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今日の異世界  作者:
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1

「あんたね、またこんなところで授業さぼってんの?」


 目を瞑っていたら、聞きなれた声が聞こえた。


「遠子か……。しょうがないだろう。頭が痛いのに、授業に集中なんてできるか」


「だったら保健室に行きなさいよ。屋上で寝てるよりベッドで寝てる方がマシでしょ? だいたい、あんたがまじめに授業受けてるところなんて見たことないんだから。どうせなら教室で寝た方が、出席になる分まだマシなんじゃない?」


 屋上まで避難してきて、せっかく静かになったのに。

 これでは台無しだ。


「うるさいな……。いいから、ほっといてくれ」


「あんた……、まだ見えてんの?」


 ………。


「やっぱりさ、もう一回病院行ったほうがいいんじゃないの?」


「しょうがないだろ、異常無しって言われたんだから。もらった頭痛薬も全然効かないし。何時間も待たされるし。もう病院はいかない」


「でもさ、どんどん酷くなってきてるみたいじゃない。授業中もずっと寝てるし、あんた最近夜ちゃんと寝てる? 酷い顔してるわよ?」


「生まれつきこういう顔なんだよ。ほっといてくれ」


「そういうこと言ってんじゃないの。目の下のくまもすごいし、死人みたいな顔してるわよ、あんた」


 お前は俺の母親か何かか?


「夜は寝てるよ……。遠子が心配するようなことはなにもない」


「そう、分かったわ……。カフェオレ飲もうと思ったけど、やっぱりいらないわ。ここに置いておくから、あんた飲んどいて。それと、次の授業は出なさいよ」


 そう言い残して遠子は屋上から出て行った。



シーン:帰り道



 頭痛が酷いことを担任に告げ、今日は早退することにした。

 頭が痛いのは授業をサボる方便などではなく、本当のことなのだからしかたない。

 しかも、今日の頭痛はいつも以上に酷い。

 頭痛のせいで、思考がほとんど働かないほどだ。


 早退するために教室で荷物をまとめているときに、遠子の奴が心配そうにこちらを見ていた。

 教室内で話しかける勇気がないのなら、そもそも俺に優しくしないで欲しい。

 中途半端に優しくされると、固めたはずの決心が揺らぐのだ。


 学校から帰る途中、道端に見慣れぬものが落ちていた。

 それは最初、小さな人形に見えた。

 ただの人形なら、見て見ぬふりをするつもりだった。

 薄汚れた人形を持って帰っても使い道などないし、道に落ちているゴミを持ち帰るほど善人でもない。

 しかしよく見ると、それは人形ではないようだった。

 僅かだけれど、動いている。

 近づいて見てみると、それが苦悶にゆがんだ表情をしており、まるで熱病に浮かされているように苦しんでいるのが分かった。

 呼吸に合わせて、その胸が大きく上下していた。


「生きてる……?」


 片手で持ち上げようとして、頭がぐらりと傾いた。

 あわてて両手ですくい上げるように持ち上げる。

 大きさはちょうど両手の幅に収まるくらい。

 気が付いた以上そのまま放置しておくわけにもいかず、とりあえず家に持ち帰ることにした。



シーン:家



 自分にも何だか分からないものを、他人に説明するのは面倒なものだ。

 なので俺は、誰にも見つからないようにそれを自分の部屋に運び込んだ。

 机の上にタオルを引いて、その上に拾ってきた生き物を寝かせる。


「これは……、妖精か?」


 初めて見る生き物だったが、俺にはどう見たって妖精に見える。

 両手を合わせたほどの大きさで、一見人間のような姿をしている。

 背中には、虫のような羽が生えていた。

 けれどそれは透き通っていて、ガラスのような滑らかさを持っている。

 顔立ちはまるで人形のように整っているし、肌は陶器の様に透き通った白色をしている。

 髪は滑らかな栗色で、背中まで長く伸びている。

 こんな綺麗なものを見るのは、初めてだった。


「弱ってるのか?」


 妖精は、相変わらず荒い呼吸を繰り返している。

 もしかしたら、熱があるのかもしれない。

 指先を、妖精の額に当ててみる。

 予想に反し、ひんやりとした感触があった。

 高い熱は無いようだが、むしろ冷たすぎるのかもしれない。

 妖精の体温なんてものは分からないので、結局それが正常なのか異常なのかは分からなかった。


「おい、大丈夫か?」


 刺激を与えれば意識を取り戻すかもしれないので、指先でぐりぐりと頬を押してみる。

 不意に、妖精の細く小さな手が動いた。


「おお!?」


 弱々しい動きで、俺の指を確かめるように触れてくる。

 両手で挟み込むようにして抱えているが、とても弱い力だ。

 そして同時に、妖精の口が大きく開いた。


「なんだ……?」


 なんだか嫌な予感がしたが、一瞬遅かった。

 かぷりと、妖精が俺の指に噛みついたのだ。


「いいっ――――――――!!」


 ―――たい!!

