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とある正義の戦闘記録

水犬は倒れた、正義の手によって倒された、その哀しみを背負いアラネが戦うが……大きな音が2つ鳴り響いた


アラネが林の中に入り、追いかけて入ったエンクランスが見た物は直視できない、無惨な光景だった。

「アラネ…く…だ、大丈夫…く…」

「エンクランスさん、だめですよ笑っちゃあ」

「君は遅れ…てきたから分からないだろうが、あれを見たらねー」

それはアラネが正義の見方を蜘蛛糸で辺り一帯を巣のように囲み逃げれないようにしたとこから始まる。

「どうよ、これでもひとりで熊一匹チュルリと倒して食べたんだよ、身にしみこむぐらいあたしの糸で楽しんでね、せ・い・ぎ」

「楽しむ……可愛い…」

アラネは巣の中心に突っ立ってる、正義を中心に周りの木に飛び移り、速度を上げながら正義の体に糸を絡める、次第に振り払っていた糸が振り払えずに体につく、跳んできて直接つけたり細かったり、網状にして飛ばしたり、工夫をこらした糸が飛んでくる、次第に動きが鈍る正義にトドメの一撃、地面に落ちた糸を手繰り寄せ四方から正義を閉じ込めるように引き上げ。

『四門家奥義・蜘蛛繭』

正義はさなぎのように体に糸が巻きつき、立ったまま動かなくなった。

「決まった…後は正義を食べるだけ」

蜘蛛の捕食は「生き血を吸う」という風にもいわれるが、実際には消化液を獲物の体内に注入して、液体にして飲み込む、食べ終わると獲物は干からびるのではなく、空っぽになっている。

小さいものはかみつぶして粉々にしてしまうこともある。

アラネは木から猛スピードで正義に飛びかかった。

「正義ー!」

「小さい女の子に食べられるのはいいが……さすがにこれはね」

そうすると、繭の中から正義の手が出てきた、そのまま正義は後ろに倒れながら、アラネの顔の前で思いっきり手を叩いた。

「ヒィ!」

その時にエンクランス到着、アラネはそのまま正義を飛び越え木に顔から激突、大きな木がしなやかに揺れる。

「そんな…そんな……大きな音は…駄目」

アラネは今でも、車のクラクション、工事の音、バイクのあの音、テレビの発砲音、フーセンの破裂、とにかく少しでも大きな音にも反応してしまい、最悪の場合倒れる。

「アラネちゃ…く……くく」

「エンクランスさんいったいなにが……」

「アラネ…く…だ、大丈夫…く…」

「エンクランスさん、だめですよ笑っちゃあ」

「君は遅れ…てきたから分からないだろうが、あれを見たらねー」

しかし、エンクランスが笑いをこらえている間に正義が繭から抜け出していた。

「哀しいね…もしかしてこれで終わり?」

実際倒れているのはアラネだが、本人はどうだろうか。

「なわけないでしょう、まだまだいけるわよ」

立ち上がったアラネの顔はすでに半泣き状態、絵に描いたようにおでこが真っ赤に。

「アラネちゃ…無理……しないほうが……アハハもうダメむせそうアハハハ」

「エンクランスさん……わからなくもないです」

もう下を向いて泣き出す一歩手前のアラネ、しかし泣くのを我慢しながら、袖の衣で顔を拭きながら正義にもう一度挑戦するその姿は。

「正義!も…もう一度…しょ…勝負!ウウゥ」

「…か…可愛い…」

そんなアラネを見ながら正義はポーズをとりはじめた。

「アラネちゃん、君の思い十分理解した、しかし、正義は悪を打ち倒すのが道理、もう手加減せずに君の哀しみを吹き飛ばしてあげよう」

「なに言ってるのそんな痛いこといっても、もうひろわないわよ」

その時、正義の腕時計から新たな青い光が林を照らす、正義がポーズを変えると更に光が、そして、その光はアラネの体からもオーラのように出てきた。

「やっぱりまだ何か隠してたのね、来なさい!そうじゃないと水犬の敵討ちにならない」

アラネもついでにポーズをとる。

「いいだろう、その哀しみを打ち砕いてあげよう、正義の見方四神竜チェンジ」

正義のコスチュームが少しずつ青く染まる、腕時計の針が3時を指し、まるで腕時計から青龍が飛び出したかのように見え、周りに飛んでいた青いオーラを吸収して、正義の体の中に入り込んだ、そして!。

