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霧の中の訪問者 第6章 「紅魔館への訪問」

幻想郷はまだ霧の少女との戦いの爪痕を残していた。村や森は復興の途上にあり、霊夢と魔理沙は次の異変に備えて行動を開始していた。霧の少女が消え去った後も、彼女がもたらした力の余韻は幻想郷全体に不安定さを残していたのだ。


「次の異変が起きる前に、戦力を整えておかないとね。」霊夢は飛びながら言った。


「そりゃそうだ。だからこそ、あいつのところに行くんだろ?」魔理沙が笑みを浮かべる。「紅魔館のレミリアは、こういうときに頼りになるだろうしな。」


霊夢と魔理沙は紅魔館を目指していた。紅魔館の主であるレミリア・スカーレットは、強力な吸血鬼であり、何度も幻想郷の異変に関わってきた人物だ。彼女の戦力は確かであり、異変の兆候が再び現れた今、彼女の助力を得ることが必要だと判断した。


紅魔館に近づくにつれて、空気が重くなり、霧の名残がまだ辺りに漂っているのが感じられた。館の巨大なシルエットが霧の中にぼんやりと浮かび上がり、どこか不気味な雰囲気を醸し出していた。


「いつ見ても、あの館は壮観だな。」魔理沙が感嘆の声を上げた。「レミリアはこんな場所に住んで飽きないのかね?」


「彼女には彼女の楽しみがあるのよ。さあ、入るわよ。」霊夢は冷静に答え、館の入口に降り立った。


霧の中から姿を現した二人を、紅魔館のメイド長、十六夜咲夜が静かに迎えた。咲夜は冷静な目つきで二人を見つめながら、軽く頭を下げる。


「お久しぶりです、霊夢さん、魔理沙さん。ご用件は、やはり例の異変についてでしょうか?」咲夜は落ち着いた声で問いかけた。


「ええ。霧の少女の件は片付いたけど、まだ終わっていない感じがするの。」霊夢が答えた。


「それに、次に来る異変に備えて戦力を整えたい。レミリアの力が必要だと思ってな。」魔理沙も続ける。


「わかりました。お嬢様にお伝えします。どうぞ、中へお入りください。」咲夜は静かに館内へ案内した。


紅魔館の中は、外の霧とは対照的に穏やかで、どこか異世界のような荘厳さを感じさせた。高い天井に豪華な装飾が施され、絨毯が敷き詰められた廊下を通りながら、霊夢と魔理沙はレミリアとの対面を待った。


しばらくして、広間に通された二人の前に、レミリア・スカーレットが悠然と現れた。彼女の紅い瞳が霊夢と魔理沙を捉え、微笑を浮かべる。


「また何か面白いことが起こったのかしら?」レミリアは興味深そうに問いかけた。


「面白いって言うよりも、厄介なことよ。」霊夢がすぐに答える。「この前の霧の少女との戦いで、幻想郷は大きな被害を受けた。でも、それが終わったわけじゃない気がしているの。」


「だから、レミリア、あんたの力を借りたいんだ。」魔理沙も加わる。「次の異変に備えておかないと、もっとひどいことが起きるかもしれない。」


レミリアは静かに目を閉じ、少しの間思案した後、目を開いた。「なるほど、面白そうじゃない。それに、幻想郷が危険にさらされるなら、私たちも巻き込まれることになるわね。」


「あなたも異変には関わっているのよ。黙って見過ごせるわけがないでしょ?」霊夢は真剣な眼差しでレミリアを見つめる。


「いいわ。次の異変に備えて、紅魔館の戦力を使ってあげる。でも、その代わりに何か面白いことを見せて頂戴ね。」レミリアは微笑みを浮かべながら、答えた。


「面白いことね…期待に応えられるよう、がんばるわ。」霊夢は軽くうなずいた。


「それじゃ、戦闘準備を整えるか!やることはたくさんあるぜ。」魔理沙が意気込んで言う。


レミリアの助力を得たことで、霊夢と魔理沙は次の異変に向けて本格的な準備を開始した。紅魔館には優秀なメイドである咲夜、そして強力な図書館主のパチュリー・ノーレッジもおり、彼女たちの知識と力は、霧の少女の力を上回る何かに対抗するための大きな戦力となるだろう。


霊夢たちは、次なる戦いに備え、紅魔館での準備を進めていくことにした。異変はまだ完全には終わっていない。そのことを全員が感じ取っていた。紅い月の光が館を包み込みながら、幻想郷の行く末が再び動き出そうとしていた。

またまた読んでくれてありがとう。この調子で上げていくのでよろしく!

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