 痛みに耐える。

 思わず妖精を振り払ってしまわなかったのは幸いだった。

 もし痛みのままに振り回してしまっていたら、今頃妖精は部屋の壁にでも打ち付けられてしまっていただろう。

 そうなっていれば、下手すればそのショックで死んでしまっていたかもしれない。

 俺は冷や汗をたらしながら、指の痛みに耐える。

 この妖精は、今だ俺の指に噛みついたままだ。


「はやく、してくれ―――!」


 い、痛い、痛すぎる!

 早くその口をどけてくれ!

 あまりに痛すぎて、よく分からないことを口走ってしまった。

 もし、このまま食いちぎられたりしたらどうしようかと思ってしまう。


 ごくんと、妖精の喉が動くのが見えた。

 なんだこいつ、俺の血を飲んでんのか!?


 それから、変化はすぐに現れた。

 妖精の閉じられた瞳が、ぴくぴくと動いた。

 そしてあっさりと、妖精の大きな瞳が開く。

 妖精の顔はとても小さいのに、そのまつ毛の長さがよく分かる。

 その小さな口が開き、信じられない言葉を発した。


「……おいしいです」


 この妖精は、確かにそう言った。

 人畜無害そうな顔しやがって、実は人の血を吸う吸血生物だったのか!?

 このまま吸われ続けたら、干からびるまで吸われてしまうかもしれない。

 一刻も早く解放してもらいたい。


「おい、目が覚めたんなら、さっさと俺の指を離してくれ」


 どうやら俺の言葉は理解できるらしい。

 妖精が、名残惜しそうに俺の指から口を離した。

 俺は慌てて指をひっこめる。

 そこには二つ、きれいに穴が開いていた。


「あーあ、穴開いてるし……。絆創膏あったかな……」


 妖精に対する好奇心は、いきなり噛みつかれたせいで少し失せていた。

 人の指に噛みついて血を吸うなんて、なんて生き物なんだという憤りが勝っている。


 とりあえず、絆創膏だ。

 確か、この部屋にも置いてあったはず……。

 本棚においてある小箱を漁る。

 おお、あった。

 いそいそと絆創膏を貼る俺。


「ここはどこですか……?」


 机の上に鎮座する妖精が、あたりをキョロキョロ見回しながら言う。


「俺の部屋だよ」


 俺は再び椅子に戻る。


「貴方は誰ですか?」


 妖精が俺の顔を見上げる。


「……玄月英里だ」


「クロツキエーリ? 変な名前ですね……」


 妖精がくすりと笑った。

 ああ……、こうやって笑っていると、なんて可愛い生き物なのか。

 しかし、こいつは人の血を吸って生きる吸血生物。

 あと人の名前を笑うんじゃねえ!


「余計なお世話だ。じゃあお前の名前は何だ? 俺の名前を笑ったんだ、大層な名前なんだろうな?」


 名前を聞いたら思いきり笑ってやろうと心に決め、妖精に名前を尋ねる。


「名前は、ありません」


 予想外の答えだった。


「無い?」


「そうです」


「いや、だって名前がないと不便だろう?」


「……そうですか?」


 俺が今絶賛困り中なのに、この妖精は気が付いてないらしい。


「じゃあ、俺はお前のことをなんで呼んだらいいんだ?」


「……妖精さん?」


「それは見たらわかるが、名前とは違うだろ?」


「………」


 きょとんとした顔をする妖精。

 しょうがない、助け船を出してやることにするか。

 だいたい、このままでは話が進まない。


「お前、名前は欲しくないか?」


 初めてこの妖精を見た時から、俺はある人物のことを思い出していた。

 髪の色と長さが似ているからだろうか。


「……欲しいです!」


 ぴこんっと妖精の背筋が伸びる。

 期待に満ちた眼差しで、俺のことを見る。

 ぼんやりしている印象だったのに、意外としっかり主張するんだな。


「俺がつけてやろうか?」


「いいんですか!?」


 うれしそうな顔をする妖精。

 本当は名前がないことに不満を持ってたんじゃないのか?


