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手元の防具にインクを流し込み終わりふぅと息を吐く。


まだ3分の1も終わっていない。


左手に置かれたリアムが彫ってくれた防具をまた手に取る。




「へ?」


突然体が浮いた。


「久しぶりだなキャロル。」


「…お久しぶりです。」


首をひねって後ろを見ると漆黒の髪と透き通る様な翠色をした目の男がキャロルを持ち上げて笑っていた。


「えっとキャロル嬢そちらは…?」


「真ん中の兄です。」


言われて見れば確かに漆黒の髪や顔立ちもどことなく似ている気がする。


「お初お目にかかります。

ワインスト家次男クリス・ワインストです。

この度は妹が婚約者候補に選ばれたと聞き馳せ参じた次第でございます。」


そう言ってクリスは人当たりの良い笑みを浮かべる。


「…本当に兄妹なのか?」


「なんで疑うんですか。」


「だってキャロルの兄ちゃんがこんなににこやかなわけないだろ。」


レオンが失礼な事を言っているが無視するに限る。


「小兄様、今日は何か用事ですか?」


「用事ってお前なあ。

婚約者候補の顔合わせがあるって言うから保護者として来てやったんだろ?

まっ元気でやってるかも気になったからな。」


そう言ってキャロルの頭をぐしゃぐしゃと掻き回す。


「あっありがとうございます。」


「そう思うならたまには手紙位返しなさい。

…心配してんだから、な?」


昔からこの兄は自分に甘い。


「というかいい加減聞いてもいいか?」


「なんですか?」


「こんな所で何で茶会じゃなくて工場開いてんだ?

新しい流行り?」


しかも側近の方々まで…とクリスは首を傾げた。


「…納期が今日までなんです。」


「あーなるほどな。

じゃあお兄ちゃんも適当に挨拶したら手伝ってやるよ。

そこの並べてある奴まだインク浸透させてないんだろ?」


そう言って後ろに並べて乾かしてある防具を指差す。


キャロルが頷くとクリスは挨拶を終わらせに行ってしまった。


「…あーキャロル、似てないって言ったの取り消すわ。」


「え?」


「確かに普通この光景を見たら怒るだろうからな。

さすがキャロル嬢の兄上だ。」


リアムに苦笑いされるが何なんだろう。


褒められていない事は確かだ。


「ワインスト家ってやっぱり皆変人なのか?」


レオンが失礼すぎる質問をしてくるがキャロルは無視してまた防具に向き直った。

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