第十一話 愛《後編》
クロニクル「神空堕天」
クロニクルの背中から白と黒の交わる翼が四つ生える。
クロニクル「…神空堕天:クロニクル」
酒浪「神空堕天…」
次の瞬間クロニクルが酒浪の頭上に瞬時に飛来し、酒浪の頭部に槍を突き立てるが、酒浪はギリギリで躱すが少し擦り血が滴る。
酒浪「ぐっ…」
酒浪はそのまま槍を掴んで刀を振るうがクロニクルの目が怪しく光り、その動きを読んでいたかのように酒浪の顎を蹴り飛ばす。
酒浪「がっ…」
酒浪は大きく吹き飛ばされ、片膝をつくと頭から血が流れ景色が朦朧とする、砂嵐が入り、自分の立っていた場所がレンガでできた道に置き換わり自身の胸に少女を抱いていた。そんな中、顔を上げると黒いフードを被った男の立ち去る姿と空には銀髪の男が飛来し、流れ星が流れっていた。またも砂嵐が入ると現実に引き戻され、クロニクルが立ち顎を蹴り上げ宙に浮いた瞬間槍で身体を真っ二つに裂く。
酒浪の口から大量の血が吐かれる。
酒浪「がはっ…」
酒浪はそのまま地面に倒れ、意識を失いかける。
クロニクル「さて…」
クロニクルは寮の方に歩き出す。
酒浪は目を瞑る。
その瞬間酒浪は後悔した、あの時飛び出さずに人を呼ぶべきだった。
『また俺は…』
その瞬間、走馬灯のように頭に記憶が流れた。
視点が低くモノクロで、どこだかわからない施設であやされる。
砂嵐が入ると少し視点が上がり、右手には買い物袋がある。
橋の下で少女が泣いている。
その少女に絆創膏を渡すと少女は俺の顔を見て微笑んだ。
また砂嵐だ。晴れると視点はさらに上がり少女の家なのだろうか、少女の家族と食卓を共にしていた。
砂嵐が入る。視点はそのままで施設に戻される。
周りでは歳上の子供が命令をくだしている。
俺は逆らったのか、暴力を振るわれる。
砂嵐が入る。さらに視点が上がる。
中学校の廊下だ。周りの生徒は怯えながら道を開けている。
あの少女だけは俺の隣を歩いている。
砂嵐が入る。
視点はそのままで指輪をはめた少女が泣いている。
ただ微笑んでいる。
砂嵐が入る。そして少女の声が聞こえる。
『ありがとう』
次の瞬間目の前は血で溢れた。レンガの舗装された道に先程少女がつけていた指輪が血塗られて落ちている。
砂嵐が入り、少女の声がこだまする。
『ごめんね』
その瞬間目を開ける。
酒浪「謝るなよ…げほっ…」
クロニクルは振り返る。
クロニクル「まだ死んでなかったか」
次の瞬間、酒浪の右手の薬指にある先程の指輪が眩い光を放ち、酒浪の傷を癒す。
クロニクル「まだ、そんな隠し玉があるとはな…」
クロニクルは身体を反転させて槍を突き立てて突っ込むが光に阻まれる。
クロニクル「…⁉︎」
酒浪の右腕に纏わりつく光は右側の刀に吸い込まれる。
影月は迷いなく右手でその刀を引き抜くと左側の刀とは相反し、純白に染まった刀身の刀が現れる。
酒浪「ありがとう……k……………。」
『ありがとう』の一言と同時に光が爆風を生み出し、その音でその後の言葉は聞こえない。
クロニクルは瞬時に翼で自身を護るが少し吹き飛ぶ。
クロニクルが翼で自身の護りを解くと影月が目の前で逆手に純白の刀を握り、回転しながら切り掛かっている。
クロニクルは影月の編み出す新たな斬り方に少し不慣れなのか手元が緩む。影月はそのまま地面に着地すると同時に地面を蹴り上げて刀で槍を弾き飛ばすとクロニクルは影月を蹴る。
影月はその動きを予測していなかったのか、その場でよろめくがクロニクルは追撃をせず槍を取りに行く。
クロニクルは槍を掴むと天に向けると空から金色の稲妻が影月に向けて落ちる。
影月の目に迷いはなく。地面に手を付き足の裏に刀を乗せると前に鬼怒がやっていた蹴りを真似る。刀は宙を舞って回転し、稲妻を纏う。
クロニクル「なっ…!」
影月は少し手で飛び、着地と同時に地面を蹴り高く飛び上がる。
そしてそのまま刀を掴み速度を落とすことなく下から上に切り上げる。
クロニクルは突っ込んでくる位置を正確に予測し、槍を向ける。
しかし、影月はクロニクルを超え空を舞うと回転し始めクロニクルに斬りかかる。
クロニクルは目を見開く。今、影月はクロニクルの持つ『先読み』を超えたのだ。先程までとはまるで別人のように動く影月にクロニクルは少しの恐怖を覚えていた。
クロニクルは瞬時に槍を捨てると光と闇を収束し、自身の前に融合したシールドを展開する。
クロニクル「超魔:光闇ノ神盾!」
影月は無言でシールドに突っ込むかと思いきや、瞬時に動きをとめ刀をシールドに突き刺す。
割れることはなかった。
クロニクルはそのまま影月の頭に向けて空中に槍を生成し始める。
しかし、次の瞬間刀に黒い煙が影月の手から纏わり始めヒビを大きくしそのまま破壊する。
だが、シールドのおかげか影月は少しだけ高さをミスり、斬れたのは頭の煙だった。
2人は地面に落ちる。
クロニクル「…チッ、天命ノ輪が破られるとは…今回は見逃してやる」
コントローラーのスイッチを押し、黒い穴へと消えていく。
酒浪「待t…」
影月は心臓がドクンと跳ね上がりその場に倒れ、指輪の輝きもなくなり刀は鞘に戻って行く。