「ああ、いいよ。じゃあお前の名前は、トーコだ」


「トーコ……」


 どうだろうか。

 妖精の反応を待つ。


「すごくいい名前です! 大事にします!」


 思いのほか喜んでくれたようだ。


「じゃあトーコ。名前も決まったところで聞きたいことがあるんだが、いいか?」


「はい! 何でも聞いてください!」


 なんだか途端に元気になった。

 愛想が良くなったとも言えるかもしれない。

 名前を付けてやったことで、トーコの中で俺の株が上がったのだろう。

 きっと、俺のことを警戒していたところもあったんだろうな。

 しかし、いきなり何でも聞いてくださいとは。

 名前を付けて貰ったくらいで、心を開きすぎだとも思うが……。


「トーコは妖精なのか?」


 一番気になっていたことを聞いてみる。

 俺にはトーコはどう見ても妖精に見える。

 俺の血を吸ったことは、今は置いておこう。


「はい。トーコは妖精です。クロツキエーリは妖精を見るのは初めてなんですか?」


「ああ、初めてだ。なんでトーコはあんなとこに倒れてたんだ?」


「あんなとこ? あんなとこってどこですか?」


「道端に倒れてたぞ? 妖精は普段道端で寝るのか?」


 まさか、そんなことないだろう。

 自分で自分に突っ込みを入れておく。


「まさか、そんなことしません! トーコは……、そうです! ゲートに入ったんです!」


「ゲート?」


 なんだか聞きなれない言葉が出てきたな。


「そうです。ゲートに入って、気が付いたらエーリの部屋にいました。入ってはいけないと言われたんですけど、どうしても我慢できなくて……。すこし触ってみるだけのつもりだったんです……」


 それまで元気に話していたのに、急にしゅんとしてしまった。


「ゲートに入るとどうなるんだ?」


「……異世界に、移動できるそうです」


 異世界。

 またとんでもない言葉が出てきてしまった。

 信じられないが、しかしトーコの言葉を否定もできない。

 この世界に、妖精がいるとは思えないからだ。

 だったら、目の前の妖精が異世界から来たという話を信じた方が筋は通っていると思う。


「トーコは異世界から来たってことか……?」


「クロツキエーリ! この世界から元の世界に帰る方法はありますか!?」


「ええっ!? 元の世界って、異世界のことだろ? 異世界に行く方法なんてのは、聞いたことがないな……」


「そうですか……」


 がっかりして肩を落とすトーコ。

 元の世界に戻りたいのか……。

 俺にできることなら何とかしてやりたいが。


「エーリがこっちの世界に来るのに使ったゲートってのは、この世界じゃ作れないのか?」


「……分かりません。ゲートを作るのには、珍しい金属がいるんです。エーリの世界にもあるのかどうか……」


「まあ、とりあえず教えてくれ。もしかしたらあるかもしれないだろ?」


 トーコは少し逡巡したが、結局教えてくれた。


「……ゴールドです」


「うっ……なるほど……」


 思わずうなってしまった。

 ゴールドってことは、つまり金だ。

 この世界にもあるにはあるが、その値段は相当高い。

 苦々しい顔をする俺を、トーコはすがるような目で見てくる。


「やっぱり、ありませんか……?」


 恐る恐る聞いてくるトーコ。

 やはり、ここははっきり言うしかないだろうな。


「ある……にはある……」


「あるんですかっ!?」


 俺の言葉を聞いて、トーコの顔が笑顔に変わる。

 俺は、その笑顔がぬか喜びになるのがつらい!


「けどなっ! ゴールドは高いぞ。トーコの世界でどれだけ希少だったかは知らないけれど、ゴールドはこの世界でも希少なんだ。そう簡単には手に入らない」


 とりあえず、これ以上トーコを無駄に期待させないように釘を刺しておかないと。

 一応トーコにわかりやすいように、金はゴールドと置き換えておく。


「ゴールドは、私の世界でも希少でした。ゲートは、私が入れるくらい。これくらいの大きさでしか作れませんでした。これくらいなら用意できませんか!?」


 背伸びをし、両手を使って四角を表現するトーコ。

 それは、確かに小さかった。

 トーコ一人分が入れる箱のような感じだ。

 しかしそれでも、その量の金なら十分高い。

 少なくとも俺に買える額にはならないだろう。


「無理だな。とてもじゃないが用意できない……」


「そう……、ですか……」


 俺の答えを聞いてうなだれるトーコ。

 俺も一気に体の力が抜けた。

 結局、俺には何もできないというわけだ。

 頭を支えるのも億劫になって、こつんと机に額をつける。


「そういやトーコ、体の調子は大丈夫なのか?」


 なんだかおざなり調子になってしまったが、トーコの体を心配してみる。

 少し前まであんなにしんどそうだったのに、今ではすっかり元気になっているように見える。


「はい、大丈夫みたいです。エーリのおかげです」


「そうか……。妖精ってのは、みんな血を吸って生きてるのか……?」


 返事を聞くのは怖いが、確認しておかなければ気になって仕方ない。


「それは誤解です! 妖精は、普段は果物なんかから魔力を吸収して生きてます。人間の血にも魔力が含まれていますから、そのおかげで元気になっただけで、血を吸って生きてるわけじゃありません!」


