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戦闘開始!!

 翌日早朝、五十六達3人のパイロットは出撃準備に入った。愛機の「飛燕」は整備員の手で完全に整備、調整されていた。


 機銃には弾薬が満載され、翼下には30kg爆弾4発とロケット弾4発が発射用レールに装填されていた。


 天候や空路に関しての簡単な打ち合わせの後、3人は「飛燕」に乗り込んだ。機体のチェックを行うが、異常はなかった。


「よし。コンターック!!」


 五十六は旧日本海軍式に叫び、エンジンのスタートボタンを押した。アリソンエンジンは快調に回り始めた。


「よし。」


 両手を振り、車輪止めを整備兵に解除させる。


「よし、全機発進する。先行機の動きに注意せよ。」


 無線から沢村隊長の声が響いてきた。


「「了解!!」」


 この特設飛行場にはまだ管制塔という贅沢な施設はない。地上誘導員の信号と、自分の目だけを頼りに離陸する。


 幸い、事故もなく3機は飛び立った。


「それにしても重いな。」


 飛び立つなり愚痴を呟く五十六。しかしそれもしかたがない。なにせ彼が今回のような過重負荷の状態で飛んだのはこれまでにわずか2回だけなのだ。


「けど、今回は実戦なんだ。」


 昨日既に1回実戦を経験しているが、あれは言わば突発的な戦闘であったから、彼にとっては戦ったという意識が薄かった。


 しかし、無意識の内に身体は戦闘のことを覚えてしまったようだ。今の彼には、初出撃の時にくる緊張のような物が全くなかった。







 飛び立っていく3機を見つめる1人の少女がいた。


「間違いない。あれだわ。一体あれは・・・」


 昨日自分達を助けてくれた謎の物体。それを追いかけて、彼女はここまでやって来ていた。


「本当にあれは何なのかしら・・・」


 その時である、男の罵声が響き渡った。


「こら!!そこで何をやっているか!?」


「!!」







 遠くに見える山や、時折目に入る集落を目印にして、3機は飛んで行く。目標までの距離は200km。350kmの巡航速度で飛べば1時間もしないうちにたどり着いてしまう。


 発進30分後、隊長機から無線が入る。


「後15分もすれば目標だ!全機機銃の試射を済ませろ!!」


 戦う時に機銃が使えないのでは話にならない。そのため、戦闘前に機銃の試射を行う。五十六も全銃発射モードにして安全装置を解除する。そして、発射ボタンを押した。


 ダダダ・・・・


 プロペラ軸の20mm機関砲と、主翼に装備された2基のブローニング12,7mm機銃から3本の曵光弾に彩られた火線が走っていく。


 他の2機も同様であった。


 「異常無しです。」


 「よし。では、ミサイルと爆弾の安全装置を解除!!いつでも発射出来る様にしておけ。」


 五十六はミサイルと爆弾の安全装置のボタンを解除した。これで爆弾は信管が作動する状態となり、ミサイルも発射できる。


 「目標まで後5分だ。編隊を解け。」


 3機は横一列の編隊を解いた。


 「突撃!!」






 

 アルメディア帝国軍の陣地では、朝を迎え、兵たちが朝食の準備に取り掛かっているところだった。


 炊事の煙が上がり、起床ラッパが鳴り、兵たちが寝床から出る。そんな中で、兵たちは聞き覚えのない音がしてきたのに気づいた。


 ブーン・・・


 虫とは違う、重々しい音。


 「何だ!?」


 兵たちは音が何所からしてくるかわからず、四方を見回すが、音源らしい物は見当たらない。


 彼らが狼狽していたその時。


 ズドーン!!


 火柱が立ち上り、凄まじい爆発音が響き渡った。そして、彼らの頭上を見たこともない金属の塊が通り過ぎた。

 


 


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