第一回最強チート決定戦
必要なのは、知識と知恵と見識と常識と幸運
神々の世界。
ある目的を持って集まった彼等は、総数百柱。
「いよいよじゃな」
「準備は宜しいか?」
口々に肯定の声が上がる。
「それでは、只今より、『第一回最強チート決定戦』を行う」
最強チート決定戦とは、彼等が各自選んだ人間にチートを与え、その人間達を戦わせて最強を決めるイベントである。
勿論、戦闘系ではない神も居る為、戦闘部門と生産部門に分かれている。戦闘部門は、もしかしたら、殺し合いや一方的な殺戮もあるだろう。
それも、最強を決める為ならば、致し方無い。
今回、選ばれた人間の条件は、『日本人』・『15歳以上40歳未満』だった。
『No.002 行者ニンニクとスズランを間違えて食べ、死亡』
『No.015、No.022 セリとドクセリを間違えて食べ、共に死亡』
『No.062 フキノトウとハシリドコロを間違えて食べ、吐瀉物により窒息死』
『No.031 焚火の際に漆の木を燃やし、煙を吸い呼吸困難で死亡』
『No.018 マンチニールの実をリンゴと間違えて食べ、死亡』
『No.019 キョウチクトウの枝で串焼きを作って食べ、吐瀉物により窒息死』
『No.001 地球の物より毒性が強いジャガイモを皮付きで現地人に食べさせ、死者が出た為に罪悪感から自殺』
『No.040 海水浴の際アカエイに刺され、アナフィラキシーショックにより死亡』
『No.036 イモガイを拾って刺され、死亡』
『No.050 スベスベマンジュウガニを食べ、死亡』
『No.005 ドクツルタケを食べ、死亡』
『No.099 ニガクリタケを食べ、死亡』
『No.087 ニセクロハツを食べ、死亡』
『No.056 コレラタケを食べ、死亡』
『No.023 知っているフグと毒の位置が違う良く似たフグを食べ、死亡』
『No.073 夜の山道で足を滑らせ、滑落死』
『No.045、No.058 殺人犯が経営する宿で、寝ている所を刺殺された』
『No.097 強姦された挙句に絞殺された』
『No.066 騙されて犯罪の片棒を担がせられ、絞首刑に処された』
『No.004 チートを危険視され、暗殺された』
『No.016 王族の不興を買い、処刑された』
『No.024 高所から飛び降り、着地に失敗して、死亡』
『No.051 貴族の護衛を請け負うも護りきれずに死なせ、処刑された』
(後略)
こうして、100人中85名が、他のチート保持者と戦う前に死亡してしまった。
「納得がいかない」
戦闘部門で優勝した人物にチートを与えた神が呟く。
「次は、全員に『毒耐性』も与えるべきか?」
「鑑定で良いと思うわ」
「異議無し」
「それでは、以上を持ち、『第一回最強チート決定戦を終了』とする。解散!」