残り三人
粗大ゴミから拾ってきたパソコンから出てきた紀子さん仮、アライドは呪われたのか、そして今夜さらなる犠牲者が
アライドが紀子が出たと騒いだその次の夜……
「キャインキャイン!」
の声と共に食卓からいろんな物が落ちた音が。
「水犬どうした!」
しかしそこには誰もいなかったが、冷蔵庫が半開きになっていた、開けてみると。
「冷蔵庫の中で寝るの?水筒をわざわざ移動させて」
冷蔵庫の中で震えながら水筒の中に隠れていた水犬がいた、今にも倒れそうな勢いだ。
「じゃあお休み」
総統は冷蔵庫を閉め食卓から落ちた資料や箸立てをなおしてから布団で寝ようとしたが、パソコンの電源がついている気がして、画面を覗き込んだ。
「点いてないか……」
電気を消して布団で寝る総統、しかし、パソコンの中では着実にあることが進行していた。
後6日……
その日の朝……
「水犬、昨夜に何があったんだい?」
ここから水犬が普通に喋りますが、実際はワンなどのこえで総統達に話しています。
「昨夜、ちょっと散歩してて、アパートに帰ってから食卓にペットボトルがあって、その中に残っていた天然水を飲もうと、食卓に飛び乗ってフタを取って飲んでいたら……ん?誰か起きてる?トイレかな?……と思い、食卓からジャンプして脅かそうとパソコンの置いてある横にスタンバイしていたら、突然パソコンに電源が入り、画面の向こう側から必死に叩く女性の人が!!、キャインキャイン(紀子さんだ!)、と叫びながら、慌てて食卓から台所にある水筒を取り、冷蔵庫に逃げ込んだんです」
「なるほど……」
たった一人理解しているアラネ、それ以外はただ黙って椅子に座っていた。
「全然分からない、アラネちゃん翻訳」
カクカクシカジカ……
「なるほど、そんなことが」
「やっぱりおかしいですよこのパソコン、すぐに捨てましょう」
「でも次の回収は1ヶ月後なんだよ」
アライドの訴えは通らなかった。
「それより、パソコンにスピーカー付けるの手伝って」
「総統、捨てるつもりサラサラないですね」
エンクランスと総統はパソコンにスピーカーを付けようとしている最中に、サリィのとある発言で、その場の空気が一変する。
「紀子さんか……もしそうなら…アライドと水犬は一週間後に死んじゃうの?」
アライドと水犬は凍りつく、映画を見た二人も遅れてことの重大さを思い出し、自分の発言を振り返ったサリィ自身も動作を止める。
「もしそうなら…後6日…ですよね?」
総統はカレンダーの一週間後に赤丸を書いて、次の日に青丸を。
「後6日か、その日は見方と闘うことになってるよ、キャンセルしとく?」
「そんなこと言ってる場合ですか!本当に呪われていたら……」
アパートの風呂場で死んでいるアライドの次に水犬。
「嫌だ!」
アライドは叫びに似た一言、水犬は庭に出て遠吠えをした。
「まあまあ、二人が見たのは顔のない何かで、顔のパーツが増えてる訳じゃないんでしょ?」
「そういえばそうだ」
冷静になる二人。
「だったら何かのバグでそんなありもしないことが、起きているのかもしれないよ」
「総統、それでは今夜に使えそうなアプリを入れときますね」
「エンクランスお願いね、ホラ2人とも食事の途中だよ、サッサと終わらせちゃって」
腑に落ちない二人だが、これ以上悩まないように、忘れて過ごすことにした。
その日の夜…
予想外にアプリを取り入れるのに時間を費やしてしまい、真夜中になってしまった。
「やはり、壊れているから取り込みに時間が…まあこれで、曲や録音も出来るようになった、総統はこれで何するつもりなんだろうか…よし、今日はもう寝よう」
台所で歯を磨きながら寝る準備をするエンクランス、電機を消して寝室に入ろうとしたその時、パソコンのスピーカーからテレビの砂嵐の音が流れ出した。
「ん?消し忘れか?」
再びパソコンの目の前に立ち、アライドと水犬が見たという物に遭遇する。
「フ、これが紀子さん、ただの画面に映し出された映像じゃないか、これで何か変わってたらおどろ……く…」
紀子さんは垂れ下がった髪が顔を隠して見えないようにしているが、体が大きく揺れる度に綺麗な黒髪がなびく、砂嵐の音は徐々に大きくなり近づく、アライドの話では顔がないと言っていたが、エンクランスが見た物は。
「口がある……」
独り言をしながらこちら側に近づく紀子、画面いっぱいに近づいた紀子の口が動き砂嵐の音と共にスピーカーから流れた。
