ドクター、国境の街に向かう 16。
翌朝、ドクターは村人の健康診断を行う準備の為、朝早くから準備にとり掛かっていた。
まずは、身長と体重計を準備し聴力検査室を設置した。それから検尿用のトイレ、採血室、胸部レントゲン室、心電図室、視力検査室、問診室、最後に診察室と健康診断のフルコースだ。
さすがに健康診断なので人間ドックレベルの内視鏡室などは辞めておいたが、健康診断としてはこれで充分だ。さぁ準備万端で朝の九時を迎えた。ドクター健康診断診療所の開院である。
ドクター健康診断診療所を開けるとそこには列が出来ていた。ドクターは、ホッとした。無料といってもぽっと来た旅の医者に身体を見せるなんてと嫌悪感を持ってる人もいると思っていたからだ。
「さぁやるぞ!」
ドクターは気合いを入れて取り掛かった。
健康診断の時間は朝の九時から午前の十二時までが男性、午後の十三時〜十五時迄が女性としていた。
まずは男性から身長、体重、検尿の順に案内した。それが終われば、聴力と視力検査、心電図そして胸部レントゲン写真を撮り採血をし、問診から診察の順番だ。
ドクター健康診断診療所は、ハイテクであった。身長〜胸部レントゲン迄は音声案内付きの自動で行う様になっていた。初めに受付をすれば後は自動でカルテを作成し記録してくれる様になっていた。ちなみに、身長〜胸部レントゲンはAIによる自動診察付きだ。
ドクターは、患者を採血し問診から診察の担当だ。
次々に来る患者を採血し患者の最近の健康状態を問診し診察して行く、その手際の良さは、皆んな感心してしまう程だった。
午後からは、女性の時間だ。男性と同じ様に案内をし、採血、問診、診察と行った。
十五時に全ての患者の健康診断を終えたがドクターはここからも大変だった。患者の採血した血液の検査やAIが一次判定をしてたレントゲン写真や心電図等のチェック、まだまだやる事があった。
健康診断を受けた村人は、これが村人全員の数か分からないが百五十二人だった。そこから緊急性が高いと判断した患者を絞り、素早く治療する必要がある患者を特定するのだから、診断結果は早ければ早いほど良いのだ。
問診や診察の際は、身体が痛いという患者や、耳が聞こえにくいという患者、風邪を引いている患者など色々な患者がいた。
ドクターは、健康診断結果や問診、診察の結果を元に色々な症状の患者を治せるだけ治そうと考えていた。
そうして一人一人丁寧に治療方法や薬の処方をしていたら翌朝になっていた。幸いな事に緊急性の有る患者はいなかった。そこからドクターは、村長に協力をお願いし、治療が必要な患者の所に行き治療する事にした。
百五十人程、健康診断を受けた中に治療を必要としている患者は五十一人いた。約三分の一程の人が治療を必要していたのだ。
この数だと急いで行わないと、一日で終わらないなと思いながら急いで治療に向かうドクターであった。




