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俺がマヨネーズ男爵だとぅ!?~異世界でおっさん領主は奴隷ちゃんと結婚したい  作者: 武蔵野純平
第二章 異世界領主のスタート

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第23話 バルデュック男爵と面会

 バルデュックの領主は、バルデュック男爵。

 四十過ぎと言うから、俺とほぼ同い年だ。


 貴族、つまり偉い人に会う訳だが、俺はいつもの黒ジャージ姿。

 貴族服を作ろうかとも思ったが、俺はジャージ生地を卸している立場もある。

 ジャージ生地の宣伝にもなるから、黒ジャージで面会する事にしたのだ。


「ここか……」


 バルデュック男爵の屋敷は、ヨーロッパの邸宅って感じで大きくて立派だ。

 商人ギルド長のサンマルチノが門番に用件を告げると、すんなりと中に通された。


 だが、屋敷の中に通された後が悪かった。

 案内されたのは食堂で、なんとバルデュック男爵は、寝間着姿で朝食中だ。


 これ、お客様に対して失礼だよね?

 今日は『お隣の領地で新しく貴族になったミネヤマ氏の表敬訪問』って事だが、この対応はないだろう。


 バルデュック男爵はでっぷりと太った醜い中年男だ。

 俺も中年だが、中年の俺から見ても醜すぎる。


 脂ぎった顔に三重顎。

 金髪巻き毛はカツラじゃないのか?


 食事の仕方も汚らしい。

 べちゃべちゃと音を立てるのだ。


 口の中に食べ物を入れながら、バルデュック男爵がだらしなく話し始めた。


「あー。そちがミネヤマなる者か? 街道整備に金は出さんぞ」


 いきなりこれか……。

 どうした物だろうね……。


 元々街道整備は俺の金でやるつもりだったから、バルデュック男爵に金を出してもらうつもりはない。


 ただねえ。

 こんな塩対応をされてはね。

 文句の一つも言いたくなるな。


 これがこの世界の貴族か。

 貴族ってもっとノーブル、高貴な雰囲気かと思っていた。

 TVで見るヨーロッパの王室みたいな上品な感じ。

 ああ言うのが出て来ると思ったのだけれど、がっかりだな。


 その時、俺は何か引っかかった。


 あれ?

 バルデュック男爵は俺を見てないね?

 バルデュック男爵の視線の先は……サラか!


 このガマガエル野郎!

 俺のサラを視姦しやがったな!

 マジ許すまじ!


 頭に血が上り、心臓がバクバク言っている。

 グオー! 怒り爆発!

 俺は怒りながら話し出した。


「バルデュック男爵! 私は日本と言う国から来たマヨ・ミネヤマだ。本国では貴族である!」


「あ!?」


「外国貴族を遇するに、食事の場に案内し、寝間着で応対するとは礼を失する!」


「いや……それは……」


 俺の怒りと外国貴族の一言が効いたのだろう。

 バルデュック男爵は、タジタジになった。

 遠慮なく追撃させてもらう。


「そしてこの度、この国でも辺境開拓騎士爵を国王陛下より賜った。貴殿の無礼な対応は受け入れられない! 失礼する!」


「ちょっと! 待って!」


 俺はその場でクルリと回れ右をして、引き止めようとするバルデュック男爵を無視した。

 屋敷の廊下をドンドン歩き、外へ向かう。

 慌ててサンマルチノさんとサラが追いかけて来る。

 サラが心配そうに声を掛けて来た。


「ご主人様、バルデュック男爵とお話ししないで、よろしいのでしょうか?」


「サラ。バルデュック男爵の態度を見ただろう。あれは、俺の事をなめている。下に見てバカにしているのだ。そして、俺よりも優位に立とうとしている」


 いわゆる心理的マウントを取ろうとしているのだろう。

 もちろん、バルデュック男爵が、『本当に失礼な人』と言う可能性もあるが。


「なるほど」


「ここで俺が下手に出れば、バルデュック男爵は調子に乗る。無茶な要求をしてくるかもしれない。だから強く対応したのだ」


「そうだったのですか! ご主人様はさすがです!」


 ふっ!

 そうだろう!


 四十歳独身貴族は、駆け引きに秀でているのだ。

 あんなガマガエルの下風に立ってたまるか!

 サラをいやらしい目で見やがって、死ね!


 サンマルチノさんも大慌てで、とりなして来る。


「ミネヤマ様! 申し訳ございません!」


 うむ。

 ここはなめられないように、キチンと釘を刺しておこう。


「サンマルチノ。私は貴族ではあるが、普段は気安く接してくれる方が好きだ。しかし、公式の場で、あのような態度は腹に据えかねる。バルデュック男爵の対応は、我が母国日本と私を貴族に叙任した国王陛下を侮辱する物だ。断固として受け入れられない!」


「おっしゃる通りでございます。私からも申し入れをいたしますので、しばし商人ギルドでお待ちいただけないでしょうか?」


「うむ」


 俺はサラと二人で商人ギルドへ向かい、サンマルチノさんはバルデュック男爵と話しをしに行った。


 まあ、でも、俺の対応は間違ってないよな。

 初めて訪問した会社で、面会相手が寝間着で朝飯を食べていたら、誰だって失礼だと思うよな。


 うん、そうだ。

 間違ってないぞ。


 とは言え、バルデュックの街は、ミネヤマ領の隣町になる。

 隣町の領主と絶縁するのは得策じゃない。

 サンマルチノさんが上手く間を取り持ってくれる事を期待しよう。


 俺とサラは、商人ギルドで二時間ほど待った。


 今度は立派な貴族馬車が商人ギルドに迎えに来た。

 貴族馬車に乗ってバルデュック男爵邸に再訪問すると、ちゃんと応接室に案内された。


「先ほどは、大変失礼をした……」


「謝罪を受け入れましょう」


 バルデュック男爵は、俯きながらシオシオの態で謝罪して、俺は謝罪を受け入れた。

 まあ、話しは弾まなかったけれど、何かあったら協力し合いましょうと当たり障りのない事を言って辞去したよ。


 帰りの馬車の中で、サンマルチノさんが溜息と共に漏らした言葉が印象に残った。


「先代は賢い方でしたが、当代は……」


 サンマルチノさんに話しを聞いてみると、昨年先代のバルデュック男爵がなくなり、息子が跡を継いだそうだ。

 跡を継いだ息子と言うのが、さっき会った失礼なヤツだ。


 息子バルデュック男爵は、先代の跡を継ぐ前から評判が悪く、なんでも女癖が悪く傲慢でケチ、さらに短慮で、ウンヌンカンヌン。

 つまり領民に嫌われまくっている問題のある領主らしい。


 どうやらバルデュック男爵は、『本当に失礼な人』だったのだ。

 ナチュラル・ボーン・シツレイか。


 お父さんは、立派な男爵様だったのかもしれないけれど、あとを継いだ息子は、ダメダメなパターンだな。

 どこぞのオーナー企業みたいだ。


 社会人あるあるだから、俺は気にしてないけど。

 もう、終わった事だ。


 それより早く家に帰って、サラの胸を揉みたい。

 サラは俺の物だ。

 

 サラに熱い視線を送ると顔を赤くして俯いた。

 よし! 今日も揉もう!

読んでいただいて、ありがとうございます。

まだまだ、続きます。

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