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窓の外の景色も夜の帳が降りて見えなくなった頃、夕食が運ばれてきた。


…自分が予約していたコースよりやっぱり豪華過ぎるがもう気にするのはやめた。


「へえ、ワインスト嬢って意外と綺麗に食べるんだな。

塔に1人で住んでんだろ?

マナーとかどうやって覚えたんだ?」


「…魔道具開発なんてやってるとちょくちょく開発者が集まる学会や発表会に駆り出されるので、本と実地で覚えました。」


「あーなるほどな。」


キャロルはまだ社交デビューもしていないので不思議だったのだろう。


「てっきり御両親がスパルタだったのかと思ったわ。」


「へ?」


「だってワインスト嬢って3歳からあの塔住んでるんだろ?

3歳までにワインスト侯爵がスパルタで教え込んだのかと思ってさ。」


「…違いますよ。」


そう言ってレオンとの話を切り上げようとするキャロルをルシウスが見詰める。


その視線が居心地悪かったが無視してキャロルは食事を続けた。


「まぁそれだけ出来ればマナーの訓練は大丈夫だね。


「訓練ですか?」


「そうだよ。

来週からは王妃教育も始まるからね。

でもワインスト嬢に必要な教育範囲が分からなくて迷ってたんだよ。」


1つ減って良かったねとルシウスは笑うがキャロルは死んだ目でその顔を見る。


「…本当に候補にする気なんですか?」


「する気と言うかもうなってるから安心してね。」


何を安心しろと言うのか。


「まぁ多分だけど学問に関してはテストを受ければ免除されるだろうから後は人との対応とダンス位だね。」


「はぁ…。」


「正直魔道具開発部の仕事との兼ね合いもあるからマナーの授業時間をどう取ろうか心配していたんだよ?

でもコミュニケーション能力に関しては私達や他の候補者達と交流していけば何とかなるだろうし。

ダンスも一緒に頑張ろうねワインスト嬢。」


「…辞退したいんですが。」


「もう王命で発表されてるから無理だね。」


ジト目でルシウスを見るがルシウスの笑みは崩れない。


こいつは正気か?


相手が王族でなければ確実に声に出していただろう。


「帰ったら他の候補者とも会えるし…友達になれるといいね。」


「…いや別に。」


「そう?

まぁ私とだけ交流してくれても全然構わないけど。」


「それもお断りします。」


わがまま言わないのと言われるが別に我儘ではないだろう。

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