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変人令嬢の噂

「へーあのワインスト嬢を気に入るとはねえ。」


あれから夜が明けキャロルが一段落したからと一層濃くなった隈を携え爽やかな朝焼けとの見事なコントラストを描きながら帰った後、仮眠から目を覚ましたルシウスに見合い者一覧を見たレオンがニヤニヤしながら言った。


「まあまだ確定じゃないけどね。

あの釣り書じゃ全く分からないから調査してからになるけど。」


「そりゃあそうだが正直今回の見合いはもうダメだと思ってたからな。

そこへきてまさかの幻影の塔の魔女を選ぶとは。」


そう言って爆笑するレオン。


「その幻影の塔の魔女って昨日も言ってたね。

どういう意味なんだい?」


「は?殿下まさかワインスト嬢の事しらねえの?」


そう言われてもルシウスは苦笑いを浮かべる事しか出来ない。


正直興味がなくて貴族名鑑に書いてある事以外噂等全く知らないのだ。


思い返してみてもワインスト家については侯爵家であり特産品や領地以外3人子息がいて3番目が唯一の女児である事位しか分からない。


恐らくその女児がキャロルだろうと予想はつくが幻影の塔の魔女と呼ばれている理由等知るよしもない。


「あのワインスト嬢を知らないとはねえ。」


「なんだい?

そんなに有名なのか?」


レオンがニヤリとしながら口を開く。


「まあな。

有名も有名だ。」


聞きたいか?と勿体ぶるレオンに教えてくれと続きを促す。


「まず幼少期、魔力暴走を起こし教会に特大の魔封じの腕輪を付けられる。」


「…は?」


特大の魔封じは王族である自分も付けていたが侯爵家でそんな物を付けられる等聞いた事がない。


この国では王族が魔力量がずば抜けて多く王家の証とさえ言われているのだ。


そしてその血筋を受け継いでいる公爵家等は稀に魔力量の多い者が生まれたりするがそれでも王家に比べれば雲泥の差がある。


なのにそんな王家の魔力量を抑える為だけに作られている特大の魔封じを付けられるという事は王家に匹敵する魔力量を持っている事を意味していた。


「…嘘だろう。」


「いや、ここで驚いてちゃダメだ。

詳しい事は分からないが魔封じを付けられて1年程で親元を離れてワインスト嬢は魔道具開発部に預けられたんだ。

んで魔力量はあるし頭も良いから実力だけなら筆頭魔術師になれる。

実際毎年推薦されてるしな。」


「…凄い令嬢だね。

でもどうして何度も推薦されてるなら筆頭魔術師になってないんだい?」

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