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第7話 もしかしてコレって・・・?

 まぁとりあえず、もう少し待ってみるか。


「あ、やめ、やめて……乱暴しないで! ……誰か……助けて!」

「こんなところじゃ誰も来ねえぜ! 観念しろよ子猫ちゃん! 大人しくしてりゃ、殺しやしねえからさ。」

「うへへいいねえ。この瞬間がそそられるっすよ、へへへ」


 特に、奥で怯えている……声からして多分女の子(?)の演技力は凄いな、うん。

 まぁシナリオはありきたりだけどね。

 しかも「子猫ちゃん」って表現……古すぎてカビ生えまくってるよ、どんな番組なんだ?


 しかし、次の瞬間……リーダー役のイヌのコスプレおじさんが辺りを見回す。

「おい……何か臭うな?」

「何だよ兄貴?」

「おう確かに。何だかサルっぽい臭いがするぜ?」

 にわかにイヌ×3がそわそわしだす。


 サル??

 ん〜そもそもサルっぽい臭いって……どんなニオイなんだ?


「ん? そこだな?」

 棍棒をもった手下役が、ボクに向かって歩き出す。


 やば! 何だ何だ?

 音を立てないように、茂みの中からゆっくり退避する。

「……誰だお前! そこのお前だ!」

 うわ、何で見つかるんだ! 臭いって……ボク?


 観念して立ち上がるボク。

「撮影邪魔してゴメンナサイ!」

「はぁ? サツエーって何だ? 意味分からんこと言ってんじゃねえよ? コッチ来いや!」

 棍棒をコッチに向ける手下イヌ。

 うわー見れば見るほど……リアルだなぁ。体もちょいモフっぽくって、マジイヌそのものじゃん!


「ああはいはいゴメンナサイ……。」

 AKMを小脇に抱えながら、ゆっくりと歩き出す。


「兄貴、どうしやすかこのサル!」

 え〜なになに? ボクってサル役なの??

 聞いてないよ! ちゃんと出演料払ってくれるよね?

「いやいや待て待て。」


 ボス役イヌが、ニタっと笑った(……ように見える)。

「そいつも捕まえろ。このニオイ、毛無しザルでもそいつは上物だ!」

「うへへ、そういうことか兄貴!」


 松明イヌがボクに近づいてくる。

「ちょ、待った待った! 毛無しって何だよ。」

「ゴチャゴチャ言ってんじゃねえぞコラ!」


 思わず、AKMを棍棒イヌに向ける。

「ちょっと! 何か怖いから! 近寄らないで!」

「んだとコラ! そんな短い槍で俺様に勝てると思ってんのかよ!」


 いや待て、何か変だぞ!

 コレって撮影じゃなくて……ホントのコスプレ強盗か何かなのか?!


 ボクは反射的に、AKMのボルトをガチャリと引いてしまう。

 そして大きな声で

「け、け、警察だ! 武器を捨てて手を上げろ! 早くしろ! 撃つぞ!」(※1)


 ……いやそれおかしいでしょ、警察がAK構えてホールドアップって言うか?

 でもそんなコト気にしちゃダメだ! ガンガン叫べ!

「早くしろ! ひざまづけ! 武器を捨てろ!」


「うほほ〜何だコイツ、訳のわからんこと言って。面白えな!」

「何だぁお前! 一人で俺たち『灰色のフェンリル団』に勝てるとか思ってんのか!」

 松明に照らされた、イヌの瞳と牙がやけにリアルだ。

 

「何してんだお前ら! さっさと捕まえろ!」

「「へい兄貴!」」

 松明イヌも、じりじりコチラに詰めてくる。

 松脂が弾けて「パチン」と音を鳴らす。


「止まれ! 撃つぞ! 動くな! 撃つぞ!」

「へっ、怯えていやがるぜ、この毛無しザル」(※2)

 棍棒イヌがギュッと棍棒を握り直した。


 うわ、銃向けられてもあいつら向かってくる!

 おもちゃってバレてるか!

 くそ〜! この距離で顔狙えばBB弾でもワンチャンあるか? イヌだけに!(※3)

 怯んだ隙に距離を取れば、あるいは?


 ゆっくり下がりながら、棍棒イヌの顔に狙いをつける。

 あと3メートルか!

 狙うといっても暗いので、ほぼカン頼り。


「ホントに撃つぞ!あ!!」

 ドジった! 右足が石か何かにぶつかって、一瞬よろめく。

 その衝撃で思わずボクは、引き金を引いてしまった……。


 ――――――――――


 ※1 警察じゃないのに、「警察だ!」とか言っちゃいけません。軽犯罪法第1条15号(官名詐称)で罰せられることがあります。

 ※2 ガ⚪︎ダムにやられた初の犠牲者、ジーンのセリフのパク……オマージュw

 ※3 このモノローグを言わせたいが為だけに、敵役をイヌにしたという……w

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