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第71話 憶測

「おわ?何が起こったん? あのおっさん倒れてもうたんやけど!」

「あ〜んな離れた人に魔法が掛かってしまうとは! 何ちゅうスゴか杖ぜよ! おんし、こん杖ワシに譲ってくれんかの?」

「あ、えーと……コレはまだ試作品ですので、もっと研究が必要なんですよ。軽量化もしなきゃですし。……完成したらまた使ってもらえませんか?」

「おお!そげんか?! 出来るだけ早う〜頼むぜよ! 金はいくらでん出すよってからに。」

 ボクが思うに、おそらくこのSVDじゃなくても、同じ効果は発生させられるはずだ。

 それに……この『発掘兵器』は、まだ1丁しか見つかっていない貴重品だしね。


 タヌっ娘も、今の実験を通してヒントを掴んだようで、SVDをしきりに撫でまわしている。

「タマキさん、コレってもしかして……『大発明』の予感やろか?」

「ええ、そう思います。マレッタさんは現時点では、どの部品が重要だと思われますか?」

「せやなぁ? ウチはこのスコープっちゅう部品と、この引き金を引いたときの『カチン』ちゅう音ちゃうかな〜って思うんやけど?」

「ボクも同感です。むしろ軽量化のために、本体はオール木製でも良いんじゃないかと。魔石も埋めやすいでしょうし。」

「うはぁ〜!ウチもそう思うたで! うわ〜ワクワクするぅ!今から直ぐにでも帰って、図面引きたいわ〜!」

「そうですね! でもまずは、この事件にカタをつけないといけません。」


 新しいツール発明の予感で、皆さん少し気が紛れたようだ。

 そこへウサ耳警部が資料を持って帰ってきた。

「皆さん、遅くなってすみません。港湾事務所の友人に話を聞いたところ、ココ最近になって国籍不明の黒い船が接岸してくることがあるようなんだ。でも、港湾施設使用料は事前にキッチリ現金払いしてくれるので、目的や内容などに関してはあまり細かく突っ込んでは聞かなかったそうなんだけどね?」

「ほう。……で、船の大きさはどのくらいなんだい、マディ?」

「ええと、確か200フィート級の帆船らしい。結構大きいみたいだよ?」(※1)

 

 ……どうやら『黒船』は実在しているようだ。

 そうなると、あの書類や地図の信憑性も高まってくる。

 タイムリミットは明日の夜。

 それまでに、何とかして有効な手立てを講じたいものだ。

 

 すると、もう一人のウサ耳さんも帰ってきた。

「お待たせ!資料集めてきたわよ。」

「何か分かったことあるかい?」

「そうね〜。組合の資料によると、ハニーダ議員の関係する店舗は12件。すべての店舗を合わせると、かなりの人数の女性従業員が登録されているわね。」

「具体的には?」

「さっきの『ハニーダ会館』だと35名、小規模のお店でも10名は登録されているわ。全部合わせると250名近いわね。」

「ん? それがどうかしたのかい、キャシー?」

「それがね、この3ヶ月でも100名近くの登録名が変更されているのよ。」

「え〜と……つまり、3ヶ月で100名近くが店を辞めているということですか? 飲食業って、そんなに定着率悪いんですかね?」

「うむ、確かにタマキさんのいう通りだ。何か引っかかるな?」

「局長! ウチが紹介したハニーダグループ関連の人材記録、探してきます!しばらくお待ち下さい!」

 ネコ事務員さんはそう言うと、急ぎ足で事務室へと向かった。


「タマキさん、つまり君はこう考えているわけだな? その100名が黒船に『積み込まれている』のではないかと。」

「ええそうです。ただの憶測に過ぎませんが、ありえない話でもないでしょう?」

「なるほどのう? もっと高い給料を払うから、外国で働いてみないか?みたいな謳い文句で釣って……とかいうことじゃな?」

「ええ、そうかも知れませんし……もしかしたら何らかの方法で強制的に国外に出された、というのも考えられます。」


 そこで事務員さんは資料を抱えて戻って来る。

「お待たせしました!資料によると、この3ヶ月間にウチから紹介したのは女性85名、男性5名。コレが記録名簿と求人票です。」

「ふむふむ……女性の求人条件は年齢が18〜26歳、経験不問。どの店舗もキャスト募集か。」

「『北部(キタ)ギルド』のウチだけでも、記録上では60名近くがこのグループに採用されています。たぶん『ミナミ』のギルドにも同程度の求人が出されているはずなので、100名くらい人材が動いていてもおかしくないと思います!」

「な〜るほどねぇ。ちょっと『ミナミ』にも確認取ってみるとしようか。急ぎ馬車を用意してくれるか?」

「承知しました。玄関に回しておきます!」


「ほう、ミナミの『マスダ』(※2)に会いに行くのかえ? ワシも久しぶりに会いとうなったわい。一緒に行って構わんかの?」

「もちろんですよ、ミレイネ様!一緒に参りましょう。」

「タマキさんも一緒にどうじゃ? ヤツは普通じゃなかなか会えん人物じゃぞ?」

「え?ボクですか? ご一緒しても大丈夫でしょうか?」

「構わんさね。おぬしはいろいろと不思議なところに気がつくでの?連れてくと、また何かが起こる気がするんじゃよ。」

 

 ――――――――――


 ※1 全長約60mだから、まぁまぁ大きい。海自だと中型掃海艇程度、海保だと中型巡視船程度の大きさとなる……って逆に分からんね?w

 ※2 『ミナミのマスダ』って……あまりにも似すぎて、もうアレしかないじゃんwww

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