表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/13

010

ドラゴン狩り部隊、目的地へ向けて移動。


結局、拒否することなんてできないから後方支援部隊として編成されちゃったよ。

只今荷物を背負って歩いてるところ。他の訓練生と一緒に隊列を作って歩いている。

さすがに十一歳以下はお留守番だ。俺もお留守番したかった…。


出発前に聞いたドラゴン狩りの要領はこうだ。


一、斥候を出してドラゴンの居場所を特定・監視。

二、第一陣として拠点構築部隊。

三、第二陣は主力部隊と俺たち後方支援部隊。

四、主力部隊がドラゴンと戦って倒す。


四番目が非常に希望的観測というか、楽観的というか…。

なんだろう、本当に勝つ気があるんだろうかという感じだな。


主力部隊というのは、里長の息子とその取り巻きというか幹部候補連中のことだ。

ただの訓練生の俺は話したことどころか、見たことさえ数回しかない。

噂によると、里でも上位の連中らしい。

うっかり全滅しようものなら里の仕事に問題が出るくらいには重要だそうだ。

勝てなくても、ドラゴン連れて逃げてくるようなことが無いように祈るよ。




さて、西の山を三つ越えた先にドラゴンがいるという話だが、本来ならめちゃくちゃ行軍に苦労するはずだ。しかし、大人はみんな吸血して力持ちなので、太陽光を遮る三重張りの天幕を難なく運ぶんだよなぁ。さらに、重いはずの水も楽々だ。輸送に苦労するはずなのに、ぜ~んぜん苦労していない。

これを見るとヴァンパイアってすごいんだなって思う。


朝日は致命的なので、空が明るくなる前に野営の準備を行う。

これも力持ちの大人たちが軽々こなす。

俺たち訓練生は食事の準備だ。

あ、行軍中に山の幸を採る役割の部隊や狩りをする部隊もいるよ。

食料は現地調達でさらに増えるのだ。

増えても持てる人たちだから問題ない。


そうやって山を越え、とうとう拠点構築場所に着いた。

すでに拠点構築部隊によってほとんど出来ている。


ここはドラゴンから五キロほど離れた地点だ。

たった五キロだが、周囲は全部山なので十分だと判断された。

なにせ、ドラゴンと戦ったことがないから文献などから引っ張ってきた知識しか無いのだ。

う~ん、不安だ。


そうそう、物の単位なんだが。度量衡のことな。

重さ・長さ・角度・時間。そして単位名まで、全て地球とほぼ同じようなんだ。

昔々、単位を統一しようと提案した人が居たらしい。ちょっと怪しいよな?

当時は国によって違ったから、さぁたいへん。数年掛けて議論が行われ、喧々諤々のやりとりの末単位は統一された。まぁ、色々と便利だということが認められたんだろう。

その後、文献には提案者について書かれていない。同類かなとか思ったんだが…。残念だ。




拠点構築も終了し、諸々の準備も整った。

いよいよ明日の夜、主力部隊がドラゴンとの戦いに赴く。


俺は拠点でまったり待たせてもらうかな。

…やっぱり不安だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