表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺がマヨネーズ男爵だとぅ!?~異世界でおっさん領主は奴隷ちゃんと結婚したい  作者: 武蔵野純平
第三章 マヨネーズ男爵爆誕!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/40

第31話 オマエか!

遅くなりました。

すいません。

怪我をしてしまって、熱が出たりしました。

 ――翌日、日曜日。


 電動バイクを飛ばして護衛のサラと二人でバルデュック男爵邸に来た。

 前回俺が怒ったせいか、家人の対応は丁寧で、今回はすんなり応接室に通された。


 調度品の立派な応接室のソファーに座りバルデュック男爵を待つ。

 サラは無言で俺の背後に立ち、今日は護衛に徹している。


 前回はバルデュック男爵が、サラをいやらしい目で見ていたからな。

 今日は武骨な格好をさせている。

 現地の冒険者が着る服の上に革鎧、腰に剣をぶら下げたスタイルだ。


 そして、これは……サラが自ら提案したのだが……。

 獣神的なプロレスラーのマスクをかぶっている。

 ……ファンなのか? サラ?


 過激なプロレス技を俺で練習するのは止めて欲しいのだがな。

 四十歳独身貴族は、最近腰が辛いのだよ。

 冗談でも吊り天井固めをかけてはいけないのだ。


「なあ、サラ……。そのマスク必要か?」


「バルデュック男爵がおかしな真似をしたら、私が潰すのです!」


「そ、そうですか……」


 バルデュック男爵の無事を祈る。


 しばらくしてバルデュック男爵が応接室に入って来た。

 よし、今日はちゃんとした格好をしているな。


 バルデュック男爵は、獣神的なマスク姿のサラを見てかなり動揺している。


「あ、あの……。ミネヤマ……殿……。その護衛は……?」


「気にしないで下さい。獣人か何かだと思って」


「そ……そうか……」


 バルデュック男爵は、サラの方を恐々と見ている。

 安心しろ。いきなり襲い掛かったりしないぞ。

 サラのプロレスマスク作戦は、バルデュック男爵が大人しくなるので、意外と良いかもしれない。


 さて、このままじゃ、話しが進まないからな。


「バルデュック男爵。それで、ご用件は?」


 俺が水を向けるとバルデュック男爵は、気を取り直して話し始めた。


「おお! そうだ! そうだ! あー、オマエの所にいる女冒険者の奴隷が三人いるだろう? あれをワシに寄越せ」


「……」


 元の横柄な態度に戻ってしまったな。

 女冒険者の奴隷三人?

 それって――。


「オリガ、ジュリア、ロールの事でしょうか?」


「うーん……名前は覚えておらんな……」


「赤髪の剣士がオリガ。金髪の神官がジュリア。紫髪の魔法使いがロールです」


「おおっ! その三人だ! ワシにくれ!」


 ワシにくれと言われてもな……。

 もう、三人は魔の森の定食屋さんでバリバリ働いている。

 彼女たち三人がいなくなったら、店が回らなくなってしまう。


「あの三人は、ミネヤマ領に必要な人材です。お譲り出来ません」


「なーに? 必要な人材? そう固い事を言うな……。あっ! さては、あの三人を気に入ったのだな!? どうだ? 抱き心地は?」


「……」


 相変わらず失礼な奴だ。

 だが、前回の訪問でバルデュック男爵が、ナチュラルに失礼な人物だとわかっている。

 いちいち怒っていては、こっちの身が持たない。


 淡々と対応しよう。


「いえ。私は、オリガ、ジュリア、ロールとは、そのような関係ではありません」


 まあ、将来的には、そのような関係も視野に入れているが、俺の背後で獣神マスクをかぶっている人が許してくれないのだ。


 三人が俺の愛人奴隷じゃないとわかるとバルデュック男爵は手を叩いて喜んだ。

 このオッサンだけは……。


「そうか! そうか! なら、ワシに譲っても良いではないか!」


「いえ、ですから! あの三人は、ちゃんとミネヤマ領で働いているのです。替えが効かないのです」


 俺は、かなりイラっとしていたが、感情的にならないように事務的に対応した。

 何のかんの言ってもバルデュック男爵は、お隣の領主だ。

 むやみやたらと対立するのは、よろしくない。

 大人な対応に徹しよう。


 だが、俺が大人な対応をしようともバルデュック男爵には無意味なようだ。

 勝手な事を言い募り始めた。


「ワシは、前からあの三人に目をつけていたのだぞ! ワシに優先権があったのに、オマエが奴隷商人から勝手に買い取ったのだ!」


「私があの三人を買ったのは、私の自由でしょう? あなたに優先権などありませんよ」


「いや、ある! ワシはあの三人を気に入ったから、わざわざ奴隷落ちするように人を雇ってだな――」


「男爵様!」


 バルデュック男爵が何か言おうとしたら、男爵の後ろに立つ執事が言葉を遮った。


 わざわざ奴隷落ちするように人を雇って?

 まさか……!


「バルデュック男爵! まさか、あなたが結婚詐欺師を雇って、オリガたち三人をはめたのではないでしょうね!」


「あわわ! あわわわ! そ、そんな事がある訳ないだろう!」


 ある訳ないだろうと言っている割には、汗ダラダラじゃないか!

 もう、これは間違いないな……。

 オリガさんたち三人に結婚詐欺師をあてがって奴隷落ちさせたのは、バルデュック男爵だろ。


 俺は深くため息をつき、ジトっとバルデュック男爵を見る。


「はあああああああー。バルデュック男爵……あなたは……」


「な、な、な、なんだ! ワシでは、ないぞ! ワシでは、ないぞ! あー、話しは終わりだ! ではな!」


「あっ! ちょっと!」


 バルデュック男爵は、ドタドタと慌てて応接室を出て行ってしまった。

 残された俺は、頭を抱える。


 いくら気に入ったからと言って、罠にはめて奴隷落ちさせるか?

 領主とは言え、やり過ぎだろう。

 こんなヤツが隣の領主なんて、本当に頭が痛い。


「帰りますか、獣神仮面さん」


「はい。ご主人様」


 そう言うとサラは、獣神的なマスクを脱いだ。

 あー、怒っているな。


「ご主人様、どうするのですか?」


「もちろん、放っておけないよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★☆★ランキング参加中です!★☆★

クリック応援よろしくお願いします。

小説家になろう 勝手にランキング

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