第三話 校則
廃藩先生「本日は挨拶だけなのでこれで解散としまーす。君達に事前に配ってある生徒証明書が寮の…まあ各々の部屋の鍵になっていて号室も書いてあるから、ゆっくり休んでゆっくり備えるようにー」
生徒達は自分の生徒証明書を眺める。
園咲「12号室か…」
廃藩先生は頭を掻きながら
廃藩先生「みんな帰宅前に自己紹介してからにしよっか〜、じゃあ名前順にお願いねー」
金髪の男「あ？」
廃藩先生は無言で見つめつつ拳を握りしめると金髪の男は舌打ちをしてから、不機嫌そうに肘を机につきながら
鬼怒「鬼怒ー…」
廃藩先生「名前と一言ねー」ニコニコしている。
鬼怒「鬼怒 雷夏！早よ！部屋に行かせろ！」
廃藩先生「もう少し待ってねー」
酒浪「酒浪…」
廃藩先生「あのさー、名前と一言はー？」
酒浪「・・・。」
廃藩先生「まあいっか、次ー」
時雨「時雨 六十実です。よろしくお願いします。」
時雨は軽く頭を下げる。
廃藩先生「やっぱ普通はこんな感じだよねー」
園咲「園咲 輝澄盗です！よろしくお願いします！」
廃藩先生「さて、ラスト！」
姫川「姫川 流々、私に勝てる人はいないの」
廃藩先生「自信があるのはいいね、さてとあとは自由だよーバイバーイ」
廃藩先生はスタスタと教室を去ると鬼怒が寮に突っ走っていく。
園咲「廊下を走るとあぶな…」
言い終わる前に鬼怒は黒雲先生にぶつかるが鬼怒は何も言わずに通り過ぎて行こうとする。
黒雲先生「…廊下を走るな」鬼怒の腕を掴む。
鬼怒「うるっせぇな！」腕を振り払おうとするが手が離れない。
黒雲先生「埃の言葉だけでは足りなかったか…」
黒雲先生は有無を言わせずに鬼怒を生徒指導室に連れていく。
園咲と時雨は顔を見合わせてから寮に向かおうとする。
酒浪「…自業自得…….」と呟いて足はやに寮に向けて歩く。
園咲と時雨は昇降口前で別れ、園咲は男子寮に向かうと11号室に入っていく酒浪が見える。
園咲は12号室のドアを開けると部屋にはベッドと机と椅子という最低限しか置かれていない。
園咲「しょっぼ…仮にもこれが自室かぁ〜…はぁ、もういいや！晩御飯まで寝よ！」
ベッドに飛び乗り、眠りにつく。
〈数時間後〉
園咲は起きてベッドの上で伸びをする。
園咲「んー！あー！」
園咲「さてさて、今の時間は何時かな〜」
スマホを見て驚愕する。
園咲「……8時50分…日を跨いだ…だと…..」
昨日配布されたプリントには9時以降は遅刻と書かれている。
園咲「あと、10分….いやいや無理無理！昨日の夜は寝落ちで何も食べてないし！よし、秘密兵器を使うか…」
｟ブロック状のカロリー摂取物！その名も！『カロローキャッチ』｠
園咲は一口で食らいつき、鞄を握って窓の外を見る。
園咲「距離は700mってとこか…」
園咲は怪盗のNEVERを発動させ、腕に機械をつけ手首あたりの穴から鉤爪のついたチェーンを飛ばし、学校までの道のりの木々やら建物に引っ掛けつつ進んでいく。ちょこちょこバランスを崩し色々な物にぶつかりつつ走る。
園咲「やっぱむずいけど普通にいくより早いし！」
園咲は時雨に電話をかける。
時雨「もしも….」
園咲「窓開けてくんない！？」
時雨「いいけど…」窓を開けると、園咲が窓の淵に鉤爪を引っ掛けて飛び込む。
園咲「セーフ！」
廃藩「26秒遅刻だよ、園咲くん？これからは時間の確認を徹底しようね」
園咲「あ、はい…すみません…」
廃藩「それじゃ今日の授業はNEVERの測定と行こうか！」
鬼怒「….あ？」
