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大変です。

大変なんです。


俺は二歳とちょっとになりました。

この二年で大体言葉が分かるようになりました。

分かるようになっちゃったんです。

だから、大変だということが分かりました。


聞いて驚け。

ここはヴァンパイアの里で、暗殺・諜報・工作を請け負う特殊工作員を養成していたんだ…!

なんてこった。


請け負うというからには依頼者が居て、それが人らしい。

うちの里は、主に西の国から依頼を受けるそうな。

他に南の国、北の国、東の国などがあるらしい。国の名前じゃなくて、こう呼んでたが名前は無いのだろうか。

ギリギリ人類の敵ではないようだが、簡単に受け入れられるタイプでもなかったよ…。


しかも、里は隠し里で許可無く出たり、脱走したりすると追手が掛かり、殺して機密保持をするとか。

最悪だ。

異世界楽しめないよ…。


さらにさらに、里の者は皆暗殺・諜報・工作の訓練を受けることが義務付けられていて、拒否したり里のやり方を批判したりすると殺処分になるらしい…。これは大人が話してるのを盗み聞きした。もちろん遊んでいるフリをしながらだ。

実際噂になったくらいだから殺処分になった人がいるらしい。昨日から姿を見ないとか。怖っ!


はぁ~、超テンション下がったよ。

なんてところに転生してしまったんだ。




テンション上げるために、魔術について。

魔法もあったらしいが、伝説に残るのみで再現できた人はいないとか。

魔法と魔術の違いは、なんか魔法はすごいとしか分からなかった。

伝説として本に書かれているものだから、詳しいこととかまるで書いてなかったよ。


というわけで、現在使われているのは魔術というものだそうだ。

これも本で得た知識だけどな。

絵本を読んでいると見せかけて、普通の本を読んでいるっ!


特殊工作員養成の里だけあって結構な蔵書量があったから、これ幸いと読みまくっているところだ。

誰でも自由に出入りできて、本を読んで良いという大きめの家。別名、保育園。六歳未満が集められている。隣にはアスレチック遊具のある運動場もあるよ!


なんのことはない。幼子がうろちょろするのを防ぐため、一箇所に集められているだけだ。アスレチック遊具で訓練の下地作りまでやっているという念の入れよう…!

まぁ、本が読み放題なので文句はありませんが。

あ、正式名称は集会所ね。保育園は俺が心の中で言ってるだけ。


話を戻すと、六歳から訓練が始まるそうで。だったらそれまでに読みまくってやんよと…また脱線したね。


魔術は、誰が発見したのか不明で。誰が体系化したのかも不明。しかし、この世界に生きる人なら誰でも使えるという超便利さ。

魔術を使うには、魔術言語と呼ばれている言葉を発音するだけ。ただし、発音しないと使えないので無詠唱はできない。

魔術には適性というものがなく、魔力さえ足りるならすべての魔術が使える。魔力が足りなかったら発動しない。


事実、二歳の俺にも使える。明かりの魔術であるライトを試してみたが、光の球が出たから間違いない。

ライトの魔術を使って光の球を出した時、体内の魔力を消費したのを感じた。

ちょっぴりしか減った気がしなかったから。俺の魔力量は結構あるみたいだ。

ライトの消費魔力で所持魔力量の検討がつくらしい。


この魔力量は、生来持っている量から増減しないそうだ。本に書いてあったが、何百年も魔力量を増やす方法を研究しているが成果は上がっていないとか。

魔力は使いすぎると疲労し、最後には気絶する。

また、Web小説でよくある魔力循環や魔力操作というものも無い。

あと、へその下に魔力があるわけでもないようだ。

試してみたけど、全部ダメだった。


他には、魔力を込めることで威力を上げたりできると書いてあった。

しかし、さすがに攻撃魔術をぶっ放すわけにはいかないのでこれは実験できていない。

訓練の時には魔術も科目に含まれるそうなので、その時やろうと思う。


あー、訓練か。憂鬱だなぁ。六歳になったら強制だよ…。

それまでは平和に、本を読んで暮らそうと思う。

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