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ドクターとアン街へ行く1。


 ドクターは、朝の六時に病院の入口に向かった。


 そこには、綺麗な格好をしたアンがいた。


「待たせたなアン、行こうか?」


 アンはドクターの服装を見てすぐさま言った。


「ドクター所長。白衣で街まで出掛ける気ですか! この服装に着替えて下さい。そうだとは思って、服を用意しておきました」


「わ、わかった」


 ドクターは、いつもの服装(白衣)で、出掛ける気でいた。ドクターは、白衣やスーツ以外の服を持っていなかったのだ。


 直ぐに、アンの用意した服装に着替えた。若返った十五歳の服装より大人びた綺麗な服装だった。


 無事に、着替え終わりその格好を見たアンは、満足そうな顔をして、ドクターにスケジュールを、説明し出した。


「ドクター所長。今日のスケジュールですが、まずは、ケラーさん宅に寄り、ハンターギルドに向かいます。そこから乗り物に乗り、街に向かいます。よろしいですか?」


「はい」


 ドクターは、何故ケラーの家に行くのか理由は、わからなかったが、アンの言う通りにする事にした。


 アンは、ケラー宅に向かう道中はとても上機嫌だった、前の世界であった、困難な大手術の話やドクターが最高医学賞を受賞した話など自分のことの様に話した。


 そんなこんなで、ケラー宅に着いた。


「ケラーさん、足の具合はどうですか?」


 ドクターは、足の怪我から大分時間が経っており、リハビリも、無事に済んだ話を聞いていたのだが、まだ、悪いのかと思った。


「これはこれは、アンさんわざわざ…… ありがとうございます。足はお陰様で、大丈夫です」


 ケラーは、一瞬ドクターの方を向いて、言葉が詰まった様に見えた。


「ケラーさん、それは良かったです。妹さんのヘーラさんはいらっしゃいますか?」


「ヘーラですか? 居ますが呼んできましょうか?」


「ケラーさん。お願いします」


 ケラーが、妹のヘーラを呼びに行った。程なくしてヘーラが来た。


「アンさん。おはよう…… ございます。ご用事とはなんでしょうか?」


 ヘーラも一瞬ドクターの方を向いて、言葉が詰まった様に見えた。


「ヘーラさん特に用事は無いのですが、ドクター所長と、二人で街に出掛ける途中でしたので、ついでにケラーさん、ヘーラさんの様子を見に来たのです」


 ケラーは、言った。


「そうですか」


 妹の、ヘーラも言った。


「そうですか」


 なんか二人とも元気が無くなっていっている様な気がするな。


 ドクター所長は、気になって聞いて見た。


「ケラー。ヘーラ。なんか元気が無さそうに見えるが、なんか病気か? 良かったら診察するが、どうだ?」


 ケラーとヘーラは二人とも言った。


「結構です」 「結構です」


「そ、そうか。それならば良いのだが」


 ドクターは、今度はケラーとヘーラが怒った様な雰囲気になったので少し困惑した。するとアンが言った。


「ドクター所長。二人もああ言っていますので、先を急ぎましょうか?」


「う、うん」


「それでは、ケラーさん、ヘーラさん。ドクター所長と街に出掛けて来ますね! ではまた」


 アンは、わざとドクター所長と街に出掛ける事をまた、強調して言った。


 これは、アンの作戦だった。ドクター所長と自分が二人で街に出掛ける様な間柄だとアピールする事で、二人からドクターを遠ざけようとしていた。なんせ、ドクターは医療にしか興味が無く買い物等は二人がどんなに誘っていても断っていたからだ。


 ドクターとアンがハンターギルドに向かい見えなくなったと同時に、ケラーとヘーラは叫んだ!


「あの、アマ〜」 「あの、アマ〜」


 アンは、次はハンターギルドの受付嬢のミーアに標的を移した。


 ケラー宅を出てからハンターギルドに着くまでのアンは、またまた上機嫌だった。作戦が成功したからだろう。アンは、ドクターの学会での話や、ゴルフをした時、バーディパットをわざと外した話し等をしてハンターギルドに向かった。


 無事にハンターギルドに着いた。確か街に行く乗り物はこっちだったはずだが、アンはハンターギルドの受付嬢ミーアの所に向かった。


「ミーアさん。おはようございます。街へ行く乗り物はこっちかしら」


「アンさん…… おはようございます。街へ行く乗り物は、そこを曲がって左に行き、突き当たりを右に真っ直ぐです」


 ミーアも、ドクターを見て、一瞬言葉が詰まった様に見えた。


 ドクターは、ミーアが元気無さそうに見えたので、聞いて見た。


「ミーア。少し顔色が悪い様だから、診察してみようか?」


 ミーアは言った。


「結構です」


「そ、そうか」


「ドクター所長。無理に診察しては患者さんが可愛そうです。乗り物の乗る時間が迫ってますので、先を急ぎましょうか!」


「う、うん」


「それでは、ミーアさん、街にでも行ってお土産買って来ますわね」


 ミーアもまた、ご飯に何回誘っても来てくれない医療バカのドクターが、街へ買い物に行くなんてと、思っていた。


 ドクターとアンは、街へ行く乗り物に向かって見えなくなったと同時に、ミーアは叫んだ!


「あの、アマ〜」


 次回は、ドクターとアン街へ行く2。乞うご期待!


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