「人の哀しみ代わりに背負い、青色涙を身に浴びて、青き龍の力を借り、哀しみの一撃にて終わらせる、哀しみの見方、ここに参上」

ついにきた、アレが正義の周りを飛んでいた正体、正義が変身して水犬と戦っていた時から、フードで顔を隠してても感じていた、まさか更に強くなるなるなんて……。

「アラネちゃん、もう後にはひけないよ」

アラネは不意打ちを狙い糸を飛ばしたが、簡単に振り払われた。

「今更逃げるなんてことしないわよ、もう一度…今度こそ失敗はしない!」

先ほどの技を出すため再び木に飛び移り、猛スピードで正義の周り一帯に糸をとばす、しかし、正義はそこから動かず、技が完成するのをじっと待っている。

「勝気満々ね、でもさっきとは技が違う!」

どは足下から包み込むように上げたが、今度のは真上、逃げ道を防ぐために使っていた側面、そして真下から囲む、三段の構えで正義の動きを止めようとした。

『四門アラネ流奥義・蜘蛛繭』

ところが、正義は何もせずに立ったままアラネの技に当たり、顔が見えないほど糸を巻きつけ、アラネは正義を包んだかを確認せず間髪入れず飛び込んだ。

「倒れろせいぎ…」

そこには、繭の中にいるはずの正義が、周囲に飛び散った糸の中心で、水犬を倒したあの構えで待っていた。

「アラネ、君はまだ幼い、もっと強くなれる…、だが!その哀しみこの糸のように吹き飛ばしてあげよう」

避けよとしてもすでに手遅れ、正義は始めっからアラネの技が当たっても意味がなかったのだ。

『哀しみの見方奥義・青龍円月砕』

アラネは頭の中が真っ白になり、気がついた時には自分が林を抜けて空高く打ち上げられていた、体はある程度上がり、水犬と同じように落ちていった。

「アラネちゃん!」

総統がいる広場に落ちていったアラネを両手を使って見事キャッチしたエンクランス、すぐに状態を見るが、アラネはグッタリと目を開けたまま人形のように動かなかった。

「アラネちゃん…エンクランス…意識のほうは…」

「意識はあるようですが、もう戦える状態では…」

「そうか…、エンクランス…みんなを頼んだ…」

総統は水犬だった水を水筒に入れ終えて、サリィに渡し、一人で正義の待つ林の中に入って行った。

「総統…待ってます、必ず帰ってくることを」

総統は後ろ向きに手を振り、林の中に姿を消した。

数分後…。

大きな音が一回だけ鳴り響いた。

その日の夕方、傷だらけの影一つに寄り添う影が四つ横に並んで、歩いていた。

「みんなボロボロだね」

「総統ほどじゃないですよ、いったい正義とどんな勝負をしたんですか?」

「アライドくん、それは総統だけの秘密だよ」

「今度こそ正義を倒して餌に…」

「アラネちゃん大丈夫?」


家路を歩いて帰っていた、正義の見方には負けてしまった、だが、まだW団は生きている、これが始めての敗北ではない水犬と会う前から正義と戦っていたのだ、しつこい汚れのように悪もしつこい、決して折れない心の強さがW団の強さでもある。

