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第24話 ネコの谷の伝説

 さっきはちょっと暗い話で終わっちゃったので、ボクは場の空気を変えるために質問をしてみる。

 

「最近の歴史や情勢は大まか理解できたので……今度は、この地域がなぜボクの元の世界と似ているのかを聞いてもイイですか?」

「あ、そうよね? 元々そのお話をするつもりだったんだけど、ついつい脱線しちゃったわね。」

「お母さんの脱線はいつものことだけどね。……でも、タマキ様の世界とコッチって、そんなに似てるんですね?」

「そうなんだよミーナさん! ボクが暮らしていたのは日本というところなんだけどね、ココの建物とか食事とか服装とかが、昔の日本に結構似てるんだよ!」


 すると母ネコが語りだす。

「この地を拓いたのが、ココにやってきた『転生者』っていう話はしたわよね?」

「ええと、『エマ』っていう方でしたっけ?」

「そう。そのエマを含め、ココの地に降り立つ転生者はなぜか……あなたのいう『日本』の人たちばかりなのよ。」

「え! 転生者はみんな日本人?」

「ええそうなのよ。なぜかは分からないんだけどね? 確かエマは『()()()生まれ』と伝わっているわ。」

()()時代といえば、ボクがいた時代から130年くらい昔ですね。」

「あ! メイジは時代の名前なのね? 私は今までてっきり、『魔道士』(※1)一家に生まれた大魔道士なのかと勘違いしていたわ?」

「ああ、なるほど……確かに『読み』が同じだから、勘違いしちゃいますよね。」

 

 ……まぁそれはそれとして、その人が今から60年前に転生してきたということは……どんなに若くても60歳くらいでコッチに転生した、ということになる……のかな?

 いや、でも待てよ? その人が2代目の祖母マユを産んだとなると……結構な高齢出産だったってこと?

 うー何だか計算が合わないけど……まぁそれも『異世界品質』というやつかナ? 恐るべし異世界!


「それで、そのエマは相当強力な魔法使いだったらしくって、その魔力でこの地の痩せた土地を3日3晩で耕し、一晩で山から水路を引いて広大な水田を造ったと伝えられているの。」

「3日3晩ですか……それはスゴイ!」

 ……ムキムキマッチョなおばあちゃんが、鍬を振るって畑をガガガと耕すシーンを思い浮かべるボク……いやいやいや! 魔法でやったんだよ、魔法で! とセルフツッコミ。

 

「そして、その後の2日でこの地を外敵から護るための結界を張り、その中心に社を建立したらしいわ。つまり、1週間足らずでこの『ネコの谷』は完成したの!」

「うわ! たった1週間で! すごい話ですね。」

「そうね。でもこの話はあくまでも伝説だから、真実かどうかは私にはわからないんだけどね。」

「うんうん! ウチのおばあちゃんの話って、いつも結構テキトーだしw」

「あはは、適当なんだ……でもそれでも、初代の転生者がこの地区の人たちと力を合わせて、この地域を作ったという事実には変わりないんでしょうからね。そのことだけでもスゴイと思いますよ、ボクは!」

「まあ♪転生者のあなたににそう言われると、何だか私も嬉しくなっちゃうわ。ありがとう!」


 この後、他の転生者のエピソードもいくつか話してくれた。

 特に女性の転生者のほうが、この地域の文化の発展に貢献しているようだね。

 家の中の照明を始めいろいろな『装置』(例えば今日の朝見たトイレの仕組み)なども、転生者の助言でできたものがほとんどらしい。

 ボクも何か、お手伝いできることがあるとイイな。

 

 まぁそういうことで、ココには『日本』が自然と息づいている、ということのようだ。

 でもさ、この設定……すっごいご都合主義にしか見えないんですけど! こんなんでいいの? 筆者さん。(※2)


 ――――――――――


 ※1 ファンタジー物では、魔法使いや魔道士のことを『メイジ』と呼ぶことがある。『マジシャン』や『ソーサラー』と同義。綴は『mage』。

 ※2 今のところはこんな感じですが、もちろん(何が?)裏設定がちゃんとあるんですよ? いや、あるような無いような……。 まぁ後になってから頑張って考えますね……w

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