャームポイント。あんたの髪と一緒にするな」

「一緒だろうが。俺のもチャームポイントだ」

 彼が楽しそうに苦笑する。

 分かっている。二人共分かっている。これは緊張と恐怖を和らげる為の軽口だ。

 ダンジョンでの大きな怪我は命を左右する。細かな剣さばきに影響するのもそうだが、何よりも炎症が恐ろしい。小さな炎症ならばダンジョンを出て治療をすれば問題ないが、炎症が酷くなってきてしまうと薬も消毒も限られているこの空間では生存問題である。

「シロイ、もう大丈夫だ。先に急ごう」

「……無理はするなよ。少し仮眠したらどうだ?」

「いや、仮眠したらしたで、さっきのが追い付きそうで落ち着かねぇ」

「この先休めるか分からないよ」

「分かっているさ」

 応急処置で使ったハンドナイフ、針、包帯等を片付ける。栄養を加えた飲料を彼に渡すとそれを少し飲んでから私に返してくる。

「シロイも少し飲んでおけ。炎症が酷くなってくるとお前頼りになるからよ」

 黙ってそれを受け取って数口飲んでから残りを仕舞う。

 

ズゥル…… ズゥル…… ズゥル ズウゥル

 

 音が近付いて来る。見える事に期待をしなかったが松明をかざして一応音の方角を確認する。

「……ねぇ、あの天井……」

 ユートはそこに目を向けて首をひねる。

「ああ……。あんなに……天井低かったか?」

 その瞬間、天井が急速に膨らみ、重そうに軋みだす。その膨らみが徐々に重力に従うように石と石の隙間から小石や砂が音を立てて落ちてくる。膨らみを覆っていた蔦が千切れ、石にヒビが走る。

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