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呪いの進行

あなたの家にブラウン管のパソコン残ってますか?も

しかするとそこから人の声が聞こえてくるかも……。

総統の買い物中に抜け出したアラネ、電気店のテレビで見たニュースで昨日の夕方に工場が爆発したことを知り、糸を使いながら屋根を走り最短距離で灼熱工場に向かっていた。

灼熱工場爆発場所……

銑三の指示で社員は爆発による被害と破片の回収をして、銑三は警察の事情聴取を受けていた。

「オーイ、そっちはどうだい?」

「駄目だ動きそうにない、工場一つ壊す程の爆発で良かった」

「怪我人もいなかったもんな、宴会を早めにしてて良かったよ」

「それでも向かい側のホテルは窓ガラスが壊れて張り替えるらしいよ」

「そこ!喋ってないで分別する、工場長が帰ってくる前に解体しておくんだ」

「ハーイ鉄板!!」

「鉄板言うな!」

その間、仕切るように命じられたら中女、破壊されたのは主力にしていた第三火炎工場、これの停止は灼熱工場にとって大きな損害だ、1日経っているが、まだ鉄に熱がこもり秋だというのにそこだけ夏のように蒸し暑かった、それだけ大量の鉄が散らばったが銑三によると。

「それは心配ないよ、買い手の一つが受け持ってくれるらしい」

とのこと、確かに損害は大きい、それを一社が全部受け持つことにどこか疑いを持っている中女。

「まあ深く考えないでおこう」

そして、解体作業を開始して正午を過ぎた頃。

お昼休みでおにぎり片手に食事中の中女の所に忘れられないあの声が。

「鉄板ーー!!」

アラネが向かい側のホテルの屋上から工場の塀を軽く越えて、中女向けて跳んできた。

「馬鹿!いつも道理に跳んだら」

だんだん落ちてくるアラネはいつも火炎工場の屋根に着地している。

「あのニュース、本当だったんだ……着地する屋根がない!?」

中女はアラネを受け止めようと落下ポイントに走る。

「蜘蛛女!」

「鉄板!」

中女はアラネをなんとか受け止めたが何度か後ろに転がった。

……数分後

「なるほど、そんなことが」

両手におにぎりを持ち両方食べながら中女の話を聞いていた。

「ねぇ、なんであんたは平然と私のぶんを食べてるの?」

おにぎりを6つ置いてからお茶を取りに行ってる間に4つ食べられていた。

「えっ!?1:5じゃないの?」

「なんでそうなる!」

「それじゃあ食べた分だけ手伝うよ」

しぶしぶ立ち上がり持ってきた冷たいお茶を飲む。

「そうしてくれると助かる、あんたの力は役に立つから」

「銑三はいつ頃帰ってくるの?」

「分からない…事情聴取の後に買い手の企業に話をするとかで……」

すると、昼休み終了のサイレンが鳴る。

「それじゃあ作業に戻りますか」

その後の作業は夜遅くまで続き、銑三が帰ってきたら宴会になり、アパートに帰るのが遅くなった。

深夜二時アパートの庭……

宴会の途中で抜けたアラネはそのまま庭の手作りハンモックで寝ようとしていたが。

「枯れ葉が邪魔!墜ちてくるな」

ハンモックにくっつく枯れ葉を手で取り除いていた、しかし、取り除いても取り除いてもその倍の量で結んでいる二つの木から枯れ葉が堕ちる。

結果……

「ああ!あたしの寝床が……」

蜘蛛糸ハンモック重さと雑な取り除きにより破れる。

寝床を無くしたアラネ、あることを考える。

「もう一度作る?でも工場の手伝いでスッカラカン、力が出ない……布団で寝るか」

アラネは窓からアパートに入り、総統達が寝ている隣を通り抜け、寝室にある襖の物を全部だしてから布団一枚取って、寝ようと襖の上段に飛び乗った、その出しているさいに、総統の布団が二段から5段になっているとこにアラネは気づいていない。

