元の姿を取り戻せ
新たな団員を集めるためエンクラスが仕入れた情報である山奥の池にいるらしいしかしその池は見るも無惨な光景だった
総統、アライド、エンクラスは新たな団員を集めるため近所にある山の山頂に来ている。
「で、いったいどんな人なの?」
新しく団員が増えるのがとても嬉しいのかいつもよりはしゃいでいる。
「人ではなくモンスターと言うのが妥当です」
「スゲー新しい団員ってモンスターなんですか」
エンクラスの新しい団員の情報を聞いてアライドが目をキラキラさせながらある場所に総統を追い抜かし走り出した。
「えっモンスターなの」
総統は少し悩んだ。
「モンスターか怖いな襲って来ないかなもし仲間にしても大きかったらどうしようとても家では飼えないよ食費とかどうしよう」
どんどん悪い想像が出てきてどうしようか悩んだ結果。
「まぁ食費はなんとかなるでしょう」
生活が苦しいのかいったいどんなことを考えたら食費のことが出てくるのだろうか。
「到着しました」
そこは山奥にある池だった。「こんな近くに池があったんだ知らなかった」
「僕は知ってましたよここ夏になるとホタルが池いっぱいになって綺麗だったなー」
「そうなんだ見てみたかったな」
しかし、今の蛍池は見るも無惨な姿だった。
池の周りにはお菓子の袋、空き缶、廃棄処分された冷蔵庫、クーラー、車、そして雑誌が散乱
「こんなにゴミがあるから蛍池がドロドロの沼地と化している」
「ひどいですねこの状態」
その時、沼地と化した蛍池の中央から泡が吹き出しその泡は徐々に大きくなり山のような形をし赤い目が出てきてして総統達を睨んできた。
「何あれ?あれが新しい団員?」
「多分そうだと思います。私も実物を見るのは始めてで」
総統とアライドは驚いていた
「こ、これじゃあ…大きすぎて家じゃ飼えないよ」
「スッゲー本物の怪獣だー」
そんな事を考えていたらドロドロとした物体が喋りかけてきた
「マタァ、コノウツクシイ、イケ二ゴミヲステニキタノカーーーー」
そのドロドロとした物体は重々しい声で喋りかけてきた。突然の出来事に驚きを隠せない二人しかし冷静なエンクラスは見たこともない物体に喋りかけた。
「私達は貴方を悪の組織我々W団に勧誘するために来ました」
さすがエンクラス後の二人とは出来が違う。
しかし…
「キエウセロ、ワレハコノチヲマモル、ワレハコノチヲ、モトドオリニスルー、ダカラキエウセロ」
そしたら山の形をした物体はまた沼地の中に帰ろうとした。
「待って下さいまだ話は終わってませんどうか話を」
物体の目が沼地に消えた瞬間におそらく沼の底にあったのだろうおびただしい数のゴミが沼の中から上空に放り投げられ総統達めがけて落ちてきた。
「うわぁーー」
一同全員森の中に逃げたが無傷の者はいなかった。
「どうするんですか総統これじゃ勧誘どころか近ずくことさえ出来ませんよ」
総統は自分にかかったゴミの臭いを気にしながら。
「とにかく早い話あそこにあるゴミを全部とりまた蛍が住める池にしたらこっちの話を聞いてくれるかもよ」
見事ゴミのダイレクトアタックを食らったエンクラスもその意見に同意しアライドも参加するようだ。
「よーし、我々W団は蛍池の復活そして蛍池の主の勧誘をするためゴミ拾いをするのじゃー」
こうして蛍池の復活そしてその主の勧誘をするためゴミ拾いをする事になった。
「総統これは不燃ゴミですか可燃ゴミですか?」
「それは可燃ゴミ、あと瓶や空き缶は色で分けてね後で質屋に持って行くから」
その時…
「そ、そ、総統ーー」
アライドの叫び声が聞こえた。
「なんじゃ、なんじゃ、コラ、アライド君なんでエロ本読んで遊んでいるんだ」
「でもコレ鑑賞用ですよ」
「鑑賞用でも実用用でもどっちでもいいすぐに縛って捨てなさい」
「え~持って帰ったら駄目なんですか」
「私からもお願いします」
総統の後ろからいきなりエンクラスが出てきて頼んできた。
「……まぁいいじゃろうサリィちゃんにはバレないように」「ヤッター」
総統達はまた作業を再開した。
