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W団か家族か

正義の見方と戦闘前日、いつもどうりの作戦会議の結果いつもどうりにメンバーはアラネと水犬の2人だけ、そこにアライドが声を荒げた

「どうしてなんですか!!」

明日は正義の見方と戦う日それなのにまたアライドは戦力外。

「アライド君、君が戦うのはまだ早い」

「早いって何がですか、アラネちゃんは僕より年下なのに主戦力として戦ってるじゃないですかそれのどこが早いって言うんですか?」

今朝の順番決めからリビングでアライドが珍しく猛反発、他のメンバーは隣の部屋から覗いている。

「どうしたんだろうねアライド」

会議が終わった後アライドが立ち上がって総統に話があると言い、総統は隣の部屋に他のメンバーを移動させた。

「アライド君はよく総統のそばで行動してるけど、いつも自分が前に出されたことがない、まだ水犬が仲間になる前にも三人で戦いにでたことがあった、だが参謀長の私も出さずに総統だけいつものようにやられて帰ってくるのが日常だった」

オレンジマーマレードを食パンに塗り少し心配そうに見ながら食事をしているエンクランス。

「でも今は違う、主戦力の構図が出来てきている今、戦闘員であるアライドがなぜ前に出してもらえないのか」

リビングから少し引っ張って部屋移動をしたデジが使用しおえたデータを袋に詰めてゴミ箱に捨てている。

『まるでスポーツやバンドのメンバー選びでどうして一番最初に入っている自分が選ばれない…そんな感じでしょうか?』

今度は蜂蜜を塗った食パンを食べているアラネ。

「そうなんじゃない、順番がどうあろうと決めるのはアライドじゃない、総統が最終的に決めた結果」

使用した食器は汚れが薄い場合、水犬に渡されて水犬が体を使って洗い流している。

『でも総統さんはどうしてアライド君を出さないんでしょう?』

そんな隣の部屋の雰囲気とは一変のリビング。

「アライド君、キミはまだ戦うのは早いんだ、年齢とかそういう問題ではない」

「なら力ですか、たしかにあの二人に比べたら一番弱いかもしれません、でも……」

アライドが総統にいろいろと言葉の弾を撃つ、その弾が総統のある部分に当たった。

「アライド君いま何といった?」

「でも僕はココの戦闘員として…」

「そこじゃない、その前の一言だ」

アライドは気づいていないが隣の部屋は総統の感情の変化に気が付いた。

「あれ……何か怒ってない?」

「怒ってるといっても見た事ないし」

アライドは自分が放った言葉を思い出して。

「僕が一番弱いかもしれない…ですか?」

「そうだ、君はどうしてそう思ったんだい?」

手元に置いてあるお茶を飲んで一息つける総統。

「それはあの二人に比べたら力もないし、だから一番弱いのは仕方ないけれど……」

アライドの声が大きくなる。

「だからこそ僕が最初にでて少しでも正義の見方に傷をつけたいのに、前にも出してもらえないほど戦力外だと、僕はいったいこの組織に何のために入っているんですか?」

一通り言い終わり椅子に座るアライド、これほど組織内で揺れたことは今までなかった。

「アライド君、キミがどんな気持ちでこの組織にいるのかを今ワシは再認識した」

「総統それじゃあ…」

「だがワシはこのメンバーを変えるつもりはない」

いやな雰囲気がただよう。

「どうして…」

「ワシはこの組織内で順位を決めたことはない、もちろんそれは力の差とかでワシなりに正義の見方を倒す方法を考えてこのメンバーを選んでいる」

「それじゃあ僕は何なんですか?ただの戦闘員以下ということ……」

アライドが言い終える前に総統が今まで見せたことのない表情で立ち上がり割り込んできた。

「アライド!!それ以上なにも言うな、ワシは別にキミが不必要だと言ったか?違うだろ、それがなんだ戦闘員として戦いたい、正義の見方に傷を負わせたい?キミが思っている以上に正義の見方は強い、それを自分が戦えばみんなと同じ位置にたてる組織に貢献できるみたいな事を、今のキミでは正義の見方に一撃も当てることが出来ないままやられるのが良いとこだ、少し昔の水犬が良い例だ」

