表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/92

第21話 異世界学校

「はい、それじゃ授業を始めますよ!」

 どこから出してきたのか、黒縁メガネを掛けて指示棒で黒板をペンペンしている母ネコ。

 ……あはは、何だかノリノリだなぁ。


「じゃ、まずはこの『ネコの谷』の歴史からお話しするわね!」

「え〜、それ私も聞くやつなの? お母さん!」

「次の語り部はミーナなんだから、自分でちゃんと話せるくらい覚えておかなきゃね?」

「えー! もうミミタコだよぉ〜」

「うふふ、そんなこと言わないの♡」

 

 ……まぁこんな感じで授業は始まる。

 午前中いっぱいかけて、「ネコの谷」の歴史が語られた。

 詳しい話は端折るけど、内容はざっとこんな感じだ――


 約60年前にこの谷に転生してきた女性『エマ』が、この谷の先住民たち(もちろんネコミミ)と共にこの隠れ村を拓いたのが、そもそもの始まりらしい。

 以後、村の側にある『迷いの森』になぜか、5年くらいに1人の割合で定期的に転生者が現れるようになった。

 彼らは「マヨイビト」と呼ばれ、この村で手厚く保護されることとなる。


 『マヨイビト』たちは、いわゆる『転生ボーナス』的な何かを持って転生してくるらしい。

 それらは驚くほどのチート武器だったり、超絶スゴいスキルだったり、獣人たちの暮らしを変えるくらいの大発明だったり……。

 

 しかし、その『ボーナス』は必ずしもこの谷や地域のためになるとは限らない。

 最強の魔法使いとして転生し、この国の前身となる「ニャオン公国」(※1)を建国して、この国を大発展させた者もいれば……逆に他国と密約を交わし北方を支配して、この国を衰退に導く元凶となった者もいるという。

 

 初代『エマ』の娘が、2代目の祖母『マユ』。

 そしてその娘である、母ネコ『ユリミ』は3代目。

 20年前の東方の大陸国家『ウサ王国』との『1年戦争』の折、母ネコさんはその時転生してきた者と共に参戦し、ヒーラー兼魔法使いとして活躍したという。

 しかしこの国は、他国の策略にはまり内部崩壊、終戦後「ニャオン共和国」として再スタートをすることとなったらしい。


 ちなみに母ネコは戦後、その参戦した転生者と結婚し、娘が2人生まれたそうな。

 1人は今ボクの隣で授業を受けている妹ミーナ、もう1人は町の魔法学校に在学中で寄宿舎住まいの姉ミーシャとのこと。

 そういえば、転生者との馴れ初めから結婚までのエピソードを身悶えしながら語る様は……見ててとても微笑ましかった。

 ネコ娘は呆れ顔だったけどねw


 ……しっかし、ボクの『ボーナス』ってば……トイガンが実銃になっただけ、なのかなぁ。

 もしそうだったら……随分とケチなボーナスじゃない?

 んーもうちょっとさ、ビームライフル(※2)的な超強力チート武器じゃないと困るんだけどねー!

 

 ――――――――――


 ※1 もちろんみなさんご存知、⚪︎オン公国。ちなみにシャ⚪︎は出ませんので悪しからずw

 ※2 これこそチート武器。何しろ戦艦の主砲並みの威力なんだからねぇ……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