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念伍寺

今回の主役は水犬です。

さて皆様はいつも水犬がただただ散歩して出番を少なくしているもとい、人数が増えるとそれぞれの動作を描かなければいけないので、散歩という動作で数あわせしているだけかと思っているでしょう、それは大きな間違い、アラネが銑三と出会っているように水犬も総統達とは別に誰かと会っているのでした、今回はそんな水犬に注目していきましょう。

「行ってきます!」

W団メンバーがいつもどうりそれぞれの1日が始まった。

注意、ここから水犬が普通に喋りますが、実際は犬の鳴き声です、ですが、アラネは水犬の言葉を理解できるので、普通に会話します、もちろん懐かしの蛍姫も理解できます。

「水犬、途中まで一緒に行こう!」

「いつものマンション前?」

「だってそこしかないでしょ?」

アラネと水犬はハト以来道を歩かず屋根の上を走って移動している。

「なんでそっちは蜘蛛糸使えないのにそんなに上手く屋根を走れるの?」

「犬をなめたら駄目だよアラネちゃん、ハハハ…」

調子に乗った水犬は前を見ずに道路越しの屋根に飛び移ろうとしたら見事、新しく立てられたら標識に激突。

「また私の勝ちね」

「うう…鼻が……僕のかわいい鼻が…」

「なんか時間かかりそうだからここでお別れね、じゃあね……」

アラネは水犬を残して工場に向かった。

「これでよし……今日も…か……」

前脚で鼻をなおしたがアラネは既に見えなくなっていた。

「いっつもこんな感じ、どうして僕は負け続けるんだろう……」

四季蜘蛛、正義、アラネに負け続ける水犬は少し自信の弱さを苦に思い始めていた。

歩いていると、捨てられた空き缶を見つけては。

「僕だって……、強いはずなんだ……」

踏み潰して、口にくわえてゴミ箱に投げ捨てている。

それでも気分は晴れない、そんなある時。

「ここは何処だ?」

いつもの公園内を気分を変えて、舗装されていない道を歩いていると、入り口と思われる段差の大きな門に左右には地蔵が置かれていた。

「寺?」

開かれ続けている門をくぐり抜けると石がまだらに置かれた道が目の前に一直線に伸びていた。

水犬はそのまま奥に脚を踏み入れているが、薄々とあることが確かになってきた。

「……普段使われていない道……なのに綺麗に掃かれている、でも何で両端はこんなに濡れてるのかな?雨も降ってないのに……誰かいる!?」

石の道を歩いていると今度は堅く閉じられた門が。

「行き止まり?」

試しに門を軽く引っ掻いてみると、微かに動いたので、数本後ろに下がってから。

「よ〜し、体当たり!」

勢いに任して門に体当たり、すると閉ざされた門をこえた水犬は寺に入っていた、その古ぼけ誰も来なくなった忘れられた寺に。

「やっぱりお寺だったんだ…」

「誰だ!」

砂利が敷き詰めらりた先の仏壇に藁の傘帽子を被った僧のような男が座禅中だった。

「……野良犬か」

日が昇っているが、辺りの樹木で薄暗く、寺じたいそこまで清掃されていない。

チラッと水犬をみた僧はそのまま瞑想に入ろうとしたが。

「野良は野良でも物の怪の類であったか」

僧は立ち上がり井戸から汲み上げた水を柄杓ですくい上げ、ゆっくりと水犬に向けた。

「ここは神聖なる仏の眠る場所、水の物の怪が立ち寄るとは……」

水犬は身の危険を察してきた道を全速力で逃げ出した、僧は柄杓に汲んだ水を水犬に向けて撒くと。

「身の程をわきまえろ!!」

撒かれた水が水犬に向かって飛んできた、水が門をくぐり抜けると扉は閉じられ、一本の道を落ちていた枯れ葉が向かってきた水で道から端に弾かれながら一直線に飛んでくる。

水犬が始めに入ってきた門を間一髪くぐり抜けると、シャボン玉のように門の手前ではじけた。

「掃かれてたんじゃない、あの水で弾かれてたんだ、だから端が濡れてたのか」

関わるべきではない、水犬の勘がそう察している、なのに脚が尻尾が爪が牙が沸騰しているかのように震えている。

僧は柄杓を元の場所に戻し、座禅を組もうとしたら。

「ん……どうやらただの水の物の怪ではないようだな」

いつの間にか扉を開けていた、闘うために戻ってきた。

「いいだろ水の物の怪よ、久しぶりにお経でも読んで成仏させてやろう」

水犬はお得意の突進で僧の体に噛みつこうとしたが、僧の脇に携えられた木刀が僧の一言と共に目に見えない早さで腰から抜かれ水犬は叩き飛ばされた。

「喝!!」

水犬の顔が縦に切れ、吹き飛びながら。

「喝って…お経じゃねえ」

そのまま砂利の上に倒れた。

「成仏せい、水の物の怪よ」

木刀を納めると、水犬は叩かれた顔を治しながら既に立ち上がっていた。

「しぶとい物の怪よ……よかろう、これも修行、千差万別の雑念を切り捨て、成仏させるのが己のさだめ……」

「度重なる敗戦を重ねてきた僕が強くなるために、ここで逃げるわけにはいかない……」

「仏の道は厳しい道よ」

「勝つんだ、この似非僧に」

これが水犬と似非僧の出会いであり。

「成仏せい!物の怪!!」

「初の勝ち星を上げるんだ!!」

水犬が大きく成長するその忘れ去られた寺と一人の男の名は。

念を手足頭に集め人の邪念を感じ取り断ち切る、念伍寺の念伍流酔(ねんいつりゅうすい)

「喝!!」


これからは週一でなく二週に一回投稿にしたいと思います。

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