隣の部屋で何かが倒れる音がした。

「それをキミは…ワシは勝ち目が一切ない戦いをさせ仲間が傷つくようなことをしたくはない、矛盾していると思うが、キミにはまだ早い、ワシの今の気持ちだ」

総統は荒れた息をなおしながら椅子に深く腰を下ろした。

「そうですか……」

アライドはなにも言わずにアパートを出て行った。

「総統……」

隣の部屋で様子をうかがっていたエンクランス。

「水犬?大丈夫だよ昔に比べたらだいぶ良くなってるから」

倒れた水犬を励ましているアラネとサリィ。

「………」

分かってもらうしかない、アライド君もいつの日かW団として戦える日までいまは耐えてもらうしかない。

そう考えながらアライド抜きで明日の戦いの準備をすることになった。

……………

アライドはアパートから飛び出すように出て行ったが、行くところは二つしかなかった、公園ともう一つは。

「あれ?誰かいる」

大杉さんの家につくと玄関に大杉さんと若い女性が立っていた。

「先生、何度も申しましたが、あれを渡してくれればもうココにはきません」

「何が申しましたがだ、私とお前は見た目はこうでも歳の差は開いてないんだぞ、私のもとで働いてたときはもっと老けてたけどな」

「先生、女というものは常に美しさを求めるものです、昔は昔、今は今です」

「だったらさばを読んで30歳なんて言わずに実年齢を言ったらどうなんだ?浅子」

「浅子?誰ですかそれ今の私は芳花」

「またその名前に戻したのか」

「今に分かるは私が名前を戻した理由がね」

芳花と名を変えた女はラベンダーの香りを振りまきながら玄関先に止めて置いた車で待機していたガードと共に颯爽と行ってしまった。

「もう来るな、緒伊江〜除草剤持ってきて、塩の代わりに撒いてやる」

そうして大杉さんは撒いてはいけないところは慎重に撒いて、車のあったところには撒き散らした。

「大杉さん?」

「だー枯れろ、枯れた花みたいに体中しわしわになれ……アライド君、いつから見てた?」

「緒伊江さんが除草剤持ってきたところからです」

大杉さんはすぐに除草剤を片付けて、倉庫の掃除を二人で始めた。

「先ほどの方はいったい何者なんです?」

部屋の掃除は最終段階に近づいて、古くなった本が出てきている。

「あれは古溝浅子だった女だ、いまでは昔の名前に戻って…忘れてしもた、とにかくあいつは私と研究を共にした唯一の助手だった」

アライドは話を聞きながら部屋の一番奥までついに到達し棚の上から手を伸ばしていた。

「何の研究をしてたんですか?」

「……それは秘密だ」

そんな話をしていたらきつく入れられていた本があったので、目に当たった緑の本を手に取り丁寧に取り出した。

「なんだろこれ?タイトルも何もかかれていない」

裏返してみると緒伊江さんの名前が。

「日記か何かかなきっと……ん?」

アライドは緒伊江さんの名前の下に日付が書いてあるのを見つけて暗いから明るいところに移動して読んでみようと思ったら。

「アライド君、お茶にしよう」

「はい、分かりました」

アライドは元の場所に本を戻していつもの部屋に移動した。

「あれ?砂糖はどこに置いた?」

大杉さんが砂糖を取りにあの秘密の部屋に入って行った、その間アライドは総統の事を思い出していた。

「総統…組織……ハァ……」

あんなことを言って出て行ってしまった、どういって帰ろう…

「アライド君…アライド君……」

「総統!?」

W団の事を考えすぎて、大杉さんの呼ぶ声が総統が呼んでいるように聞こえた。

「アライド君どうしたんだい?」

「大杉さん…」

「何かあったのかい?いつもはW団の話をしてくれるのに、今日は一言も話そうとはしない」

「実は……」

アライドは今朝おきた出来事を大杉さんに話した。

「なるほどそんなことが」

話し終えた頃には夕方になりいつもならアライドはアパートに帰る時間、でもアライドは帰るかどうか悩んでいる時に大杉さんがこんな事を言い出した。

「アライド君、今夜はここに泊まっていきなさい」

「え?でも…」

「この家に二人は大き過ぎるんだ、人一人泊める部屋はすぐに用意できる、食事も今から用意すれば十分間に合う、どうだい?それにキミに話をしたい」

アライドはこうして1日泊めてもらうことになった。

だが、急な泊まりのはずなのに妙に段取りが素早かった、部屋は倉庫部屋の隣だが部屋はきれいに掃除され人が寝泊まりしても十分なほどに快適な空間になっていた、そして食事の場所はいつもお茶をいただいてる場所だったが、泊まる部屋を見た後に戻ってきたら机の上はきれいに拭かれて対象面に椅子が並べられていた。

そして、食事をいただいている最中に大杉さんが話を始めた。

「どうだい?少し味が薄いかもしれないかな?」

「美味しいですよ」

「それは良かった、緒伊江も喜ぶよ」

緒伊江さんは食事を持ってきた後どこに行ってしまったのか、いつもお茶の時はいない。

「食事の最中すまないが、話をして良いかな」

「どうしたんですか?急に、話なら何でも聞きますよ」

大杉さんは箸を置いた。

「これはキミと私達にとって大きく人生が変わる話だ」

「大杉さん?そんなに重たい話なんですか?」

深く息を吸い込んでから大杉さんはアライドに話した。

「アライド君、今の悪の組織をやめて、私達の養子になってくれないか?」


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