「ザザザハザザザザザザザザザザザザザカザせザザザザザおザザザ父ザザザサンザザナザザザンデザザザ」
「これは…」
エンクランスはよく聞こうとスピーカーを手で持ち耳に当てようとしたら、急に紀子の姿が消えた。
「あれ、でも微かにまだ聞こえる」
じっくりと耳を当てながら画面を見ていたが、なにもおきない、耳から離そうとしたその時。
「ナンデケシタ…」
ボソッとスピーカーから聞こえた後、間髪入れずに紀子が現れて、こちら側にこようとスピーカーを通して紀子の叫びとドアを叩くような音が流れた。
「ナンデケシタナンデケシタナンデケシタナンデケシタ……」
「これは…いったい……」
スピーカーを手から離してしまったエンクランス、スピーカーが床に落ちきった途端、パソコンの電源は切れ夜の静寂が戻ってきた、もう音は聞こえない。
「アライドと水犬が見たのは顔なしの紀子さん、私が見たのは口ありの紀子さん、呪いが進行しているのか……、もしこれが本当に呪われたパソコンなら、私含めて残り5日、持ち主を探した方がいいかもしれないな」
残り5日……
「と、言った感じなことが昨夜ありました」
「嫌だ!」
アライドは叫びに似た一言、水犬は庭に出て遠吠えをした。
「私も風呂場では嫌だ!」
三人で朝の庭で大声を出している。
「そうそう、明日になるんだけどインターネット引くから」
「それじゃあ、本当にパソコンが使えるようになるんですね」
「簡単にだけどね」
呑気に話している総統を差し置いて、三人で呪いのパソコンの持ち主を捜すことに。
「いいか!これは生死がかかっている絶対に持ち主を探し出すんだ」
「我等W団!」
「そこ、勝手にワシを置いて名のらない、それで今日マイクを買いに電気店に行くんだけどみんなはどう?」
もちろんエンクランスと総統で別れました。
電気店組
電気店についた総統達、目的の品を探していたら、テレビのニュースキャスターが昨日の昼におきた爆破事件を読み上げていた。
「お昼のニュースです、先日、銑三さんの工場、灼熱工場から謎の爆発がおこりましたが、奇跡的に死者はいませんでした、この事件に似た事件が数年前、同じ場所でおき、警察は同一犯のテロリスト、パイプではないかと捜査した結果、一人の男が発見され、すぐさま病院に運ばれましたが移動中に息を引き取りました、警察の調査の結果、男の名前はランバート、テロリストパイプの残党という事が判明し、その生き残りがまだ逃走中とのことです。次のニュースです……」
それを聞いていたアラネは走り出して、レジで買い物を済ませようとしていた総統の頭を飛び越えて。
「総統、少し帰りが遅くなります、夕飯はさきに食べてて下さい」
急いで灼熱工場に向かった。
「どうしたんだろう」
総統とサリィは訳も分からず、先にアパートに帰ってから、買ったマイクで正義の見方宛てに挑戦状を作り始めた。
「今まで電話で話してたからこうやって録音して、トーンを下げれば、悪の組織みたいな雰囲気がでる、よし、早速正義の見方宛てに挑戦状を送ってやろう、CDに保存してポストに入れておこう(その内容はあとがきで)」
総統は出来あがった挑戦状CDを封筒の中に入れて、マイクを差したまま寝る事にした。
捜索組
「よーし、みんなこの周辺一帯の粗大ごみの回収所を捜索する、今日はそれだけでいいその後に電気製品系統の回収率を確認する、あとはその日の当番の人に聞き来む事いいね?」
「了解です、エンクランスさん」
………調査中。
……調査中。
「調査の結果…」
「そんなばかな!」
「ここら周辺の電気製品の回収率は一個もないようです、総統が持って帰ったから0個になったとしても、当番の人に聞いてみたら」
「総統さんはたしかにここの当番だったけど、その時にはもう持っていたよ」
「じゃあいったいどこの粗大ゴミからもってきたんだ…」
「食事中ぐらい悩むのやめたら?」
「そうします」
アラネは夕飯になっても帰って来ず、先に夕飯を食べる事に、結局、12時過ぎても帰ってこなかったので、そのまま全員寝る事に。
アラネが帰ってきたのは真夜中の2時、そして、パソコンの呪いが動き始める。
「あーあー!んんん!?あーあー?あ↑あ↓、これでいいかな、ふふふこの声が聞こえるかな?」
「正義!助けて!」
「そうだ、人質のサリィだ、いいか人質がおしくば日曜の9時にいつもの公園で、それでは、ふはははは!」
……………
「どうですか総統?」
「名演技だったよサリィちゃん、今度はカメラでもつけて本格的にやってみようか」
「楽しみ!」