ドクター、国境の街に向かう 18。
翌朝、ドクターは村長との集合場所へ向かった。残りの村人を治療する為だ。治療が必要な残りの村人は十一人だ。
そして残りの、十人は同じ系統の病気だった。足の骨が折れたが、ちゃんと固定して治さなかったので変形してしまっているとか、その腕のバージョンや腰のヘルニアや現在、どこか骨折している等の症状があった患者達だ。
早速、ドクターは一人目の患者の元に向かった。
一人目は、足が折れたのに固定していなく骨がくっついてしまった患者だ。もう骨が変にくっついてしまって治っているので完治するには、再手術するしか無いのだが、それは患者の望む事では無いだろうと判断したドクターは、リハビリの指導を行う事にした。
患者をリハビリしていく中で、走ったり、跳んだりの激しい動きを機敏に出来る様になるまでは、少し厳しいが、日常生活は不便なく送れる様になりますよと患者に話した。
それを聞いた患者は喜びドクターに感謝した。ドクターは、これからもリハビリを続けて行って下さいと声を掛けてリハビリ治療を終えた。
リハビリの治療を終えたドクターは、村人から感謝され次の患者の元に向かった。
次の患者は、腕だった。右腕の橈骨を骨折して固定を施さず骨がくっついてしまったパターンだ。肘から腕を真っ直ぐにした場合には普通百八十度以上曲がるのだが、この患者は六十度ぐらいしか曲がらなかったのだ。
幸い骨は変形等せずに綺麗にくっついていたので、リハビリすればまた、百八十度は曲がる様になる、それを先に患者に伝え、リハビリ治療に入った。
先ずは、腕を温める事から始める。四十度ぐらいのお湯に腕を十分間つけ腕を温める。そこから腕を揉みほぐし硬くなってしまった患部を柔らかくする。この揉みほぐしは、少し痛いだがこれがバロメーターになる。
完治する頃には、痛く無くなるからだ。揉みほぐしが終わればストレッチの様な感じで少しずつ腕を伸ばしていく、これも痛い。リハビリにはやはり苦痛は付き物なのだ、これに耐える為に周りが励まし患者に未来を描ける様に最初にリハビリを続ければこうなりますよと提示して上げるのは有効な手段なのだ。
また、リハビリは効果が直ぐに得られないので諦めたくなるが必ず効果はあるので続けて行く事が大事なのだ。だからこそ周りの人達の、励ましが大事なのだ。
ここで村長から次の患者の催促があった。少し時間をかけ過ぎた様だった。
患者に励ましの言葉をかけ、ドクターは次の患者の所に向かった。
次の患者は現在進行形で足の親指が折れていた。こちらはシーネ固定を施し、松葉杖を渡した。そして村長から巻いて下さいとまた、催促された。巻いて下さいとは業界用語で(急いでください)と、言う意味みたいだ。
オィ! ここは異世界だぞ⁉︎ と突っ込みたくなったが辞めておいた。
次は、小指の骨折した患者だ。こちらも小指の、固定を済ませ、治った後のリハビリ指導も行った。
こうして行く内にあっという間に十人の患者の治療を終えた。
そして最後の患者の所に向かうのだった。




