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レオンとぎゃいぎゃい騒ぎながら教室へ向かう。


ルシウスは代表の挨拶の件で用事があると職員室へ行ってしまったし、アグネス嬢も講堂へ行ってしまった。


アンジェリカは知り合いの令嬢がいたからとそちらへ行ってしまったのだ。


キャロルよりもアンジェリカの方が社交性があるらしい。


結果としてレオンと2人になってしまったのだ。


悲しくなどない。


教室に入ると席は決まっていないのか皆適当な場所に陣取っていた。


キャロルは窓際の1番最後尾の机にカバンを置く。


ベスポジだ。


この間読んだ小説にこの場所が当たり席と書いてあったのだ。


キャロルは望み通りの席を手に入れ満足げに鼻を鳴らす。


レオンもキョロキョロと周りを見渡しながらキャロルの隣にカバンを置いた。


「…てかさキャロル。

俺達なんかやたらチラ見されてねえか?」


「されてますね。

次期宰相が気になるんじゃないですか?」


「いや、噂の奇人令嬢に怯えてる気もするぞ。」


そう言いながらレオンは椅子に腰掛ける。


「まっ多分俺とキャロルがいるなら殿下が来るはずだからってのが1番有力だけど。」


「あっなるほど。

私達殿下の付属品扱いなんですね。

失礼な話です。」


「俺に関しては側近だし間違ってねえからな。

仕方ねえよ。」


レオンが少しだけ寂しそうに笑う。


小さい頃からこれが当たり前だったのだろうか。


自分ではなくその向こうにいるルシウスにしか誰も興味を示さない事がレオンにとっての常識なのかもしれない。


「…レオンってバカだけどほんと良い奴ですよね。」


「バカだけどって何だよ。

てか突然だなお前。」


こんな弄れてもおかしくない環境でよくぞ真っ直ぐ育った物だとキャロルは関心してしまう。


レオンでなければルシウスに強烈な劣等感を抱いたとしてもおかしくない。


こいつはきっと根っからの良い奴なのだ。


キャロルがそんな事を考えていると背中に衝撃が走る。


「ふぉっ??」


「キャロルさんいたー!

探したんだよ!!」


振り向くと黒いブレザーを着た彩花嬢が背中に抱き着いていた。


普通に痛いしビビる。


今日も今日とて元気そうなのは何よりである。


「あぁ…おはようございます。」


「おはよう!

キャロルさんAクラスなんだ!

あたしCクラスだったよー。

座学がダメすぎちゃったあ。」


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