ドクター、焦る。
アンが、超血液逆流症を発症したのは、推定で午前七時だ。死亡に至るまでに約半日とかからないので、治療迄の時間は、厳し目に見積持って、十時間で、時間にして十七時までだ。
タイムリミット迄、後: 十時間
「ムナシ! アンを病院棟に運び、ランに採血してもらい、それをライトの所に持って来てくれ! 私は、ライトの所に行く!」
「はっ!」
ドクターは、ライトの研究室に走り出した!
「ライト! 直ぐにムナシが持ってくる血液の解析を行うぞ! 病名は、超血液逆流症だ!」
ライトは、直ぐにただならぬ気配を感じ取り準備を、始めた。
「ドクター所長。超血液逆流症ですか! これはまた、珍しい病気ですね。で、誰がその病気にかかったのですか?」
「アンだ!」
「へっ⁉︎」
準備が済んだ頃に、ムナシがやって来た。
「ドクター所長! 持って来ました! アン様をお願いします!」
「ムナシ! 任せとけ! ライトやるぞ!」
「はい!」
ドクターとライトは、電子顕微鏡でアンの血液の分析に取りかかった。
ただの血液逆流症は、血液内に逆流を引き起こす細菌がいて、その細菌を取り除く事で症状が治る。超血液逆流症も同様の処置だと、ドクターとライトも、考えていた。
「ライト。何か細菌は、発見出来たか?」
「ドクター所長。まだです!」
二人は、電子顕微鏡を覗きながら会話をし情報交換を行った。
「ライト。血液逆流症だと細菌を、発見し取り除けば良いが、超血液逆流症の場合はどうだと思う?」
「ドクター所長。超血液逆流症の場合も基本は、同じだと考えますが、発症から死に至るまでが早い為、後になって気付く事が殆どで、症例が無く未知ですね」
「そうだな、一応外科的処置も考えて手術の、準備も整えた方が良さそうだな」
「ドクター所長。それが宜しいかと思います」
ドクターは、ムナシに指示しいつでもアンの手術が行える様に段取りを、する事にした。
「ムナシ。話は聞こえてたか?」
「ドクター所長。聞こえておりました」
「宜しく頼む」
「はっ」
「ドクター所長。なかなか発見出来ませんね。血液逆流症の細菌ばかりですね。ただ少しいつもより大きいかなと言う感じです」
「ライト! それかもしれないぞ! 超血液逆流症は、血液逆流症の細菌が大きくなっただけかもしれん!」
ライトは、簡単に細菌の大きさが違う事に気付いたがそれは、凄い事だった。細菌の大きさは、※1a(一アト)しか無いからだ。
※1a(一アト)10のマイナス18乗
「良し! 取り敢えず、アンに既存の血液逆流症の薬を多目に処方しよう」
「ドクター所長。それだけでよろしいのでしょうか?」
「ライトお前もか! それ以外に何があるのだ! 言ってみろ!」
ドクターは、前にも記載した通り対案が無ければ意見は受け付けないのだ。
「すいません。ドクター所長。直ぐにアン様に薬を適用します」
「良し! これで大丈夫だ」
ドクターとライトは、血液逆流症の薬をアンの所に持って行った。
「アン。この薬を飲め、直ぐ良くなる筈だ」
「ドクター所長。もう分析出来たのですか。さすがです」
アンは、ドクターに言われるがまま、薬を飲んだ。
薬には、直ぐに回復する様に即効性があった。
「アン。どうだ?」
「ダメ見たいです。ドクター所長、すいません」
「くそ! なんでだ!」
タイムリミット迄、後:八時間




