ドクターとアン、村長に会う。
アンと合流と言っても、前の世界にいる時から、待ち合わせ場所は、何時も決めていない。
待ち合わせ場所を決めなくても、こちらの用事が終わる頃には、直ぐに現れるからだ。
ドクターは、なんか怖いなぁ〜 GPSでも付けられているのかなぁ〜 と思いながらも日々過ごしているのだ。
「ドクター所長。お待たせしました」
さすが、アン! 寸分の狂いも無く現れるな。
「アン。丁度こっちの用事も、終わった所だったから丁度良かったよ! さぁ村長の所にいこうか!」
「了解しました。ところで、行く場所は、分かっているのですか?」
「アンに着いて行けば、大丈夫だろ?」
この人は、何時もこうなんだからと、アンは苦笑いしながら言った。
「ドクター所長。流石です。さぁ、行きましょうか」
村長の家は、村の外れにポツンと建っていた。
こんな所に、村長の家が有るなんて、誰も思わない様な所に建っていた。
よくここが村長の家だと分かったな。
アンに少し聞いてみるか?
「アン。良くここが村長の家だと、分かったな? 誰かに聞いたのか?」
「ドクター所長。簡単な事です、ケラーさんに、村長の家の場所を聞き、行き方が少しわかりにくいからと、地図を描いてもらっただけです」
「そ、そうか。そうだよな」
「ドクター所長も、ハンターギルドで村長の家を、聞く事も出来たのですが、その件については、どうお考えですか?」
「す、すいません」
ドクターは、今日は特にアンの態度が、トゲトゲしく感じていたが、理由はわからなかった。
「さぁ、ドクター所長。村長の所に行きましょう」
村長宅に着くと、白髪の初老ぐらいに感じる、亜人の方が出てきた。
「初めまして、私は、ここの村の村長をしています、グリドです」
ドクターと、アンも挨拶をした。
「初めまして、私はドクターと言います。そして隣にいるのは、アンです。宜しくお願いします」
「貴方がドクターさんですか、娘のミーアから色々聞いております」
ここの村の村長は、ハンターギルド受付嬢のミーアの父だったのだ。
流石に村の世間は狭いな。
ドクターは、時間を取らせるのもと思い、手短に内容を話した。
先ずは、これから先に起こる可能性が、高い出来事を話し、それには村の協力と、ハンターギルドの協力が必要な事を話した。
「グリド村長、ご協力願えますでしょうか?」
グリドは、先にハンターギルドからの連絡で、この話が来る事を知っていて、協力しようと考えていたが、ドクターと言う人物を見てから決めようと、思っていた。
グリドは、話の内容に感心しつつ、また、娘の言っていた通り、優秀な人だと感じた。
隣にいるアンと言う女性も、とても優秀そうに見える。
よし! 決めた!
「ドクターさん、その話協力いたします。こちらとしても、ありがたいお話しです」
「グリド村長。ありがとうございます!」
ドクターとアンは、無事に協力を得る事が出来て、
ホッとした。
「アン! 後は、待つだけだな!」
「そうですね。ドクター所長」




