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地獄のようなこの世界で  作者: マーカー管理者
第1章 喪失
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【第2話】神は死んだ

神は死んだ


どっかの有名な哲学者が言っていたようないなかったような言葉が浮かぶ



「なに?全世界多発的神殺し?映画の宣伝でもやってのか?いやでも宣伝にしてもそんなにいろんな所の名前出しちゃったらやばいんじゃねーの」



「いえ宣伝ではありませんよ 全て事実

現実で起こっている事件です

この事件…… えーと1回目の神殺し事件発生直後から全世界で印を持つ記憶喪失者が現れているんです」



あっさりと楽観的な予想を打ち砕く

そして 即答

この婦警ドSじゃないのか?と本格的に脳が危険信号を発する



「……ん?印?」



引っかかる言葉が出てくる

そんな物に心当たりがない



「えあっと 印 とは右手の甲の上に浮かんでいる 時計の事なんです 私も見たのは初めてで、全世界で 時計の印を持つ者 なんでも <マーカー>って呼ばれてるらしいんです 他人からは普通に浮かんで見えるんですが意識を集中すればご自身でも見えるらしいですよ?」



恐る恐る右手の甲を凝視する

ああ確かに浮かんでいる 透明で後ろが透けて見えるが銀色のどこにでもありそうな何の装飾もないただの懐中時計だ ただ1点右手の甲の少し上を浮いて透けてなければだが、



「見えます?」



車を走らせながら婦警が声をかけてくる



「ああ はい 見えます だけど何ですかこれ?短針しかない上に数字の所に小さく文字が書いてあるんですが…」



「ドイツ語で数字が書いてある筈です 因みにその短針 何時を指してます?」



「4時ですかね vier ビェラ?」



どうやらドイツ語は壊滅的に駄目らしい

何処の誰がこんな意味のわからない悪ふざけをしているのかは知らないがせめて分かるように書いてほしい



「フィーアですね 4番の印を持つ者ですか」



(読めるかアホ)

数字の4でいいだろうが と内心愚痴を吐きながらも再び懐中時計を凝視



「この時計短針だけだし動いてるんですか?」



「いえ動いてません アメリカで確認されたマーカーを24時間監視し続けたらしいですが短針は動かなかったそうです 今現在も監視下にありますが動いたという報告は無いですね まあテレビの情報ですが」



「随分とオープンなんですね」



「隠しておく必要がないってのが本音ですね 第1の神殺し事件後 世界中でラッパが鳴ったんです 頭の中に直接響く感じですかね その後に声が聞こえたんです



<<我々は神を滅ぼし者 そしてこの世界を浄化する者 印を持つ人間達よ 生まれるのだ今こそ我々がこの世界の頂きに立つ時人類の終焉を導きし印を持つ者達よ>>



って その後にまるで昔を思い出すみたいに頭に直接映像が流れてきたんです 凄く断片的だったんですが 右手の甲の上に懐中時計が浮いてて時計の短針が回っている映像で 何故かは分かりませんがそれが 印なんだって理解しました それが世界中の人に起こったんです それからマーカーが発見される度に頭の中でラッパが響くんです」




選ばれた?いや訳分からん

そもそも自分自身の事すら思い出せないんだ だというのにそんなトンデモ話を聞かされても理解できない 後で書面で欲しいものだ



「えっとそのマーカー?とかいうのが自分の事で それに選ばれた人はその神殺しの関係者的な感じですか?」



「関係者というとあれですが 何らかの形で巻き込まれていると考えています 何しろまだ貴方を含めて世界で6人しか確認出来ていないので情報が少なくて……」



世界で6人 なんだか少し特別な気分だ

選ばれる うん人間は選ばれる事にとても喜びを感じる


パトカーの外を見つめながら考える

世界に70億 窓の外を歩いている人間達ではなく自分が選ばれた 素直に嬉しい



「それでそのマーカーをよく知っている人達の所 今向かってる場所って何処なんですか?」



「もう直ぐ着くんだけどね 陸上自衛隊の

基地だよ なんでもその地下にマーカーの保護施設があるって話 流石に基地内は入れないからねっと そろそろだよ」



パトカーが左折すると前方に高さ5mはあるであろうコンクリートの壁に囲まれ

入口には大きな門 まるで一昔前の城のような異様な建造物が目に入る



門に近づくにつれ運転がゆっくりとなり

警備と思わしき門番にマーカーを連れてきた事を伝えるとすんなりと門は開かれ



ピギィ







ん?ガラスが割る音が聞こえる

ふと前の婦警に目をやる




べヂャ




べヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャべヂャ




婦警の頭が割れていた

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