ハト
作者から一言。
小説には書きません良ければハトを聞いて、ハトがどんな旅をしたかを想像していただくと幸いです、では少しだけ変更して。
伝説の家宝を目指して三千里、古の伝書に記された、伝説の家宝を目指して三千里、古の伝書に記された、近くにいるハトを指差して
ハトー。
今朝、アパートの玄関に倒れていた少女、昼過ぎに起きた一言目がこれだ。
「ここ天国にしては貧相ですね」
だった……。
周りのカーテンは閉められ、裸電球の光が、狭い四畳半の部屋を照らしていた、その部屋には今朝倒れていた少女が入っていた。
「ご馳走になりました」
先ほど豆のお雑煮と白飯と飲み物にお茶を飲み干し、食器をふすまに近づけて布団の上で正座している。
「すみません、貧相とか言ってしまって」
ふすまが少し開き食器の変わりに柿ピーがだされ。
「どうぞ」
の一言。
「すみません、いただきます」
少女は出された柿ピーを食べながら。
「ほ…本当に何から何まですみません」
と震えながら今にも泣きそうな勢いで謝っている。
そのふすまの向こう側ではサリィがすでに泣いて、アライドと総統は焦っていた。
「あの子可哀想だよ総統さ〜ん」
「そうですよ、どうするんですか総統」
「ま、待って、今考えてるから」
「ほ…本当にすみません」
とまた声が。
「ほら〜あの子可哀想だよ総統さ〜ん」
そして、暗い四畳半の部屋では。
「どうしよう、まさか警察に捕まるなんて……、いや警察のほうがましだった、狭い部屋、食事、裸電球、そして……白い布団」
震えながら怖い想像が頭を巡る、そして最悪の結論。
「襲われる!確実に襲われる!今にもカメラを持って入ってくる」
その時ふすまが開かれ誰かが入ってきた。
「もうおしまい!奪われる!」
その時、泣きながら入ってきたのは小さい女の子だった。
「もう大丈夫だよお姉ちゃん」
「えっ!子供!?」
「サリィちゃん、ちょっと待って」
総統がサリィを止めようと伸ばした手は少女から見て、子供を誘拐しようとしている犯人に見えてしまっている。
少女は総統より先にサリィの手を掴み、女の子を守るため腕と自分の翼を使い、サリィを包み込んだ。
「えっ!翼!?」
「お姉ちゃん!ちょっと待…」
相手は私の翼に驚いている、女の子の口を塞ぎ犯人に渾身の言葉。
「この獣!外道!誰でも発情する人間失格のロリコン変態!」
「ギャー」
直後、犯人の動きは止まった、と言うより……、今まで見たことのない絶望の表情で、そのまま前に倒れた。
「獣で…外道で…誰でも発情する…人間失格の…ロリコン変態て…」
「総統ー!」
奥からまた一人子供が出てきた。
「あなたもこの男に捕まった子?それなら早く逃げよう」
「総統さーん」
さっき助けた女の子が私を振り払って、犯人に近づいて犯人を揺さぶっている。
「お姉ちゃんひどいよ、総統さんはお姉ちゃんを助けようとしてたのに」
ということは、私はなにかもの凄い誤解をしていたのかもしれない、それじゃあ起きた時、布団で寝てたのも、あの美味しい食事をだしたのも、大好きな柿ピーをだしたのも……、全部この人のおかげ。
そして、私の攻撃がそんなにきいたのか今も倒れている……、何か恩を仇でかいした罪悪感が……。
私は翼を服の中にしまい謝った。
「ごめんなさい…」
「お姉ちゃんはとにかく謝らないで!」
こんなぎくしゃくした状態が終わりを迎えたのは総統が起きて、双方向かい合わせに椅子に座り。
「すみません……まさか天使様とは思いませんでした」
「すみません……助けていただいた身でありながら言葉攻めしてしまって」
「総統、そろそろ戻ってきてください」
「お姉ちゃんも謝るのやめて」
という状況をアラネと水犬が目撃して。
「何やってるんですかみんな?」
「クゥーン(いつもどうりだ)」
と二人止めるのに加わり、ついに6時過ぎに総統が放った言葉により終結した。
「そろそろ遅いので、旅の御方なら夕飯はどうですか、昼に出した物と同じですが……」
「えっ!昼にでたあのお雑煮まだあるんですか、いただきます!」
「よかったですね総統、お雑煮が気に入られて」
「お雑煮ね…お雑煮…」
総統は六人分の食事を作っている間に二人で、朝起きた事、昼に起きてしまった出来事を説明して、食事前に話が付いた。
「う〜まい、やっぱり美味しい、あんな暗い部屋で食べた時より美味しい」
「すみません…」
「総統もうやめて下さい」
全員からの攻めに総統ついに立ち上がる。
「それでは名前を教えてくれるかね」
少女は食事の手を止めお茶を飲んでから教えてくれた。
「ハト」
「カタカナでハト?」
「はい、ハトです」
「天使のミカエルとかじゃなくて」
「ハトです」
「ああ〜その羽は?」
「自慢の白い羽でこれを使って旅をしています」
「玄関前で倒れていた理由は?」
「2日間何も食べずに夜中歩いていて、道に落ちていた豆を拾い食い、そのまま皿に盛られていた豆を食べた結果です」