「そうか……。普段から血を吸って生きてるわけじゃないのか……。そりゃ良かった……」


 妖精が人間の血を吸って生きてるなんて、嫌すぎるからな……。 


「当たり前ですっ!」


 うつむいているので見えないが、多分トーコは怒った顔をしているのだろう。

 それが、精一杯のトーコの強がりな気がして、なんだか虚しくなってくる。

 結局俺って、ダメ人間……。


「……クロツキエーリ?」


 金か……。

 トーコが必要とするくらいの金となると、いくら位の値段になるのだろう。

 一度、調べてみるのもいいかもしれない。

 恐らく買えないとは思うけれど、万が一と言うこともあるし……。


「クロツキエーリ? 大丈夫ですか?」


 ぽふぽふと、頭をたたかれる。

 顔を横に向けると、すぐ傍にトーコが立っていた。

 やっぱりかわいいな……。

 素直にそう思う。

 しかしなにやら、トーコは悲しそうな顔をしている。


「……英里でいい。どうかしたか?」


 何かあったのだろうか?

 トーコに聞いてみる。


「……クロツキエーリはエーリなのですか?」


「ああ。だからいちいちフルネームで呼ばなくていい。それで、どうかしたのか?」


「クロ……、エーリが急に黙ってしまったので……。ゴールドのことなら、気にしないでください」


 うつむくトーコ。


「ゲートには絶対入ってはいけないって、言われてたんです。それを入ってしまったのだから、全部私の責任です。エーリは何も悪くないのです!」


 俺がふて腐れていたせいで、トーコに気を遣わせてしまったようだ。

 こんな小さな子に気を使わせるなんて、俺は一体なにやってんだ……。

 まあ……、トーコは妖精なんだからこれが標準サイズなんだろうけど……。


「そうだな、このままじゃいけないな……」


「そうです。エーリは何も気にしなくていいのです!」


 なにやらトーコが俺を励ましてくれている。

 どうやらこれ以上ふて腐れているわけにはいかないようだ。

 体を起こす。

 とりあえずネットで、値段だけでも調べてみよう。

 机の下に置いておいてパソコンの電源を入れる。

 ファンの回る重低音とともに、パソコンが起動する。


「エーリ、これは何ですか?」


 パソコンのモニタは机の上に置いてある。

 トーコは特に怖がりもせずに、次々に表示が切り替わるモニタを見ている。


「パソコンだよ。トーコの世界にパソコンはなかった?」


「始めて見ます。これは何をするものなんですか?」


「何を? 何だろ、いろいろかな……。とりあえず、これでゴールドのことを調べよう」


「これでですか? 調べる……、本みたいなものなんですか?」


 トーコの世界では、調べものをすると言ったら本を使うのだろうか。

 マウスとキーボードを操作して、金の相場を調べる。


「ちょっと違うけど、だいたいそんなもんだ。すごくたくさんの本を、小さい箱に押し込めた感じ」


「なるほど……」


 感心したような声を上げるトーコ。

 正直いい加減な説明をしてしまったが、それで本当に分かったのだろうか?

 検索の結果がでる。

 金の相場は……やっぱり高い……。

 1gで5000円弱。

 トーコがくぐれるくらいの枠を作るとして、何グラムいるだろう……?

 500gくらいだろうか?

 もし500gだとして、1gを5000円で計算したら……。

 250万円……。

 絶対無理だ。

 そもそも金が買えたとして、どうやって加工する?

 金の加工の仕方なんて知らないぞ……。

 トーコのために前向きに考えようとしたけれど、やっぱり無理みたいだ……。


「どうですか? 何か分かりましたか?」


 トーコが聞いて来る。

 なんとも答えにくい……。


「そう、だな……。やっぱりゴールドは高いな……」


 俺の返事を聞いて、また落ち込んでしまっただろうか……?

 トーコの顔を見るのが怖い。


 ……ん?

 金の加工の仕方を調べていたら、何やら気になる言葉が出てきた。

 これを使ったら、いけるんじゃないか……?

 値段も、俺の所持金で買えない額じゃない!


「なあトーコ?」


「なんですか……?」


 明らかに声のトーンが沈んでいる。

 トーコもがっかりしているのだろう。

 しかし、今はそんな場合ではない。


「そのゲートってのは、ゴールドを使う量に決まりはあるのか?」


 慌てないよう、落ち着いてトーコに聞く。

 トーコにぬか喜びはさせたくなかった。


「ありますよ。ゲート開く空間に対して、四角く途切れないようにゴールドで区切らないといけないみたいです」


「ゴールドで区切られてさえいればいいんだな? ゴールドの厚みがないといけないとか、そういう決まりはないんだな?」


「……たぶん。………! なにかあったんですか!」


 トーコが期待に満ちた目で、俺のことを見上げてくる。

 それに対して、今度こそ俺も自信を持って返すことができる。


「ああ! ゲートが作れるぞ!」


 金箔……!

 便利なものがあるじゃないか!

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