第一話 スタートライン
窓際の黒いベッドの上、スマホの着信音が鳴り響く。
水色髪の少年が「んぅ〜…?」と寝ぼけた声を漏らしつ、ベッドに座りスマホを耳に当てる。
園咲「ふぁ〜…もしもしぃ〜」
時雨「ねぇ、今なにしてるの?」
園咲「どーしたの六十実、今起きたけど…」
時雨「はぁ〜、そんなことだろうと思った!まったく!今日学校だよ!が・っ・こ・う!!」
スマホを確認する。
園咲「….8時半…あー!やばいまってちょい待ってぇー!」
スマホを手放しそうになり通話を切ると少年はスマホを机に置いて、寝巻きを脱ぎ捨ててシャツに袖を通しズボンを履くとフライパンに油を敷いて火をつけると横の水道で顔を洗い歯磨きをする。
窓の外から先ほどの電話の少女の声が聞こえる。
時雨「輝澄盗ー!まだー!」
少年は少し焦る。
フライパンに卵を落とし、ひっくり返す。できるまでに鞄に荷物を突っ込んでパンを素手で掴み咥えると火を消して鞄を掴んで窓から飛び出す。
着地して腰に手を当てて立ち上がると、少女に頭を鞄で叩かれる。
時雨「急いでても窓から飛ぶのはやめなさいって何回言えばわかるの?!」
⦅この少女は、時雨 六十実この少年の幼馴染でありいつも世話を焼いている。今日から少年と学校に登校するために迎えに来たがこの様である⦆
少年は頭を押さえつつ時雨を見上げ
園咲「平気だって、ほら!」立ち上がる。
⦅この少年は、園咲 輝澄盗時雨の幼馴染でありいつもマイペースで子供っぽい所が多く、抜けている⦆
時雨「はぁ…もういい…とっとと学校行くよ。入学式から遅れたら元も子もないよ」
園咲は立ち上がり時雨の隣を歩き学校へ向かう。
学校に向かう道中にはNEVERを扱う人間が数人いた。
校門前でなにやら人が中心を避けているようだ。
園咲「ちょっと様子みてくる!」
時雨「ちょっ、あぶな…!もー!」
園咲は走って向かう。
園咲「大丈夫!いざとなれば僕には『怪盗』があるからさ!」
園咲が近づくと金髪で白い角の生えた男が別の男子生徒の胸ぐらを掴み財布をくすねると生徒を投げ捨てる。男子生徒はすぐに校門を潜って逃げ出した。金髪の男は園咲を睨む。次の標的を見つめるように….
金髪の男「おいお前、財布出せ」
園咲「んー嫌だけど、というよりもやめようよ今日入学式だよ?」
金髪の男「なら、落としたくなるまで…」
園咲「いや、だから….」
金髪の男が右手に稲妻を走らせる。
金髪の男「ボコボコにしてやるよ!!」
金髪の男はそのまままっすぐ拳を叩きつけるがギリギリで園咲は腕を交差させて守るが火力が高いのか吹き飛ばされる。
園咲「ぐっ...校門前でこんなこと危ないだろ!」
金髪の男「知らねぇな!んなこたぁよ!」
金髪の男は距離を詰めて拳を叩きつけ続けると徐々に園咲の防御が薄れるのを感じとり、いきなり体制を変えて地面に手をついて園咲の顎を蹴り上げると園咲は空中に打ち上げられる。それと同時に金髪の男の身体が避雷針になったかのようにその場に落雷が降り、園咲に追い打ちをかけるように当てる。園咲はそのまま地面座り込む形になる。
金髪の男「とっとと出せや」
金髪の男が近づくと時雨が走ってきて園咲の前に立つ。
時雨「させない!輝澄盗は悪いことしてない!」
金髪の男「んなのどーでもいいんだわww」
金髪の男「あーだりぃ…もーええわ」
金髪の男は右手に雷玉を生成し、時雨の顔面に向けてぶつける。
金髪の男「2人仲良く痺れてろ!」
時雨「!」
時雨は目を瞑る。園咲は身体が痺れて動けない。




