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第67話 コレって催眠?

 ボクが扉を叩こうと左腕を伸ばしたその時、狐さんが無言で待ったをかける。

 そして懐から取り出したのは、何かの小瓶。

 あ、それはさっき町をウロウロしてた時に、小物屋で買ってたやつだっけ?

 

 すると、鉄格子から手を伸ばして廊下に向けてシュッシュ。

 牢屋中にふわりと甘い香りが漂いはじめる。

 匂いだけだと、まるでデパートのコスメ売り場。

 まぁ鉄格子だらけだから、雰囲気最悪だけど。

 

 あ、なるほど!相手がイヌ人ネコ人だから、香水で『鼻』を潰したんだな?

 うっかりすると、ボクの位置がニオイでバレてしまうからね、あの夜の森の出来事のように。


 さて仕切り直し。

 ボクは左手でココンと扉をノックする。

 しばらくすると、扉のカギがガチャリと鳴り、扉が開く。

「お? 次を連れてきたのか?って香水クサッ!! 何だこりゃ?」

 

 出てきたのは、さっき手下を蹴飛ばしていたイヌ人リーダーのようだ。

 ちなみにボクは、ちょうど開いた扉の影に隠れた状態なので、相手からは見えていない。

「ありゃ?誰もいねえな?しっかし何でこんなに臭――」

 次の瞬間、イヌリーダーはすごい音を立てて顔からダイブ!

 あ〜コレが催眠魔法なのか?

 

 しかし倒れた様子をよく見ると、うわぁ白目を剥いているねぇ。

 コレは、グッスリ眠らせるというより……完璧に失神しているような気がするな?


 さて、次が問題だ。

 多分誰かが異常に気付いて、詰所の中から飛び出してくるはず。

 催眠魔法を掛けても即効性は無いはずだから……場合によっては、マカロフ弾を数発撃ち込む必要がある。(※1)

 10秒ほどじっと待っていたが……あれ?誰も出てこないね?

 銃を構えながら、注意深く詰所の中に侵入するボク。


 結論から言うと、誰もいなかった。

 すぐさま、詰所奥にある扉の鍵を掛けておく。

 コチラはひとまずヨシと。


 ロープと手錠を2つほど拝借し、狐さんのいる牢へ昏倒したイヌ人を2人がかりで引き摺り込む。

 ん〜こいつ、無駄に重いな。

 何食ったらこんなにデカくなれるんだよ?

 

 で、手錠を手足にガッチリ掛けておく。

 一応念の為にロープを首に掛け、足の手錠と繋げておいた。

 これで、暴れたらとりあえず首が締まるはずだ。


【ふふ、上手くいったわね? あ、でも、階段の方から誰かの足音が近づいてきてるわよ!】

 とりあえずボクたちは再度牢に入り、手錠を掛けたイヌ人を背中で隠すように座って、様子を伺う。

 もちろん狐さんは、廊下に香水を1吹きするのを忘れない。


「さあ、2人ともココに入れ! 騒ぐんじゃねえぞ!」

 さっきの手下たちが、牢にまた女性を押し込んでいるようだ。

 ……あいつら、その牢の中にボクがいないのに、まるで気付いていないようだな?


 で、その2人は当然、詰所側に歩いてくる。

「旦那!次のを連れて……ってクサっ!何でこん――」 

 もちろん2人とも即刻倒れる。

 いやこれはさ……絶対に『催眠』とかじゃない気がするんだけど?

 

 で、さっきと同じように牢に引き摺り込んで以下同文。

 うーん、こんなにラクでいいのか?

 ……魔法さえあれば、もうボク要らなくない?


 一応さっきの3人は『確保』できたので、今のうちに詰所の中を探っておこう。

 おそらく名簿とか資料とか、事件に関わる何かがあるだろうからね。

 何だかよく分からない資料や地図が、机の上やら壁やらに……とりあえず手当たり次第、近くに置いてあるカバンへと放り込んで持っていくことにしよう。

【それだけあれば何か分かるんじゃないかしら? あ、それとね、警察の馬車を例のお店の前に向かわせたわ。】

 

 どうやら帰りのタクシーも呼んでくれたようだから、そろそろみんなでトンズラするとしようかね。

 捕えられていた女性たちに廊下へと出てもらい、皆さんの怪我や健康状態を簡単にチェック。

 昏倒した奴らは、もちろんそのまま牢の中で放置プレイ。

 あとで警察連れて迎えにくるからね。

 ……念の為、詰所と牢の扉が開かないように、ガッチリ魔法を掛けておくのも忘れずに。

 

 さ、あとは僕たちが捕まった呉服屋ブティック?から脱出するだけだ。

 スカウトたぬきさんに索敵をお願いしながら、銃を持ったボクが皆さんを誘導。

 警戒モードで階段をゆっくり登っていく。

 登り切ったところで、天井にまた怪しい魔石が埋め込まれているのを見つけた。

 やっぱあるよね〜普通。

 ……ということで、いつもより多めに銃弾をお見舞いして完全破壊。

 

 で、ドン詰まりまで進むと、試着室の隠し扉は開きっぱなし。

 不用心だなぁ〜ちゃんと閉めとかなきゃダメじゃないか?

 警戒しながら店の中へ入るが……だぁれもいないね?

 あの手下たちって、端から2人でやってたのかね?

 

 入口扉のカギを開けて通りへ出ると、店の前には栗毛の馬の2頭立ての立派な馬車が2台。で――

「ハァイ!コニチワみなさぁん! アナータたち!みんな馬車に乗ってくださぁいネ!」

 金髪ウサギは、またカタコトモードに戻ってたよw


 ――――――――――


 ※1 ファンタジーを除き、一般的には催眠や麻酔に即効性はない。……というより、そもそも麻酔とは専門医が必要なくらい難しい技術なのだ。何しろクスリの分量を間違えると、そのまま一生目覚めなくなる可能性すらあるんだからね! 某探偵坊主のように麻酔針プシュッとか、そんな簡単なことではないのよ?

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