ドクター、大変困る。
ドクターとアンは、町長の秘書のナウドに連れられこの街一番の最高級ホテルに着いた。
「ドクター様。アン様。お荷物は、部屋の方に入れて置きますので、レストランで、お食事なさって下さい」
「ナウドさん。何から何までありがとう!」
「いえいえ、これが私の仕事ですので」
「それじゃあ、アン。レストランに行こうか!」
ドクターとアンは、レストランに入った。ドクターと名前を言えば、直ぐに席に案内してくれた。どうやら一番良い席の様だ。
「お飲み物は、どうなさいますか?」
ドクターは、医者なので殆どアルコールは飲まないが、アンはすかさずアルコールを、頼んだ。
「料理に合う、アルコールをお願いしますわ」
「かしこまりました」
「おい。アン。私は、医者だぞアルコールは基本飲まないし、アンはアルコールに弱くなかったか?」
「ドクター所長。わかってます。明日もお休みでしょう、それとも大手術でも予約が入っていましたか? それに、私も連休は十年ぶりですよ! ちょっとくらい良いじゃ無いですか」
「そ、そうだな」
前の世界から数えて、十年ぶりの、連休と言われてドクターは、簡単に折れた。ブラックな病院で、すまんアン。
前菜が運ばれて来た。前菜に合うアルコールと一緒に、ドクターとアンは食べた。
そこから次々と料理とアルコールが運ばれ、ドクターとアンは堪能した。アンは、アルコールに弱いと言う事もあり、もう酔っ払っていた。
ドクターは、普段はアルコールを飲まないが、アルコールには、強かった。昔は弱かったが、医者の嗜みとして、アルコールに強くなる為訓練したからだ。どこまでも、医療にストイックだ。
ドクターとアンは、料理を食べ終え、ホテルに帰る事にした。アンはもう、千鳥足になっていた。
「ドクターしゃま〜 私は、まだまだ飲めまスゥ〜 もう一軒いましょう〜」
こりゃダメだ。
「アン。しっかりしろ! ほらもうフラフラじゃ無いか! ホテルに帰るぞ!」
「えーっ、まだ飲めるのに〜 ドクターしゃまのケチ!」
おいおい、私はこの世界では十五歳だぞ、恥ずかしいじゃ無いか。
「ほら! アン。早く行くぞ」
ドクターとアンは何とかホテルに着いた。ホテルの横のレストランだったので、そんなに遠くは無いのだが十分ぐらいかかった。
「すいません、ドクターと言います。部屋に入りたいのですが、案内お願いします。こちらの隣にいるのは、アンです。こちらの部屋にも案内お願いします」
「かしこまりました。ドクター様とアン様の部屋はこちらになります」
「お願いします。 ほらアン行くぞ、しっかりしろ」
「はぃ〜」
「部屋はこちらになります」
「アン。部屋の前に来たぞ、早く部屋に入れ。私は、違う部屋だからここでサヨナラだぞ」
ホテルの係の者が慌てて言った。
「部屋は、一つでお聞きしておりますが、ご都合が悪かったでしょうか? この部屋は、最高級スイートルームで、このホテルに一つしか無いのです。町長のマト様からの紹介で、ここより下のお部屋にお泊めする事は出来ないのです」
「困ります。違う部屋をお願いします。なぁアン」
「ドクター所長。私は構わないですよ」
へぇ⁉︎
「それでは、ごゆるりと過ごして下さい」
「ちょ、ちょっと待って下さい」
ドクターはアンに引っ張られ部屋に連れて行かれた。
ドクターは、思った。こいつらグルだったな!




