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「なるほど。

失敗ですね。」


キャロルは魔力を止め新しい羊皮紙に先程の魔法陣を改変しながら書いていく。


レオンも鼻をぐしゅぐしゅ言わせながら紙を覗いた。


レオンの髪には小さい氷柱が出来ている。


書き終えた魔法陣を置きまた魔力を流し込んだ。


「あっ暖か…今度は暑いなおい…。」


部屋がサウナに早変わりである。


レオンはベストを脱ぎ首元のボタンを外す。


あちーと言いながら書類で顔を扇いだ。


微弱な熱風しか来ないが。


「やっぱり失敗ですね。」


キャロルも滴り落ちてくる汗をタオルで拭いながらまた新しい羊皮紙を引っ張り出す。


繰り返す事14回。


「あーやべー涼しー…。」


レオンが床に寝転がって至福のひとときを味わっていた。


キャロルもほぅ…と息を付きながら紅茶を飲む。


『えあこんでぃしょなー』からは心地良い冷風が出ている。


「後は鉄板に陣を彫り込む必要があるんですが…明日にしましょう。」


「そうだなー。

俺も残りの書類にそろそろ取り掛からなきゃ不味いし。」


「私シャワー浴びて来ますがレオンどうします?

寝巻き用の大きいシャツならレオンも着られると思いますし、今から洗って干せば帰る頃には乾くと思いますが。」


「あっまじで?

俺もじゃあキャロルの後シャワー浴びさせてー。」


その言葉にキャビネットを開けてシャツとダボッとしたズボンを取り出しレオンに渡す。


キャロルも自分の着替えを取り出すとバスルームに向かった。


「あー明日は着替えも運ぶか。」


レオンが1人本棚の横の何も無いスペースを見て呟いている。


また何か持ち込む気なんだろう。


構わずキャロルはバスルームに入りシャワーを浴びる事にした。


とりあえず今は汗でベタつく肌が気持ち悪い。


ガシガシと頭を洗う。


キャロルが魔法陣を組み込んだ為シャワーからはきちんとお湯も出る。


古い塔にはありえない設備は密かにキャロルの自慢だ。


髪を軽く拭き首にタオルをかけてバスルームから出る。


入れ替わりにレオンがバスルームに入った。


レオンのあーさっぱりーという声がバスルームから聞こえる。


デカい1人言だ。


「キャロルありがとなー。

これどこに干しておいたら良い?」


「あっ貸して下さい。」


バスルームで洗ったらしい洗濯物を窓の外に干してやる。


パンツは少し悩んだが室内に干してやった。


辺鄙な場所にあるとは言えもし見られたら恥ずかしいだろう。

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