霧の中の訪問者 第4章 「霧の決戦」
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幻想郷に霧が漂い続ける中、霊夢と魔理沙は次の異変がいつ起こるか警戒を強めていた。霧の少女の力は強大で、彼女の目的を完全に理解する前に再び立ち向かう準備を整える必要があった。ある日、ついに彼女たちに新たな挑戦が訪れた。
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「霧が再び濃くなってきたわね、魔理沙。」霊夢が空を見上げながら言った。
「そうだな、ただの天気の異常じゃない。奴がまた何か仕掛けてきてる。」魔理沙も不安そうに呟く。
二人が空を飛びながら霧の中心に向かうと、遠くから急速に迫ってくる気配があった。突如として霧が裂け、その中から何かが猛スピードで飛び出してきた。
「霊夢!前方に気をつけろ!」魔理沙が警告する。
その瞬間、巨大な霧の蛇が姿を現し、鋭い牙を向けて二人に襲いかかってきた。霊夢は素早く身を翻し、空中で結界を張りながら反撃する。
「来たわね…いきなり派手にやってくるなんて!」霊夢は札を手に取り、空中で力強く振る。
霊夢の御札が光り輝き、蛇に向かって一直線に飛んでいく。札が蛇の霧の体を突き刺すと、一瞬でその部分が吹き飛ばされたが、蛇はすぐに再生し、さらに攻撃を仕掛けてきた。
「こいつ、なかなかしぶといな…!」
「気を抜かないで!」霊夢は冷静に指示を出しつつ、さらに多くの札を投げ放つ。だが蛇は一瞬の隙を突いて霊夢に迫り、その巨大な尾が彼女に向かって振り下ろされる。
「くっ…!」霊夢は寸でのところで避け、霧の中に飛び込んでいった。
一方、魔理沙は箒に乗って高く飛び上がり、霧の蛇を上空から見下ろしていた。「私の魔法で一気に決着をつけてやる!」
魔理沙は箒を高速で旋回させ、空中に巨大な魔法陣を描き始める。その魔法陣からは強力な光が溢れ出し、蛇に向かって収束していく。
「マスタースパーク!」魔理沙が叫ぶと、巨大な光線が蛇の頭部を直撃し、その体を吹き飛ばした。
蛇は一瞬で霧と化し、空中に霧が広がった。しかし、その霧の中から再び少女の声が響いてきた。
「さすがね…でも、まだ終わりじゃないわ。」
霧の中から複数の小さな霧の蛇が次々と姿を現し、今度は霊夢と魔理沙を囲むように動き始めた。
「くっ、まだこんなに!」魔理沙は再び箒を振り回しながら蛇を攻撃し始めたが、数が多すぎて一体一体を相手にするには時間がかかる。
「このままじゃ埒があかないわ…仕方ない、もっと大きな技を使うしかない!」霊夢は空中に舞い上がり、手に持った御札を天に掲げた。
「博麗の巫女としての力、ここに示してみせる!」
霊夢の周りに光が集まり、結界の力が具現化していく。彼女の体から放たれた光は次々と霧の蛇を追尾し、その一体一体を貫いていった。
「やったか?」魔理沙が疑わしげに言うが、霧の中にはまだ異様な気配が残っている。
突然、霧の中心から再びあの少女が姿を現した。彼女は静かに手を広げ、さらに巨大な霧の存在を呼び出そうとしていた。
「次は、この幻想郷そのものの力を見せてあげる。」
霊夢と魔理沙は緊張を高めた。今度こそ、本格的な決戦が始まろうとしていた。
「ここで決着をつけるわよ、魔理沙!」
「もちろんだ、霊夢!」
霊夢は御札をさらに強力にし、結界を強化して少女に向かって突進した。魔理沙もまた、最強の魔法で少女に攻撃を仕掛ける。空中での激しい戦闘が展開され、霧の中で光と力がぶつかり合った。
少女の霧の力は強力だったが、霊夢と魔理沙の連携はそれ以上に鋭く、彼女の動きを次第に封じ込めていった。霊夢の御札が少女の体に直撃し、魔理沙の光線がその周りを焼き尽くす。
ついに、少女は霧の中で膝をつき、息を切らした。
「まだ…私は…」
しかし、霊夢は少女に向かって歩み寄り、静かに言った。「これ以上無理に幻想郷の力を使うことは許さない。この世界は、私たちが守る場所なの。」
少女は静かに霊夢を見つめ、次第に霧が薄れていくのを感じた。彼女は最後に微笑み、ゆっくりと消えていった。
「…また、いつか。」
霧が完全に晴れ、幻想郷は再び静けさを取り戻した。霊夢と魔理沙は息を整えながら、空を見上げた。
「終わったか…?今度こそ。」魔理沙が一息ついて言う。
「ええ。でも、きっとまた別の異変が起こるわ。それが幻想郷という場所だから。」霊夢は冷静に答えた。
こうして、霧の少女との戦いは終わりを迎えたが、幻想郷にはいつも通りの平穏と、また新たな謎の気配が漂っていた。
読んでくれてありがとう!この調子で上げてくから気長に待っててくれ