第51話 冒険者?
ネコ村へ帰る途中、門番さんに出会う。
話によると、彼女は門番をしているだけでなくあちこち見回っているらしい。
確かに、侵入経路は門からばかりじゃないからね。
ただ、強力な結界が張り巡らされているため、悪意ある外敵からの脅威はある程度防げているらしい。
ん〜そもそも結界って、何なんだろうねぇ?
透明なバリアー的なやつなんだろうか?
物理的に塞がっていると、温室みたいに熱がこもりそうな気もするが……よく分からんなぁw
「ところで、明日町に出かけようとお誘いがあったので、ちょっと行ってみようと思うんですよ。」
「おぉ〜それはイイねぇ! オレも行きたいけど、明日は予定があるからなぁ?」
「で、事前に確認しておきたいのですが、町の治安状況ってどうなんですかね?」
「そうだなぁ……表面上は悪くはないんだけどさ、繁華街に入ると……場所によっては近寄りたくないトコもあるにはあるよ?」
「例のゴロツキの支配地域とかです?」
「ん〜それもあるけどさ、強引な客引きがいたり、ボッタクリだったりとか結構あるらしいんだよ、飲み屋街とかさ。」
……ああ、そっち系ね? この人らしい答えだw
「町にも、この村と同じように自警団組織はあるんでしょ?」
「まぁな。でも、慢性的に人手不足らしくって、思ったようには動けていないのが現状らしいよ。」
「そうなんですか……。」
「あ、町に出かけるんだったらさ、オレの知り合いが隊長してるから、会って直接話を聞いてみたらどうだい?」
「それも良いかもしれませんね? ドコに行ったら会えるんです?」
「そうだな、あいつは『冒険者ギルド』のマスターもしてるから、そこを訪ねていくとイイよ!」
「ぼ、冒険者って職業があるんですか?!」
……おいおい、いきなりファンタジー全開の単語が出てきたぞ?
詳しく聞いてみると、どうやら非正規雇用者のことを便宜上そう呼んでいるらしい。
ホントに冒険して生計を立てているものも中にはいるが、ほとんどはパートやバイトのような仕事のようだ。
つまり『冒険者ギルド』は、元の世界で言うとハローワークと派遣会社の合いの子みたいなものっぽい。
「紹介状を書いてきてやっから、それ持ってくといいよ!」
「ありがとうございます。助かります。」
また用事が増えてしまったが、今後のこともあるから直に情報を集めるのも大事かもね。
「あとで酒持って寄るんで! それじゃまた後でな!」
ああ、もう夕焼けかぁ……。
異世界に来て、3日連続で飲み会かぁ……こんなんでいいんか?




