#「ネロ…」
「ひ、ひどい!ネロ、アタシのこと忘れちゃったの…?」
ネロの顔を見つめ、言う。
「ユノだよ、ユノ!」
そう、必死に少女は訴える。
「知らねぇ…」
ユノが頬を膨らませる。
「んもう!一緒にお風呂に入った仲じゃない!」
「…はぁ?いやいや…親父が乱入以外はないと…」
――ネロのお父さんってどんな人なんだろう…
アリスはたまに気にする。謎が多すぎる人物だからだ。
「まあ、それは日常茶飯事でしょ?」
「常識のない大人だしな。親父は…て」
さりげなく同調するユノにネロが聞く。
「…親父の愛人?」
「どこから出たのその単語は。貴方の幼馴染に対するそれは」
ユノが扇子をネロの顔の前に突き出す。
「いや…親父の事だからありうると…」
「ネロのお父さんってどんな人なの?」
思わずアリスが聞く。
「常識のない人だ」
「常識外れの人よ?」
2人が声をそろえて言う。
「常識を覆す人ですか…」
きっとそんな人の周りには、“闇”が集まりやすいだろう。
人の和が乱れて。
「あれ…ネロのお父さんってことは…」
「ああ、お前に“聖蹟”を授けたあの頭領だが?」
「…なんかの嘘だよね。も~ネロったら。今月は蒼ノ月(5月の事)の十日で、
華ノ月(4月の事)の初日じゃないんだよ~?」
「いや、マジで。寺院がこの世界に無かったら、真っ先に“闇”にやられると、自他共に公認って感じの人間だ」
「そゆこと。周りに迷惑かけちゃうからって、頭領は生まれた時からこもりんなのよ」
アリスに「こもりん」という言葉は分からなかったが、恐らく引き籠りの事なのだろう。
「もう、ユノ君。少しは僕らの事も考えて下さい…」
と、ユノの後ろに、ラレンタの国の国民服に身を包んだ少年が二人、立っていた。
嗚呼…とうとうユノ登場です!
しばらくしたら運命の神様たちも出そうと目論んでおります><
これからもよろしくなのです!