第31話 ふしぎなポケット
とりあえずボクには、『無限ナンタラ』とかは無いから、どうやら「知恵と勇気」で頑張るしかないらしい。
『小さなことから、コツコツと』(※1)ってやつだね。
さ、まずは目の前のことを1つずつ解決していこうか。
夕食までまだ時間がありそうなので、ボクは新聞紙を数枚貰い、ダンプポーチの整理をすることに。
ま、ずいぶんとゴミや埃が入っているだろうから、中身を1つ1つ取り出すこととしよう。
まずは、AKのマガジンが1つ・2つ・3つ・4つ・5つ……と。
んんん? こんなに入れてたっけ?
で、タクティカルライトが1つ・2つ?
さらにマカロフのマガジンも1つ・2つ……?
…………。
……。
『あっれれ〜? おかしいぞ?』(※2)
ダンプポーチをちょいとひっくり返してみようか?
ということで、新聞紙の上にダンプポーチの中身をぶちまけると……。
土や葉っぱも出てきたけど、AK弾が14発と、マカロフ弾が10発。サイレンサーが2本。
あれまゴロゴロ出てきたねぇ……。
あとは……缶ビールが4本……しかもガッツリ冷えてる??
……ってかさ、どうやったらこんな大量のものがこの小さなポーチの中に入るのよ!
物理法則勘違いしてない???
しかもビールキンキンに冷えてるってどういうこと?
試しに、缶ビールを開けて飲んでみる。
んく!んく!んく!ぷはぁ〜!
いやぁ〜爽快! やっぱりビールはエビ⚪︎だね♪……ってちっが〜う!!
何なのコレ? クーラーボックスな機能があったとか??
うわぁ〜コレは便利! アウトドアやキャンプに最適♪ ……って、違う違う! そうじゃ、そうじゃな〜い!!(※3)
点かなかったはずのライトはちゃんと光るし、マガジンの中身はみっちり弾薬が詰まっている。
サイレンサーを分解すると中身は新品同様。
空薬莢は消えてる代わりに、バラで入っていた銃弾は新品だし、ビールは冷え冷えでうまい!
コレは何だ?
コレはド⚪︎えもん的なポケットなのか?
コレはちょっと地味だけど……ホンモノだったら地味にスゴイぞ!
まぁまぁ焦るな。
異世界だから何でもアリなのかもしれない。
とりあえず、実験のために1個ずつ入れてしばらく放置しよう。
うんそうしよう。
どうせなら、マカロフも追加で入れておこう。
……ということで、ダンプポーチにマガジン1本ずつ、弾薬1こずつ、サイレンサー1本、ライト1本、ビール1本、そしてマカロフ1丁を入れる。
もしかして、叩くと増えるポケット(※4)とか? と思ってダンプポーチを叩いた後に中身を取り出してみたが、中身は全部1個ずつだった。
まぁ……ただのぬか喜びかもしれないから、あんまり期待せずに実験を続けることとしよう。
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※1 参議院議員にもなった某漫才師の決め台詞。
※2 某探偵少年がカマトトぶるヤツ。
※3 グラサン口髭がトレードマークの某氏の曲より。
※4 それって単に、ビスケットが割れてるだけなんじゃね?と子供の頃思ってましたw




