ドクターハンター達を治療する。
ドクターは、とりあえずリーダー格っぽい人から診察する事にした。その方が後々に有利に働くと考えたからだ。
「すいません。ちょっと良いですか?」
ドクターは、机に寝ていた大柄なハンターに、声を掛けた。
「うっ、なんだ。俺は、気分が悪いんだ。後にしてくれ!」
ドクターが声を掛けたハンターは、とても機嫌が悪そうだったが、ドクターは怯まずに続けて話した。
「まぁまぁその気分の悪さをやわらげる為に、診察させて下さい」と言ってそのまま強引に診察を始めた。
聴診器を胸に当てたり、触診をして何処か悪い兆候が体内に出てい無いか確認した。
何か二日酔い以外の病気の兆候が無いか探ったが、どうやらただの二日酔いみたいだった。
「うんうん、ただの二日酔いですよ! この薬を飲めば大丈夫です」
ドクターは、二日酔いの薬を医療バックから取り出し、ハンターに飲ませた。
飲ませた薬の効果はバツグンで、ハンターは、見る見ると元気になり、ドクターに話しかけて来た。
「坊やの薬を飲んだら、嘘みたいに元気なったぜ! ありがとさん! お願いが有るんだが、他の奴にも俺が飲んだ薬を、飲ませてやってくれねぇか? 見た通り他の奴もあんな感じ、(二日酔い)なんだ」
ドクターは、返事した。
「良いですよ!」
ドクターは、他のハンター達にも診察を施し薬を処方した。
その手際の良さに、最初助けたハンターや、受付嬢のミーアも、感心していた。
大体二十人ぐらいだろうか? とりあえず全員に、二日酔い薬が行き渡り、ハンター達は元気に、なっていった。
「これでとりあえず、全員ですね! あんまり無茶な、飲み方はダメですよ! 程々にしとくべきだと、思います」と少し説教ぽく話しをしてみた。
それを聞いた大柄のハンターが言った。
「すまねぇ。大の大人達がこんな感じに、なってしまって、村にも迷惑をかけてしまって、いたみたいだ」
「わかって頂けたら良いですよ。お金も結構ですので、では私はこれで」
ドクターは、久しぶりの大人数の治療で、すっかり
気分が良くなり、ハイエールについて聞く事を忘れていた。
帰る際に、受付嬢のミーアが声を掛けた来た。
「ドクターさん! ハンター達の治療ありがとうございます! ドクターさんの、素晴らしい診察に感動しました! お礼と言っては何なんですが、私の仕事終わりに、お食事でもどうですか?」
ミーアはドクターの、医療裁きに感動して、ドクターの話しを、もっと聞きたいと、思っていた。
ドクターの返事は……
「いえいえお気遣い結構ですよ! 私は帰ってから、やる事が有りますので」
ミーアはまたまた机を叩き
「そうですか! では直ぐに帰って下さい!」
と怒ってしまった。
大柄のハンターも、まだ何か言い出そうだったが、ミーアの気迫に押され、言葉を発せなかった。
ドクターは、直ぐにハンターギルドを出て、帰路に着いた。
「ミーアさんには、私の人心掌握術は、効かないなぁ今まではこんな事無かったのになぁ」
ドクターは、なにも気づいて無いみたいだ。