第一章 ~ #1 列車に揺られて
街から離れた白く乾いた土地に敷かれたレールが一本。
その上を列車が砂埃を起てながら走っていた。
列車の窓に揺れるカーテンの殆どは、朝日を遮る為にその殆 どが鎖されている。
「う…ん…」
その一つのカーテンから洩れた朝日に包まれ、アリスは眼を覚ました。
「ふわ…ぁ…あれ…ネロ―…?」
大きな欠伸の後、相棒の名を力なく呼ぶ。
「ん、アリス。お早う」
湯気が立ち昇るカップを手に、一人の少年が扉の影から姿を現した。
「ネロ~おはようっ!」
にぱり、とアリスは笑顔を見せる。
「うん。今日も元気でよろしい。若者は元気が一番」
「ネロもその若者の一人でしょ?」
まるで自分が若者ではない、と言いたげなネロに、アリスが問う。
「精神だけ若者じゃないってことで。」
ネロがにっこりと笑い、手にしていたカップの片方(アリスはミルク入り)を差し出す。
アリスはそのカップに触れ、直ぐに手を引っ込めた。
「熱ッ!今日のコーヒー熱すぎだよ!」
その様子を見てネロがくつくつと笑った。
「あ、もしかしなくてもわざとでしょ!絶対!!」
「いや~たまにこうして熱々コーヒー混ぜてアリスの反応を楽しもうと…」
またくつくつと笑い、アリスの頭を撫でる。
「む~…まあ、いいや。みるく入りだもん」
火傷に気を付けながらゆっくりと飲む。
「ん~…もうちょっと味わってほしいな……まあ、お前にそこまで求めないが」
少し馬鹿にされた様な気もしたので、ネロの言葉を聞き流し、一気に飲み干した。
「ご馳走様でした~!今日も美味しかったです!」
「ん、有難う」
ネロがカップを回収する。
「また作ってね♪」
無邪気なアリスの笑顔に、ネロもまた、無邪気な笑顔を見せた。
+++ +++ +++
窓の外を見ていたアリスがふと言葉を洩らす。
「あーあ…本持って歩くのヤだなぁ…」
アリスの言葉にネロが即座に応えた。
「俺はヤだからな」
「?何が?」
アリスが驚きの表情になる。
「お前の本持たされるの」
「まだ頼んでないのに…」
「頼むつもりだったんかい」
たまにアリスが心理戦を仕掛けてくる様な気がする。
第一話更新!
明日(10/9)第二話も更新…したいなあ…
一応十話くらいまで考えてありますが…
編集とかで時間取ってるので…
てゆうか、もしかすると気が向けば今日中に第2話も更新…するかもです☆
今回はホンットに平和に済ませました**
第三、四話あたりは完璧に平和ペースです**
ラヴが絡みますけどね。
ちなみに余談。
ネロが少年て言われるのが、プロローグと第一話合わせても、「湯気が~現した」しかないので、学校の担任の先生(国語担当の美人女教師さんです**)に読んでもらった時、その…「少年」を、「少女」って間違えて書いてました…うわあ~ん!
…でも、担任の先生が女性で良かった…
って。なんとなく今日思いました。