「苦しい…苦しい……あ!?来るな……こないで」

「総統どんな夢見てんの?まさか幽霊に追われてる夢とか」

爆笑を声に出さないよう堪えるアラネ。

「来ないで……来ないでジャクソン……」

「ジャクソンて誰よ!?」

そんな驚きの寝言を聞き流して、ようやく寝る準備が出来た。

「これでよし、そうだ……せっかく布団で寝るんだったら、毛布を探そう、たしかさっき出した物の中にあったはず」

アラネは出しっぱなしの布団から毛布を探り当て、襖に投げ込んだ。

プツン……

「ん?何?さっきの音は……襖から…総統の寝言……いや、台所からだ」

アラネが庭から台所に入った時、台所にはアラネの入ってきた窓からの月明かりしかなかった、だが、今はもう一つの明かりがあった。

食卓に置いてあるパソコンの画面、それが点いていたのだ。

「あれ?入ってきた時は点いてなかったのに…こ……これは」

アラネが画面の目の前に立ったときある物に気づいた、アラネはそれを手にとったそして。

「あーあー、あああ?あ↑あ↓、なるほどこれがマイクなのね」

総統が買ってきたマイクで遊びだした。

「そういえば今、紀子さんで大変なことになってたんだっけ」

アラネは閃いたかのようにふざけ大半であることを試みた。

「こちら四門アラネ、こちら四門アラネ、紀子さん聞こえますか?」

画面とスピーカーからなんの反応もない。

「なーんだ、つまんない」

「ザザザノザザリコザザザシザザザモンザザ」

アラネはマイクを手放して、真後ろの壁に飛びついた。

「えっ!?喋った!?紀子さんが」

画面にはなにも映っていない、真っ黒な背景だけ、しかし、スピーカーからは砂嵐と一緒に声が入っている。

「ザザヤザザットザザコザザウ゛エザザガザザギコザザザウ゛ザルザザ」

アラネは砂嵐から聞き取れる音を頼りにオウム返しのように口に出す。

「やっと…声が聞こえる?まさかあたしの声……」

更に続く。

「ザザカラザザザザダザザモトザザザモドルザザザザアザザザトザザモウザザザスザザコシザザ」

「体が元に戻る……後少し…」

アラネは総統がつけているカレンダーの日付に新たにエンクランスのマークがつけられていることに気づく。

「ザザノリコザザザワタシザザザハザザノリコザザザモウザザスグザザザアウ゛ルザザザアウ゛ルザザトウザン……」

スピーカーからの音が弱まり、とうとう聞こえなくなった。

再び動き出すかそのままここを動かずに一夜を過ごすか悩むアラネだったが、頭の中では布団で寝たい一心である

「もういいや、このまま壁にひっついて寝よう」

アラネの気がゆるみ目を閉じようとしたその時、パソコンの画面から強烈な光、真っ白な紀子さんの叫ぶ顔、スピーカーからの砂嵐を消し飛ばし直接頭に流れる声、アラネの目は暗さに慣れすぎたために、目を閉じてもパソコンに映し出された紀子さんの顔、腕、体がくっきりと目に焼き付いたかのように離れない。

「目が…目が!」

「アイタイザザアイタイヨザザザココカラデテザザアイニイクザ」

アラネは倒れた体を起こそうと椅子に手をかけて立ち上がろうとする。

疲れか?それとも呪いか?体は鉄のように硬く重い、腕を動かすたびに金属の引っ張られたような音がする、目を押さえても見えるのは紀子の裂けた口、垂れ下がった髪、血の気の失せた肌、そして砂嵐の音……。

「キコエタヨ……アナタノコエ…」

砂嵐が消え、はっきりと自分の耳から聞いた紀子の声……。

耳……。

「まさか……」

体の重みが嘘のように消えて、素早く両足で立つ、そして、パソコンの画面に映し出していたものは。

叩くのを止めて、ジッと立ち、眼のない顔でこっちを見ている。

「違う…見てるんじゃない、コレは……」

紀子の両手が動き、その手は腰から肩を撫でるように動きながら顔に近づき、顎に頬そして、長い髪をどかして出てきたのは耳、真っ白な耳が紀子の顔について、聞き耳をたてていた。

「そんな…アライドが教えてくれたのは口しかないって」

「アライド……アライドッテコガイルノ?」

アラネは口を塞いだ。

「あたしの声が聞こえてる」

まさに地獄耳、なにを喋っても全て紀子が聞いている。

「ダンマリ?……デモ、モウオソイヨ」

画面に近づく紀子、ニヤッと笑い。

「モウスグカラダガモドル…ソノトキハアイニイクネ」

「あーー!」

アラネは叫びながらパソコンを飛び越え食卓の上から寝室の閉めた襖に向かってジャンプ、襖を破いてそのまま用意した布団に隠れた、さすがの物音に起きた総統。

「何!?何事!?……わお、襖が破れて……破れてる!アラネちゃんどうした…」

アラネに事情を聞こうとした時、破けた襖から蜘蛛糸が総統の口を塞いだ。

「う゛がだぁ、あざにぎぐごどにずる、ぞんどぎばずじぃでよ(分かった、朝に聞くことにする、そん時外してよ)」

再び寝る総統。

「フフフフフ……モウスコ……シ」

後4日


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