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高校一年生  作者: つちぐり
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入学式の日(前編)

このたび私はついに?連載小説を始めました。

内容は拙いものかもしれませんが、ゆるーい気持ちで読んでいただけると幸いです。

 最近自分はよく過去に思いを馳せる、特に青春時代とりわけ高校一年のころが多い。人生で一番豪快でそれでいて繊細な時期だったからか、いまでも昨日のことのように覚えている。

 こうして自分も年を取ったからわかる、きっとあのときこそ至高だったと、もう少し大事にしておけばよかったなぁ。

 少々感傷に浸りたい気分だ、せっかくだし誰に見せるでもないがこのノートにあのときの思い出を書いてみよう、いつか誰かが読むのを想像するのも楽しそうだ。

 さて何から書いたものやら、、、   


 今から俺の高校の入学式だ、といっても私立の中高一貫校だし(珍しいことに)高校からの受け付けもない。

 下駄箱の前に今年のクラス分けが出されるが、さて俺のクラスは何組だろうか、えっと、あぁ1組か何人かの知り合いもいることだし、とりあえずはずれではないだろう。

 足早に高校の校舎である東棟の階段を上り、自分の教室へ向かった。特に感慨はなかったつもりだが、これから一年過ごすクラスだと考えると、やはりドアを開ける手にも力が入った。

 勢いよくドアを開ける、開け放たれた窓からちょっとだけ残った桜の花の空気を吸った、未来の匂いがした。 

 入学式は春の陽気と厳かな雰囲気の中、大講堂でつつがなく行われた。ただ一つ主役のはずの一年生たちの多くが意識が不明だったり、上の空だったりまぁ春の陽気所為であるが。

 式が終わると教室に戻り先生から挨拶があった。先生はベテランで生徒たちからの信頼も厚い、優しくも頼りがいのありそうな人だ。先生は一通り自己紹介した後いきなり、

 「じゃあせっかくだから、おまえらも一人づつ前でて自己紹介してくれ」なんて言い出した。

 言い忘れていたがこの学校なかなか伝統校で、一学年五クラス一クラス四十人それが中高合わせて六学年といった、なかなかの大所帯だ。しかし残念ながら全員男なのだ、女子の一人ぐらいいれば話も変わっただろうに。話を戻すがその所為もあって三年共にした中のやつらでも名前すら憶えてない、もしくは聞いたことのないやつはいる。まぁだからこその自己紹介なのだろうが。

 いきなりで少し焦ったがあいにく俺は高村性で名簿では真ん中あたりだから、特に心配しなくてもいい、のだが。教室を見渡すと相川や池田なんかは悲痛な声にならない叫びをあげているし、かといって渡辺なんかもやはりトリは緊張するようで、つくづく親に感謝した。

 自己紹介は所属クラブ(中学からの引き継ぎがほとんど)や好きな芸能人、はたまた将来の夢に至るまで多岐にわたった。前のほうのやつらは惨憺たる内容だったが、みなおおむね普通の回答をしていた。まぁ何人かは小声だったり滑舌が悪かったりで聞き取れなかったが。

 しかし俺の一人前で事件は起こった、出席番号二十三番杉谷 誠

 直接の面識はなかったが、ひょうきんな奴という話は聞いていた。実際そいつが教壇に立つと何人かがおおっ、なんて盛り上げていた。気をよくしたのかペラペラしゃべりだしたが、これがまたよくしゃべる。話はまぁまぁ盛り上がった、先生がそろそろ終われと目で合図を出していた、それを察した杉谷はまとめにかかったのだがその時誰かが、

 「なんか一発ギャグやれ」

 なんて無茶苦茶なふりをしやがった、これにはさすがの杉谷もまいったらしくちょっと悩んだ後、

 「俺よりもっと面白いやつを言える奴がいるから、そいつがやってくれるよ」

 なんて言い出した、意外な展開に驚きながら、内心わくわくした。自分でも杉谷の話は面白いと思っていたから、友達になろうと考えていたから。誰を選ぶのか気になっていた、すると予想外な回答が返ってきた。

 「なっ、高村」

 なるほどどうやら選ばれたのは高村とかいう奴らしい、つくづく不運なやつだ。入学式初日から高校生活誌に残る黒歴史を作るのだから。ふつういきなりギャグなんか出ないだろう。もし自分が選ばれたら、そりゃもう平常心でいるのは無理だろう。

 しかし高村とは誰だろうか、そんな知り合いはいない、学年にもいたかどうか、それより同じクラスに二人も高村、、、

 ―――おぉぉぉぉっと!?理解するのに時間がかかったが、どうやら選ばれたのは自分らしい。

 誰か心当たりあるから自信たっぷりかと思ったが、丸投げされた。

 わかった杉谷、これはお前からの挑戦状だな。お前に俺の実力を見せてみろというのだな。

 ならば俺がここで爆笑を取ればいいまでだ、あいにくギャグはないが、俺には物まねがある。我が家での評判も一番、祖父のお墨付きのとっておきを見せてやる。

 ―――結果的に言えば惨敗だった、いやもうそれはひどかった。滑ると空気は本当に凍るものだと学んだ。そもそもクラスのみんなに、あったこともない祖父の物まねが理解できるはずもなかった。

 数人が下を向いて笑いを抑えていたが滑った俺を笑っていた。俺は何事もなかったかのように自己紹介を終えたが、皆のひきつった笑いを俺は今でも覚えている。終わった後杉谷は俺に済まないといった目を向けていたが、殴ってやろうかと思った。結局恥ずかしくて、自分より後のやつはあまり覚えていない。

 これが自己紹介の思い出だ。


 ここまで書いたが、時計を見ると針は三時を指そうとしていた。今日はいったん寝よう。続きはまた今度だ。

 俺はノートに続くと書いてペンを置き電気スタンドを消した。

 


続く

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

今回書いた学園ものですが一部実体験が元です、ノンフィクションを基にしたフィクションというやつです。

それより自分でもセリフ回しが多い気がしました、前作と比べて文字数もはるかに多いですしね。

イメージは海外のコメディードラマ風ですかね。

あまりに長くなりそうだったので、分けました。

しかしうまい引きというやつをかけない私は苦労しました、ほかの作家さんを尊敬します。

後編ですがぼちぼちあげます、イメージはまとまってますから。

最後に初めての連載ですが完走目指して頑張ります。


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