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「…まぁそしてですね、静流の遺跡にはブロンズランクからでないと入れないらしいのでこの休暇の間で一気にブロンズまで上げておこうという作戦です。」


「そんなに一気に上げられる物なのかい?

休暇って言っても1週間だろう。

その内移動時間を抜いたら森に入れるのは4日が限界だよ?」


「大丈夫ですよ殿下。

その為の西の森なんでしょう。

あの森には魔獣が多いから必然的にギルドへの依頼も多いですから頑張れば4日の最短日数でブロンズまで行けるはずです。

それに正直ブロンズからシルバーに上がるのはかなり難しいですし試験を受けなければなりませんが、ストーンからアイアン、ブロンズまでは試験なしで依頼をこなした得点だけで上がれますし。

…まあ本気でやらないとかなり厳しいのは事実ですが。」


リアムに説明されなるほどとルシウスは頷く。


キャロルも頷いて肯定を示した。


「つかリアムすげえ詳しいのな。」


「昔騎士団に入る前に登録したからな。

騎士団の入団テストまでに訓練がてら依頼をこなしてたんだ。」


「へー、因みにランクは?」


「一応シルバーだな。

12歳で騎士団に入ったからそれからはランク上げしていない。」


…12歳でシルバーというのは結構凄いんじゃないだろうか。


分からないが。


「じゃあ殿下、俺達もワインスト嬢と一緒に登録しようぜ。

ついでにブロンズまで上げちまおう!」


「そうだね、頑張ってみようか?」


「…殿下ならきっと余裕ですよ。」


リアムが苦笑いで答える。


「あの、殿下って戦えるんですか?」


見た目天使のこの人間が剣など全く似合わない。


自然と疑問に思って聞いたキャロルにリアムが苦笑混じりに答えた。


「ワインスト嬢、殿下は今年の騎士総当たり戦の優勝者なんだ。」


「…はぁ?」


「簡単に言うと今現在騎士団の中で一番強いって事だ。

それに第1騎士団の団長は殿下だからな。」


…この見た目天使は戦闘狂だったらしい。


外見詐欺甚だしいではないか。


キャロルの疑いまくりの目を見てルシウスは困ったように笑う。


「私は王族で他より魔力量が多いからね。

戦闘では割と有利なだけだよ?

だから戦闘狂とかではないけどたまたま勝てただけだからね。」


「騙されるなよワインスト嬢。

殿下の戦い方見たら天使の皮被っただけの魔王だって思うから。

かなりエグいぞ。」

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