「柿ピーは好き?」
「大好きです、特に豆が」
「なるほどよく分かりました」
「総統、最後の柿ピー、聞く必要あるんですか」
総統の質問攻めが終わり、短い間の後、総統が笑い出しそれに続きみんな釣られて笑い出した。
「深刻に悩んでそんした」
「なんであんな事になったんでしょうね」
「それは総統さんが寝やすいようにしたからですよ」
「でも良かったですね問題が解決して」
そしたら急にハトの手が止まった。
「どうしたんじゃ?」
「忘れてた!私行かなくちゃ」
「お姉ちゃんどこに行くの?」
ハトはポケットにしまっていた古びた巻物をテーブルに置いた。
「ここに私、行きたくても行けないんです」
全員で急いで皿をどけて、広げられた地図にはこの街の昔の地図らしき物にマークが一カ所されていた。
「それじゃあ回想でもどうぞ」
ハト4ヶ月の長い旅…。
私が旅をするのは母に渡された伝書から始まった。
「ハト…もうすぐ私にお迎えがくる、その前に我が家に続いている伝書を渡す、この地に行き、先祖代々伝えられている物をとってくるのだ」
「お母さん…」
世界を飛び回ったという伝説の情報配達人の母の翼は、もう羽ばたくことが出来ない程に衰えていた。
母に渡された古びた伝書は古い地図が書かれていたが、周辺の街の地図ではなく近くなのか遠くなのか、大まかな場所が分からなかった。
「お母さん…ここどこの県?場所が分からない…お母さん?」
母はそのまま天にめされた。
2009年12月30日伝説の情報配達人コードネーム、bluebird他界
「お母さん…お母さん…」
沢山の親戚の鳥達が見ている中、母は埋められた。
私は葬式の後、埋葬された場所で小声で泣きながら。
「お母さん……場所…分からないよ…」
その日の夜、私はお母さんと住んでいた木に帰り、旅立つ身支度をした。
「場所が分からない以上、いつ帰ってこれるか分からない、それなら」
私は大切な物だけをリュックに詰め込み、柿ピーは多めに持ち木に別れを告げた。
「お母さん…私はあなたのように世界一のハトになります」
伝書をポケットにしまい、マッチに火をつけ、木を自分の家を燃やした。
火に包まれる家、厳しく優しかったお母さんと共に過ごした家、飛ぶ練習場の家が燃えていく、私はもう戻らない。
「お母さん…さよなら、ハトは旅立ちます」
数歩、歩いてから飛ぼうとした時、サイレンの音が近ずいてきた。
「やべ!山火事で訴えられる」
私は急いで飛びもう戻らない家に別れを告げ、終わらない旅が始まった。
旅は試練の連続だった、慣れない環境の差、毎日長距離移動、空から海、空から森、時には山の頂に、時には川の岸辺に、時には海の浜辺に。
四方八方飛び回り、同類に話を聞き道を尋ねる、一番の失敗は孤島を目指して飛んだ日、陸地がなく一日中飛びやっと着いた先で、変な歌を歌うオウムに会って、訳も分からず踊らされ、密猟者と言われ民族に追われ、結局もう一日中飛ぶと思いきや半日で戻れた時。
そして、ついに見つけたのがこの地だった、しかし、古いものは壊され新しい物が建つ、地図に書いてある街は確かにここ、しかし、街はもうすっかり変わってしまい、伝書は意味をなくしてしまった……。
私は呆然とした、でも諦めなかった、最後の食事を済ませ忘れ去られた場所を探すため飛んだ、たとえ私が忘れられた一羽のハトでも。
総統はタオルを持ち感動していた。
「大変だったんだね」
「それで最後の食事から2日目の夜に見つけた豆を拾い、現在に至ります」
長い話の間、最後まで聞いていたのは三人だけで、アラネは散歩に水犬は先程サリィによって、水筒の中にしまわれた。
「状況は理解した、この地の忘れられた場所に行き、家宝を見つければいいんじゃな」
「はい…でも…」
総統はあらかた拭いたあと椅子から立ち上がり、それにアライドとサリィが総統の隣に立った。
「ハトさんよく分かりました」
「お姉ちゃん心配しないで、総統さんの心は決まったから」
部屋の電気が消え、総統達にスポットライトが灯された。
「それでは今度はこちらが説明しよう」
ハトの目の前にいる人は先程まで私の話で泣いていた、弱々しい総統ではなく、どこかの組織のトップの面構えをしていた……そう…どこかのトップ……。
「僕達は世界を良くしようと世界征服を企む悪の組織、その兵士」
「私は人質、あながち間違ってなかったんだよ」
「そして……」
ついさっき帰ってきたアラネと水筒のふたを外し出てくる水犬。
「四門一族のまつえいであり現蜘蛛の女王、四門アラネ」
「ワン(蛍池に住む水の化身、水犬)」
「そして……」
「この猛者を束ね世界征服を企む悪のW総統!」
ハトは驚き半分期待半分で尋ねた。
「その組織の名は……」
ここぞとばかりそれぞれポーズをとり総統のかけ声と共に気持ち小さめに叫んだ。
「その組織の名は…」
一人抜きで「我々W団!!」