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第17話 魔法使いと呼ばれて

「い、……異世界…………なのかぁ……。」

 

 うわー来たよ! すんごいパワーワード来ちゃったよコレ……。

 薄々は感じちゃぁいたんだけど、永遠に聞きたくなかったヤツだなぁ……。

 どうすんのさ、マジで!

 まぁ異世界だったらもしかして、銃刀法違反での逮捕は免れるのかもしれないけれども?

 だけどさ、異世界って言ったってボク……勇者でも剣士でも魔法使いとかでも何でもないんだからね!

 

 魔法の国から人間界へやってきたサリーちゃん(※1)だったら、ちゃーんと魔法使えるんだろうけど?

 ボク今は、何となーく魔法使い的な何かと勘違いされちゃってるだけで、ホントは弾薬タマ切れしたらなーんもできない、ニセモノのサリーちゃんだからね? AKがサビサビになってサビーちゃんになっちゃうだけだからね? ……って、何の話だ?

 

 ホント、生きていける気しないんだけど!!

 ああもう、どうしたらいいのか……途方に暮れてしまいそうだ。


「驚かれましたか?」

「え、ああ……はい。薄っすら〜と違和感は感じていたんですが、そうはっきり言わると……困ってしまいます。」

「そうだわよね〜。確かにいきなり言われても、戸惑ってしまうわよね?」

「あ、もしかして、『ステータス・オープン(※2)』とかで――」

 

 ボクがそう言いかけると、ガラリと木戸が開く音がし、玄関から声がする。

「こんばんは〜! 入りますよ〜!」

 ドタドタと足音がして、襖がスッと開く。

 すると、先ほどの門番ネコさんが1升瓶を抱えて立っていた。

「こんばんは! 酒もって来ましたよ!」

「あらあら、リュナさんいらっしゃい♪」

「ユリミさん、湯呑み持ってきますね!」

「じゃ、みんなの分お願いね。」

 

 門番ネコさん、勝手知ったるなんとやら。

 どこからか湯呑みを持ってきて、僕たちのそばでドッカと胡座をかく。

「さあ魔道士様! 一献いかがです?」

「うふふ、早速リュナの悪い癖が始まったわ。」と母ネコ。


「せっかく遠くからいらっしゃったのに、歓迎しないわけにはいかないでしょ!」

 そういうが早いか、門番ネコはクイッと杯を空ける。

 そして半ば強制的に湯呑みを渡され、酒を注がれるボク。

「あ、ありがとうございます。」

 少し口をつけてみると味は清酒っぽく、度数が低い『にごり酒』とか『どぶろく』とかそういう感じ。

 でも、ちょっと独特な風味があるね……。

 

「コレって、ちょっと不思議な味がしますね?」

「あ、これはねー、マタタビ酒なんですよ♪」

 ネコ娘も、湯呑みでお酒をおいしそうに飲みはじめる。

 

「あらあら、この子ったらもう……。まだ子どもなんだから、あんまり飲みすぎちゃダメよ?」

 そういう母ネコもクイと湯呑みを空け、2杯目へ。

 ボクもつられてグイッと飲み干す。

 ……ってかネコ娘、見た目14歳くらいにしか見えんけど、飲んで大丈夫なのか?


「おぉ〜! イイ飲みっぷりじゃないですか! ささ、もう1杯!」

 ……あーコレって、門番さんに無限に飲まされるパターンかも。

 

 しかし今さっきまで『異世界』発言で、これからどうしたものかと頭を抱えたくなるような事態だったというのに、こんなまったりな感じでいいんだろうか……。

 ……まぁ、いっかあ〜今日は。

 何とかなるよ、何とか……。

 

 そして、3人のネコミミさんとボクとでお酒を嗜み(え?)、アレやコレやと取り留めのない話で夜は更けていく。

 

 ああそういえばさっき聞いた話だと……ココ異世界では、親と一緒だったら醸造酒なら12歳から飲んでいいらしい。

 さすがに度数の高い蒸留酒の類は、18歳の成人を迎えてから、らしいけどね。(※3)

 

 他にも、今後のヒントになりそうな話をイロイロ聞いたような気がするんだけど……ああ、たぶん気のせいかナ?


 ――――――――――


 ※1 かの有名な魔法少女。ちなみにサリーちゃんよりも、サリーちゃんのパパのほうが割とインパクトは強めだ。気をつけろ!

 ※2 異世界に行ったらまず試してみるべきワード第1位! あなたも、おそらく1度は試したことありますよ、ね?w

 ※3 確か、ヨーロッパの某国がそんな感じのルールだったような……。

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