「アりがトウ」
それから月日は流れ…
我々W団のおかげで蛍池は徐々に元の姿に変化していきこの運動が周りの人々の耳に届き蛍池復活を手伝ってくれる人が増えていった。
「総統さんコレは何処に運ぶんですか?」
「サリィちゃんそれは重いからコレをアッチに持って行ってちょうだい」
町の人達の協力のおかげで蛍池は元の姿を取り戻した
「ありがとウ」
しかし、ゴミを捨てる人は減らなかった。
「悔しいですよ総統池は元の姿を取り戻しましたが僕らがゴミを拾っていることを良いことに捨てる人がいるんですよ」
四人は池の近くでその捨てる人の対策を練っていた時
「私にまかせて」
と突然池の方から透き通った声が聞こえた
「ん?その声は」
四人は辺りを見渡した誰もいなかった。
しかし、確かに聞こえた、「私にまかせて」と
そして総統とアライドはその夜泊まり込みで犯人を探す事にしたが雨が降ってきてしまい毎日のゴミ拾いで疲労が溜まり眠ってしまっていた。
「バカな奴らだこんないい捨て場を見逃すかよ」
「さあ早く捨てろ基地で出たゴミをすてついでにここの主を弱らせ捕まえるのだ」
そうするとタンカーを使って池の中にゴミを流しこんでいったが
「なんだ!なんで池の中にゴミが入らず水面に浮かんでいるんだ」
そうすると何処からか声が聞こえた。
「もう許さない!もうこの池は私だけの物じゃないあの三人の物でもあるのよ」
そうすると水面にあったゴミは空中を舞いながらタンカーの中に押し込まれていった。
「もうこの地に来ないで!」
その声と共に池の周りに住み着き始めた虫達が犯人めがけて襲い始めた。
「に、逃げろー」
「馬鹿やろうどもこうなったら」
その場のリーダーらしき人物がタンカーごと池の中に突っ込んで行ったがタンカーは急停止した。
「どうして止まった、こ、これは」
タンカーの動きを止めたのは水で作られた犬だったしかも一匹じゃなく数匹も。
「昔の私にはここまでの力はなかったでもこの子たちは我々W団が作り出した力だからこそ次は私があの人達を助ける番」
水犬はタンカーを少しずつ押して行った、山の上にこの池はあるそのためここまで来るのに急斜面を登る事になるつまり
「や、やめろーーー」
リーダーを乗せたタンカーは登ってきた斜面を猛スピードで転がるように落ちて行った
「もう大丈夫ですよ」
その声の主は総統達が眠っている方向を向いて喋ったそうすると。
「感謝するのはこっちじゃワシらは何も出来なかった」
そこには目の覚めた総統がたっていた。
「私が言った通りこの子達は貴方が作りだした力だからお願いしますどうか新しい団員としてこの子達を連れてって下さい」
総統はこっちに歩みよってきた一匹の水の犬を選んだ。
「ありがとうこの子を我々W団の新しい仲間として大切に扱おう。後は貴方のことを何と呼んだらいいのかな」
始めて総統が見たこの地の主は微笑みながら。
「この地に住むものは蛍姫と」
「それでは蛍姫またあう日まで」
総統は雨の降る中、アライドを背に乗っけて帰って行った。
「忘れないで下さいこの地は貴方の物、忘れないで下さいその美しい心、諦めないで下さい貴方の夢」
蛍姫はまた池の中に入って総統達のこの場所を守り始めた守ってくれるのは自分だけじゃない水犬と言う新たな仲間と共に
……
「と言うわけで新たな仲間水犬くんが仲間になりましたのでお祝いだー」
そうここはあのドロドロだった沼地から見事復活をとげた蛍池
「もう来たんですか」
蛍姫は少々呆れながら総統に向けて喋った。
「いいじゃないですか祝いごとは沢山いたほうが楽しいじゃないですか、ほら水犬だって楽しそう」
アライドはどうやら水犬を気に入ったらしく水犬と一緒に遊んでいる。
「それにここはなかなか美しい花が咲き酒が進む」
エンクラスは一人酒を飲みながら楽しんでいる。
「そうですよ皆で楽しくしましょう」
サリィも水犬を気に入りお花の冠を作って頭に乗っけている。
「ねっ、皆もそう言ってる事だし」
「そうですね水犬達も楽しそう」
蛍姫の微笑みに釣られW団一同笑い出した。