「さあみんな、帰ったら祝杯の鍋だよ」

「なんの祝杯何ですか?」

そんなアライドの手にはスーパーのビニール袋に沢山の食材が。

「アラネと水犬の初戦と無事に帰ってきたことのお祝い」

「負けたことを祝うんですか?」

そこにエンクランスの訂正。

「それはちょっと違うね、W団の総統やサリィのことを思って戦ってくれた君達のメンバーの絆を祝うんだ、そうですよね総統」

「そのとうりじゃ」

総統がいったいどうやって正義を黙らしたのは誰も知らない謎のまま…。

「…しかし、そこには2人だけの特別な間になにかあるのかもしれない、とっ、いやー長かった、まさかこんなに長くなるなんて」

電柱の後ろに隠れながら今までつけてきた中之島レナ、その左手には先ほどの戦いの記録されたメモ帳が。

「世界征服を企む悪の組織W団、それを防ぐために戦う正義の見方、どっちについてもおもしろそう、でもここは…」

レナは総統達を追い越して道を塞ぐように立った。

「そこの悪の組織W団、ちょっと待った」

「君はあの時の」

「私はこの近くに住んでいる中之島レナと言います、先ほどの戦い見せていただきました、そこで私はぜひメンバーに入りたいと思いまして、ここに現れたのでございます」

「うん、いいよ、これから君もW団のメンバーだ」

軽、まさに一言で表すならこの言葉。

「それじゃあこれから君の入団も祝って鍋を食べようか」

どうしよう、もうちょっと苦戦してもおかしくないと思ってたのに、簡単に話が進んでしまった。

「それが…この後用事がありまして」

「そう…それでも近いうちにアパートにきてね、それじゃあみんな引き続き帰るよ」

W団は私の真横を通り過ぎ帰っていたが一人だけ歩みを止めた。

「君が一日中見ていたのは気づいていた、どういうつもりか知らないが、W団に来た以上、仲間として協力してもらう」

そう言い残してエンクランスは歩き出した。

「協力…するわよちゃんとね」

レナは総統達が見えなくなるまで待ち、もう一人の所まで急いで走った、そのもう一人とは。

「私はこの近くに住んでいる中之島レナと言います、先ほどの戦い見せていただきました、そこで私はあなたのファンになります正義の見方さん」

「………なんで」

これよ、普通の人ならこの反応のはずなのになんであの組織は。

「あの素晴らしさ、とても感動しました、だから私も正義の為に働きたいのです」

「……そうなの」

「それで私はなにか恐ろしい企みを聴いたら伝えにきます、それでは」

それだけ伝えて日が暮れた夜道を走って行った。

「……嵐みたいな子だな」

正義はそのまま一人、少ししか入っていないレジ袋を持ちアパートに帰った。

中之島レナ、無事に帰宅。

家ではすでに夕飯を食べている両親、焼かれた手羽先をそのまま音をたてて食べている父が、帰ってきたレナに気づくまで一秒とかからなかった。

「あら、今日は早かったわね、どうだったの?」

「順調に話がまとまったよお母さん」

「そうか!レナよくやったこれでガッチリと彼を捕まえ絆、愛を深めるんだこうバリッと」

「分かってるよ、ご飯は後にするから先に入ってるね」

「そうだ!風呂ってゆうのは熱いに限る、こう燃えているような温度が」

「お父さん、もう行ってしまいましたよ」

軽くやたらと熱い風呂から上がり、濡れた髪を乾かさずタオルを体に巻き、すぐに今日のメモ帳を取り出し自分の部屋の机に座った。

「悪と正義……、どっちが勝か……、私はどっちもいいけどやっぱり強いほうがいいな、正義には悪いけど私はW団に助力するわよ、これも一つの愛のか・た・ち、なんてね」

レナは新しいノートを取り出しタイトルを書いて、パジャマに着替えたのち、夕飯を食べに部屋の電気を消した。

『とある正義の戦闘記録』

W団の住むアパート、戦いを終えた総統達は全員で鍋を囲んでいた。

注意点ここから先、どんな状況かはいっさい書かず会話だけです。

「総統、鍋が出来ました」

「ちょっと待って、しいたけを用意して…、出来たよ」

「さすが総統、用意が手慣れてる」

「総統さん、他に運ぶ物は?」

「もうないから、後はみんなで食べるだけだよサリィちゃん」

「総統!水犬の入れた水筒から、消しゴムサイズの水犬が」

「水犬…良かった、ごめんね、あたしこれから強くなるから一緒に頑張ろ」

「ワン(もちろん)」

「それでは、今回は負けてしまったが、更に強く打倒正義を夢見るだろう、我等W団は世界征服をするまで、力をあわせて頑張るぞ」

「我等W団!!」

「それじゃあみんな…一気に食べよう、鍋将軍はワシじゃー!」

「そうはさせない総統、私が鍋将軍になる!」

「やはりついてくるかエンクランス!」

「2人だけ別次元だね」

「そうでもないわよアライド…、鍋女王は、じゃないしいたけは全て渡さない!」

「急がなくてもとらないよ、だろサリィ……」

「鍋女王……鍋女王!」

「言葉…気に入ったの」

「グルル(鍋獣王!)」

「水犬…そんなに豆腐にかぶりつかなくてもそれだけで満足でしょ、……なんかなー、一人だけ冷静なのはやだな、鍋将軍の座はこのアライドがもらい受ける、突撃!」

「総統!鍋が空になりました」

「一時休戦、みんな待機、…………再開!」

「ウオオオーー!」


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