ドクターとアン問題に対峙する 3。
んっ? ここはどこだ? ハンター達に捕まって、ハンターギルドに連れて行かれ、逃げようとした所までは、覚えているんだが、そこから記憶が無いな。
んっ、なんか会話の声が、聞こえて来る。
「アン。そろそろ目が覚める頃かな?」
「ドクター所長。ムナシの眠らせた薬品から考えてもそろそろだと思います」
俺は、眠らされたのか! 魔族の端くれの俺も人間如きに眠らされるとは、落ちたものだな。
これから色々と何か聞いて来そうだな、一言も喋らないぞ。
人間如きの拷問など魔族に比べれば大した事無いと聞くしな。
程なくして、扉が開いた。
扉が開いた先には、人間の男女二人が立っていた。
男の方は若く見える、女の方は三十歳ぐらいか?
どちらにせよ、一言も喋らず隙あらば、逃げるつもりだ!
「おっ! 起きてるな! 魔族さん、先ずは名前を教えて下さい」
男の方が聞いて来たが、俺は喋らない。
「魔族! ドクター所長が、聞いているのです! 返事ぐらいしたらどうです!」
女の方が、怒鳴って来たが、俺は喋らない。それにしても、男の方はここの所長か!
「アン。喋りそうに無いな。あれを使うか!」
「この者には、それが宜しいかと思います」
何を使う気か知らないが、何を使われても喋らない自信がある! 今まで相手に捕まっても、何も喋らず逃げて来たのだ!
「ムナシ頼む!」
「はっ!」
ムナシは、魔族に自白剤を嗅がせた。
なんだこの気体は! こんな物俺には効かん!
「魔族さん。名前を聞いても良いですか?」
「私の名前は、下級魔族のドマーニです」
喋ってしまったぁ〜 なんだこの気体は!
「では、ドマーニさん。何の為に、村に来ましたか?」
「はい! ハイエールを広める為です」
勝手に喋ってしまぅ〜
「では、何の為にハイエールを広めようとしたのですか?」
「はい! ハイエールを広めハンター達をクエストに行けなくする為です」
もう無理〜
「わかりました」
えっ。もう終わりもっと喋りたい〜
「何故ハイエールを、広めてハンター達をクエストに行けなくしてたのかと言いますと……」
魔族のドマーニは、そこから次々と魔族の目論見について話し出した。
ドクターが、自白剤の効き目に少し驚いて言った。
「ドクター病院製の自白剤は強力だな、聞いてない事まで喋ってくれるな」
魔族のドマーニの話を要約すると、
一.ハンター達の活動を少なくする為に、ハイエールを村に広めた事。
二.ハンターに接触したのは、ハイエールが広まっているのに、ハンターの活動が活発になったので中級魔族から、様子を探る様に指令を受けた事。
三.この村は、まだハイエールの実験段階で、このハイエールの実験が成功すれば、もっと大きな街や国で広めようとしていた事。
四.ハンターの活動が少なくなれば、徐々に勢力を拡大しようと魔族側が目論んでいる事。
五.魔族側は、慎重派が多くいきなり勢力を拡大しようとは、考えていない事。
上記の五点が実の有る話で後は、好きな魔族のアイドルは誰とか、ハンターギルドの受付嬢がかわいいとかの話だった。
ともあれこの魔族の処遇を含めこの話しを、早くハンターギルドや村長に伝える事にするか。
「アン! ついて来てくれ!」
「わかりました。ドクター所長」




