表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/92

第42話 水車小屋

 マレッタたちの工房へ行くには、歩いて10分ほどかかった。

 何しろ工房は村から離れていて、田んぼの向こう側の山際にポツンとあるからだ。

 鍛治をはじめ、大きな音が出る作業もあり、また材料の調達にはこの場所の方が何かと都合がいいかららしい。

 また、山から降りてくる水路に水車を掛け、各種作業用の動力にもしているようだ。


 外観は田舎の水車小屋そのものだが、近づくとかなり大きな工房であることがわかる。

 おそらく2階建てだろう。

「さあ着いたで! どうぞ入って入って!」

「「お邪魔します!」」

 

 うわ〜天井が高い!

 一部が吹き抜けになっているのだ。

 中では何人かのタヌキ人女性が、黙々と作業している。

 すると、近くで作業していた人が声を掛けてくれた。

「おやおやミーナちゃん久しぶりやね〜。今日もしゃれとんしゃあね。(※1) それとあんたは、ユリミさんトコに来た異世界の人やろか?」

「初めまして、タマキと申します。工房を見学させていただきますね。」

「ほんなこつ、よう来んしゃった〜。こげなむさ苦しかトコばってん、奥の方でちょっと休んでいきんしゃい。お茶くらい出すばい。」

「ありがとうございます。どうぞお構いなく。」


「タマキさん、ミーナちゃん、コッチコッチ!」

 奥でマレッタが手招きしている。

「ココがウチの設計室なんよ! 結構ええ感じやろ?」

 北向きの部屋だが意外と明るい。

 窓が大きいせいだろうね。

 あちこちに設計図らしきものが貼ってあるし、いろんな本も所狭しと並べられている。


「今日は少し温いから、ちょっと冷たいものでええ?」

「わーい、ありがとうマレッタさん♪」

 よく冷えた緑茶で一息つく。

 

「そいじゃ早速、昨日のAKとかいう『杖』を見せてもろてええですか?」

「はいはい、では簡単に分解しましょうか?」

「うん、そうしたって〜。 助かるわぁ〜。」

 ボクは、マガジンを外したAKMを作業台の上に置くと、手早くレシーバーカバーを外し、リコイルスプリングガイドを抜き出した後、長大なボルトキャリアを取り出した。

 その後、小さなレバーを起こしてアッパーハンドガードとロアハンドガードを外す。(※2)

 タヌキ娘もネコ娘もボクのそばで、不思議そうにその光景を見ている。


「うわぁー!あっという間にバラバラやね! やっぱ何度見てもすごい仕組みやわぁ〜。 ホンマ惚れ惚れするわ!」

「もしこれ以上分解するんでしたら、いろいろな工具が必要ですが、ネジを回す工具とかありますか?」

「ドライバーとかレンチならあるで? ココのやつ使ってぇな。」

 あ! 英語の単語OKな環境なんだココ!


 ボクはドライバーを借りて、ストックとグリップを外す。

 すると鉄製の部分だけが残った。

「もっとバラします?」

「う〜ん、今日んトコはコレくらいにしとこかな? おおきにおおきに!」

 タヌっ娘はいろんな所をいろんな計測器具で計りまくっては、手元の大きなメモにびっしりと図や文字で書き留めていく。


 しばらくすると、何かに気づいたのだろうか……2〜3分考え込んでいる様子。

 そして――

「思い出した! この形、どっかで見たかと思えば……ウチのガラクタ倉庫やん!!」


 ――――――――――


 ※1 博多弁で『お洒落ですね』の意。

 ※2 ココまでの簡易分解を工具なしで行えるのが、AKシリーズの圧倒的長所。このおかげで、メンテナンスがとてもしやすいのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