表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

霧の中の訪問者 第3章

続き

霧の中に現れた謎の少女の影響を受け、幻想郷には少しずつ異変が広がり始めていた。日が経つにつれ、村や森の中に霧が発生する頻度が増え、村人たちは不安を隠せずにいた。霊夢と魔理沙はその原因を探るべく、霧の少女を追い続けていたが、手がかりは一向に掴めていなかった。


ある日、霊夢は再び神社で一人、次の手を考えていた。そこへ、白い毛玉のような妖精が慌てて神社に飛び込んできた。


「霊夢さん!大変です!村の方でまた霧が…しかも、今度は何か大きなものが動いてる!」


霊夢はすぐに立ち上がり、その妖精を見つめた。


「何か大きなものって?詳細を教えて。」


「ううん、よくわからないけど、霧の中から何か巨大な影が見えたって…村の人たちが怯えて逃げてるんです!」


霊夢は眉をひそめ、急いで魔理沙に連絡を取った。そして、二人は再び村に向かった。


村に着いた二人は、その異様な光景に息を飲んだ。霧はこれまでよりもさらに濃く、村の中心に巨大な影が揺らめいていた。村人たちはその影を見て、恐れおののき、家の中に閉じこもっている。


「これは今までの霧とは違う…あの少女が関わっているのかしら?」霊夢は警戒しながら呟いた。


「どうする、霊夢?今まで以上に厄介そうだぞ。」魔理沙は箒の上から影を見つめ、準備を整えていた。


霊夢は慎重に前に進み、結界を張りながら影に近づいた。影の正体を確認しようとした瞬間、霧の中から再びあの少女の声が響いた。


「やはり来たのね、博麗の巫女…そして、魔法使い。」


霧の中から少女の姿が浮かび上がり、その背後には巨大な霧の竜のような存在が揺らめいていた。竜はまるで少女に従うかのように静かに佇んでいたが、その圧倒的な存在感は誰の目にも明らかだった。


「…あれは、あなたが作り出したもの?」霊夢は冷静に問いかけた。


少女は微笑んで答えた。「私はただ、霧を通じて幻想郷の力を引き出しているにすぎないわ。この世界には眠っている力がたくさんある。その一部を目覚めさせただけ。」


「そんな力を目覚めさせる理由は?」霊夢はさらに問い詰めた。


少女の目が一瞬鋭く光る。「私は、この世界の全てを知りたい。幻想郷の真の力を理解するためには、こうするしかないの。」


「力を引き出すために、村を巻き込むつもりか?そんなこと、私たちが黙って見過ごすわけがないだろう!」魔理沙が苛立ちを見せながら言い放つ。


少女は少し悲しそうな表情を浮かべた。「あなたたちには理解できないのね。でも、それでいいわ。私はやめるつもりはない。」


その瞬間、霧の竜が大きく動き出し、霊夢と魔理沙に向かって襲いかかってきた。巨大な力が二人を押しつぶそうとするが、霊夢は素早く御札を放ち、魔理沙は強力な魔法を発動させた。


「負ける気はしないぜ!霊夢、いくぞ!」魔理沙が叫ぶと、二人は一斉に攻撃を仕掛けた。霊夢の御札が竜の動きを封じ、魔理沙の光線がその体を貫く。


だが、竜は容易には消えず、さらに霧を濃くして反撃してくる。少女は静かにその様子を見守りながら、口元に微笑みを浮かべていた。


「あなたたちの力は確かに強い。でも、私は幻想郷そのものを味方につけている。私に勝てると思う?」


「幻想郷はあんたの好きにできる場所じゃない!私たちが守る!」霊夢は強い意志を込めて叫んだ。


霊夢と魔理沙は力を合わせ、さらに強力な攻撃を繰り出す。霊夢の結界が竜の動きを封じ込め、魔理沙の魔法がその中心を貫いた。


ついに、竜は霧となって消え去り、少女の姿もまた霧と共に消えていった。


「やったか…?」魔理沙が息を切らして呟く。


しかし、霧の中から再び少女の声が響く。


「今日はここまでにしておくわ。でも、また会いましょう。次こそ、全てを解き明かす時が来るから。」


霧は次第に晴れ、村は元の静けさを取り戻した。だが、霊夢と魔理沙の胸には、まだ解けていない謎が残されていた。


「結局、あの少女の正体も目的もわからずじまいか…」霊夢が疲れたように呟いた。


「でも、確実に何か大きな異変が起きようとしてる。このままじゃ終わらないぜ。」魔理沙は拳を握り締めた。


霊夢は頷きながら、決意を新たにした。「次にあの少女が動く時、今度こそ全てを明らかにしてみせるわ。」


こうして、霊夢と魔理沙は新たな異変の幕開けを予感しながらも、一旦村を後にした。しかし、彼女たちの背後では、再び霧が静かに立ち上がり、次の幕が開かれる準備を進めているように感じられた。

読んでくれてありがとう!一応最後まで書いたので最後まで投稿していこうとは思う

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